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榎本武楊が保持していた蘭文写本『万国海津全書』の原本

俄爾杜蘭(オルトラン)『海上国際條規』初版 全2巻 1845年 パリ刊 
Ortolan, Theodore, 1808-1874, Regles Internationales et Diplomatie de la Mer. Tome 1-2. Paris, Cosse et N. Delanotte et J. Dumaine, 1845 <R21-159>
<First edition. 2 vols. 8vo, xxi, [1], 464; 472p., contemporary half-calf>

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タイトルページ

榎本武楊がオランダ留学中に師フレデリクスから本書の蘭文写本を手渡され、箱館戦争敗北に際してそれを官軍の黒田清隆に託し、黒田が福沢諭吉に翻訳を依頼、福沢はわざと序文のみを訳し、本文は榎本自身でなければわからないと返却することで、榎本の助命に一役買った、というエピソードが知られています。

原書の序文

榎本が黒田に渡した『国際海津全書』は、現在、宮内庁書陵部に保存されていることが知られています。本書は、大日本帝国憲法が発布された1889年、海軍参謀本部が『海上国際條規』として翻訳します。オルトランの兄ジョセフ・ルイス(Joseph Louis Eléar Ortolan, 1802-1873)はパリ大学比較刑法教授で日本近代法の父ボアソナードの師であることが知られています。

オルトラン自身は『海津全書』の著者であること以外には不詳です。本書の初版は1845年、1853年に第2版、1856年に第3版、1864年に第4版と記録されています。初版は極めて稀覯です。

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