ポーランド「単一民族国家」観の見直しの契機
『ポーランドのユダヤ人：歴史と文化』ドイツ語版 [1982年] [ワルシャワ刊]
Fuks, Marian / Hoffman, Zygmunt / Horn, Maurycy / Tomaszewski, J., Polnische Juden. Geschichte und Kultur. Verlag Interpress, [1982], [Warschau]
German edition, 204pp, original board binding with original dust jacket
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ワルシャワ、クラクフ、ウッチのユダヤ人博物館の収蔵物やポーランド領内に残るユダヤ人遺構をまとめて紹介した1982年に発行された書籍です。原書はポーランド語でしたが、ドイツ語版（本書）と英語版も公刊されました。
本書が発行された1980年代は、レフ・ヴァウェンサ（ワレサ）率いる「連帯」による「グダンスク協定」により、ポーランドにおいて政治・経済での多元主義が浸透を始めていた時期でした。
こうした多元主義が歴史や文化の分野にまで広がり、第二次世界大戦後に「単一民族国家」とされたポーランドの歴史をユダヤ人やその文化を含む多元主義の視点（多民族国家）で見直すきっかけとして発行されたものと思われます。
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