著者の死後に刊行された「完全版」
ディドロ 『運命論者ジャックとその主人』 初版 共和暦5年（1796-1797） パリ刊
Didero, Denis, Jacques le Fataliste et Son Maitre. 2 parties en 1 volume. Paris, An V (1796-7) <R22-137>
<First edition, 8vo, two part in on volume, part 1: 286pp, part 2: 320pp, modern half cloth binding, title lettered in gilt to spine, spine in compartment, untrimmed edges>
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パリに在住していたドイツ人百科全書派のフリードリヒ・メルヒォール・グリムが発行を仲介していた手書きの文芸誌「文芸通信」にて1778年から1780年にかけて15回にわたって連載されていたディドロの作品です。
「文芸通信」は本来プロイセン王国やヴァイマル公国など啓蒙思想やフランス文化に理解のあるドイツ語圏の王侯向けに限定的に発行されたものでしたが、ヴァイマル公国の宮廷に出入りしていたゲーテも本作品に触れる機会があり、熟読していたといわれています。
本国フランスではアンシャンレジームの出版規制のため断片的にしか知られていませんでしたが、ディドロの死後12年経った1796年に「文芸通信」の写稿をもとにして、ようやく書籍という形で発行されたのが本書です。
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