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アメリカで最も権威ある児童書の賞コールデコット賞次席作品

八島太郎 『からす たろう』 初版 1955年 ニューヨーク刊
Yashima, Taro, Crow Boy. New York, Viking Press, 1955 <R17-95>
First edition. , 37p., original cloth with a dust-jacket

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八島太郎(本名:岩松淳1908-1994)は鹿児島生まれのアメリカの挿絵画家で絵本作家。プロレタリア運動に加担したため1939年にアメリカへ亡命。1941年の太平洋戦争勃発後、ドイツからアメリカに亡命していた風刺画家ゲオルグ・グロスの推薦でアメリカ戦時情報局、後に諜報機関OSSに勤務することになり、日本兵向けの反戦ビラの作成に従事しました。

日本で過ごした子ども時代や家庭生活を題材にした作品で知られ、代表作として知られる「Crow Boy」(邦題:からすたろう)も、八島の生まれ故郷である鹿児島県大隅半島を舞台とした作品といわれています。

また、本書で学校や勉強に馴染めず孤立するチビの隠れた才能を見出す新任教員のイソベ先生も、八島が小学校時代に出会った恩師で、「南方綴り方運動」の推進者であった磯長武雄氏をモデルとしたといわれています。

本書は1955年バイキングプレスより出版され、アメリカで最も権威ある児童文学の賞であるコールデコット賞の次席賞獲得しました。1979年に邦題「からすたろう」として偕成社より出版され、絵本にっぽん賞特別賞を受賞するなど、日米ともに評価される作品となっています。
参考文献:高橋久子「"Crow Boy"と『からすたろう』、八島太郎の揺れを追って」、『日本文学研究』、梅光学院大学、第27号、185-196、1991年

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