空がきれい
僕の働いている会社はここ1~2年すごく社内での引っ越しが多かった。さすがにもう落ち着いてきたけど細かいのを入れたら4~5回じゃきかなかったように思う。
今いるところからは、窓の外を見ると遠くに新宿や渋谷方面の高層ビル群が見える。夕方になると空や雲が色づいて、そこから陽が落ちるまでの時間は何かと外を眺めてしまう。
「ぽっかぽか」という漫画がある。結構前に昼ドラでもやっていた。その中で、旦那の会社に「結婚する意味がわからない」という後輩が出てきます。結婚なんかしても縛られるだけで何も良いことはない、奥さんは幸せですか?と聞かれたときの回答がすごく心に残っている。
例えば空にすごーくきれいな雲があって
それがすごーくすごーくきれいだと思った時
振り返ってあなたを呼んで
ふたりでながめる幸せ
深見じゅん「ぽっかぽか」
こういうことだよな、と最近思う。
一人で自分の好きな時間に好きなことをして、好きなものを食べ、眠たくなったら寝る、ということが幸せだな、と思っていた。もちろんそれも幸せではあるのだけれど、すやすやと変な体制で眠る息子を見ることや、他愛もない話をして妻と笑い合うことや、今夕焼けがきれいだよ、と何でもないLINEを送ったりする、それもまた1つの幸せだと思う。
東京はどこに行っても人は多いし、自然はないし、あまり好きではないのだけれど、遠くに見えるビル群の航空障害灯(屋上とかにある赤く点滅するアレ)と夕焼けのコントラストは、田舎に高い建物なんてないのになぜかノスタルジックな気分になる、とても好きな景色だ。
今日も日が暮れて、外は暗くなって、ビルは電気と航空障害灯でその形を認識することができる。仕事が終わって家に帰ったら、息子は今日もおもしろい寝相で寝息を立てているだろう。遅い夕食をとりながら、妻には何を話そうか。何でもいい、今日も忙しなく毎日が過ぎたことが実感できれば。
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