レファレンス・ハンドブック 注目タイトル (極東書店ニュース 722号)
極東書店ニュースONLINE、2024年4月15日に新着書誌情報を追加いたしました(No.722)。今回はEdward Elgar、レファレンス・ハンドブックの新刊が充実しておりますので、こちらでご紹介いたします。
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国際会計百科事典
Chand, Parmod (ed.), Encyclopedia of International Accounting. 2024 (E. Elgar)
<722-1>
この百科事典は、国際会計の包括的な概要、
すなわち会計基準、持続可能性報告、倫理基準、コーポレート・ガバナンス、規制理論、国際制度などについて、この分野トップクラスの研究者が重要な問題に焦点を当てて詳説しています。
「国際会計」International Accounting に焦点を当て、主なテーマとして取り扱った事典は非常に珍しく、記憶の限りではこの書籍が初めての刊行ではないでしょうか。会計学はもとより、経営学の研究にも必携の一冊。
世界銀行必携
The Elgar Companion to the World Bank. 2024. (E. Elgar)
<722-199>
強力な開発機関 である世界銀行の過去80年間を包括的にレビューしています。
専門家の学者グループによるさまざまな理論的アプローチと、開発の実務家による洞察が組み合わされ、世界銀行に関する研究と、より広範な国際関係分野への示唆が学際的に探求されています。
重要な見解や内部からの視点を提供する本書は、国際関係分野の学者や研究者だけでなく、開発学、組織社会学、国際法、環境問題、国際政治、開発経済などの分野の研究者にとっても不可欠なリソースであると言えるでしょう。
L.A.DiMatteo他編 メタバースと法の研究ハンドブック
本書はメタバースと様々な法-知的財産権や電子商取引、NFTや暗号通貨、契約法、人権との関連を考察しています。編者のDimatteoはもともと契約法が専門、昨今では暗号通貨やスマートコントラクトなどに関する著作も多い研究者です。
この研究ハンドブックは、メタバース・プラットフォームのような破壊的新技術によって分断された世界における法の役割を分析しています。知的財産権、電子商取引、NFTや暗号通貨、データプライバシー、契約法、さらには人権、消費者法、刑法などの問題に新たな局面がもたらされる中で、法がどのように適応していくのか、また適応していかなければならないのか。
メタバースにおける消費者の権利、基本的人権の侵害を防ぐために、どのように法整備を行うべきかについての洞察を提供した1冊です。
比較法-批判的実践への入門
比較法の入門タイトル。理論と方法論から、財産、契約、家族法、行政法などの8つの分野での実際の問題を取り上げている。
現代における実例を、確立された法原則や慣行と組み合わせた本書は、比較法や法人類学の教師や学生にとって不可欠なリソースです。また、国際法体制、問題、解決策に携わる政治学者やジャーナリストにとっても、その実践的なケース・アプリケーションは興味深いものでしょう。法研究の一分野でもありアプローチ方法でもある比較法、幅広い研究者にお勧めです。
C.J.Nederman他編 政治思想史研究ハンドブック
全4部構成で、方法論的アプローチ、歴史記述、それぞれの時代、主要な思想家から構成されているハンドブック。日本からは慶應SFCの上席所員である櫻井隆充先生が参加されています。
このハンドブックでは、政治思想史を研究することの価値を強調し、私たち自身に埋め込まれた文化的素質に対する批判的な視点を得ることを目的としています。著者は、ストア派、キリスト教、イスラム教、自由主義、共和主義、リバタリアニズムなど、さまざまな知的学派を分析し、ケンブリッジ学派やシュトラウス派のアプローチを含め、歴史的テキストを読むための解釈学的な戦略について論じています。
西洋の政治思想を幅広く俯瞰し、国際色豊かな寄稿者たちが、世界的な理論的動きや歴史的探求におけるその重要性にも言及しています。プラトン、アリストテレス、キケロ、マキャベリ、ホッブズ、ロック、ウルストンクラフト、マルクスなどの思想を取り上げ、ジェンダー、植民地化、人種といったトピックに照らして、政治思想家の標準的な規範を再検討しています。
古代から現代まで、プラトンからマルクスまで幅広く網羅しており、特に政治思想史の研究者にとって必携のハンドブックです。
M.カステル著 デジタル社会入門
Castells, Manuel, Advanced Introduction to Digital Society. 2024 (E. Elgar) <722-946>
Elgarの定評あるAdvanced Introductionシリーズより最新刊でデジタル社会が刊行されます。著者は社会学で有名なManuel Castellsで、世界中のデジタル社会の構造や、その社会的・経済的・政治的・文化的帰結を考察しており、最近の研究も網羅しています。
社会学理論、デジタル社会に関心を持つ研究者はもちろん、社会学に関する学部学科がある大学すべてにお勧めできる入門書です。
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