–南米卒業旅行記.2– もし言霊ってやつがほんとにあるなら
*2016年5月23日に書いた記事のリライトです。
– 南米卒業旅行記.1 – では、旅のきっかけについて「過去」のことを書いたが、今回は旅を経てから「未来」のことについて書きたい。
旅の途中でも、いつも友人と「過去」と「未来」のはなしをしていた。
過去を振りかえり懐かしむ時間と、これからの生きていく日々にわくわくを感じる時間。
亡くなった友人に想いをはせながら、アイツもこんな感じに夕日見てたのかな?とか。
お互い30歳になるときにはどんな生活をしていたい?とか。
ちょうど友人が亡くなったウユニ塩湖を越えたあたりだろうか、急に友人が真面目な顔して、こんなことを言ってきた。
「ここまではアイツが辿ってきたルートだったわけだ。つまり過去を振り返りながら旅をしてきた。ここから先、俺たちはアイツが行けなかった場所へいく。過去じゃなく未来へ。だから俺たちもここから先はもっと未来のことを考えていこう。」
たまには上手いこと言うじゃねーか。と思いながら、そうだな。そうだよな。と。
その後、チチカカ湖、タキーレ島、クスコ、マチュピチュと巡っていく中で、30歳までに飛行艇で空飛びたい!とかいろんな目標はできたのだけれど。
ひとつ、これだけは絶対に外せないなって目標ができた。
それを見つけたのは、アマゾン川の船の上でも、天国に一番近い場所ウユニ塩湖でも、天空の城マチュピチュでもなく、日本に帰国してからの最初の晩、大学の後輩が住んでいるせっまいアパートでのこと。
友人と後輩とで夜遅くまで飲んで、そろそろ寝るかと布団に入ってから、ボソっと、思わず口に出たセリフ。
「なぁ、つぎのさ。30歳になったらって目標。今度はよ。ちゃんとみんなで空とぼうな。誰も欠けることなく。」
…………。
隣の布団で寝ているはずの友人たちから返事はなかった。
さては、と思い耳をすますと、あいつらの寝息が聞こえてきた。
フッと口元をゆるめて笑い、聞こえなくてよかったなとすこし安心した。
きっと言わなくても同じ気持ちだろうし、口にするには少々恥ずかしいセリフだったから。
…と言いつつ、文字に起こして全世界に発信しているんだけれども。
3年と半年まえ、アイツとの最後の別れになってしまったとき。
あのときは想いをノートに書き記しただけだった。
もし言霊ってやつがほんとにあって、言葉にすることや文字に起こすことでチカラを持つならば。
このささやかな、あたりまえの願いごとが叶うようにと。
僕は、ここに書き記しておきたい。
i hope our life is worth living.
またひとつさきへ