エージェント・オブ・シールドやランナウェイズがMCUに存在する根拠を解説
先日、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督のツイートが物議を醸しました。
「ワンダヴィジョン以前のショー(ドラマシリーズ)はMCUに含まれません」
このガン監督の発言は瞬く間に拡散され、ついにはIGNが記事を出しました。
ちなみにこの記事は7月3日に出ておりその後日本のツイッターユーザーの間でもこの話題が散見されるようになりましたが、私は7月2日にはこのガン監督の発言を取り上げています。
IGNフォローするより私をフォローしたほうが情報早いぞ。
なんてのはおいといて、こうやって大手メディアが記事を書くと日本語アカウントも反応しますよね。晒すのが目的ではないのでアカウントを公開しての引用はしませんが、
>エージェントオブシールド好きなのにMCUに含まれないってマジか
>まあ分からなくもないかな...エージェントオブシールドは途中から展開がMCUっぽくなくなるしアース離脱したしで。
>エージェントオブシールドはどう考えても含まれてるだろ…
>少なくともエージェント・オブ・シールドは密接に繋がっていたはず。
たぶんなんらかの誤解なんじゃないかと…
映画とドラマの製作の繋がりが違うって話を聞いたことがあるのでそういう意味かもしれません。
みんな困惑。そりゃそうだ。
本題に入る前にひとつすり合わせておかなければならないことがあります。「ジェームズ・ガン監督の発言はオフィシャルではない」。はい、合唱。「ジェームズ・ガン監督の発言はオフィシャルではない」。
どういうことかと申しますと、MCUは基本的に各作品の監督・脚本家が作品を自由に解釈していいんですけど、最終的な判断は代表のケヴィン・ファイギ氏を中心とした幹部らが握っているんですね。だからイチ監督であるガン氏が「ワンダヴィジョン以前のドラマはMCUじゃない」と言ったところで、それはガン監督の見解であり、オフィシャルでは(今のところ)ないんです。実際に「ワンダヴィジョン」の監督であるマット・シャクマンは「エージェント・オブ・シールドも同じユニバース」と発言しています。
この時点ですでにガン監督とシャクマン監督で矛盾しちゃってるんですよ。もっと有名なところだと、「アベンジャーズ/エンドゲーム」のラストの老いたスティーブがどの世界線から現れたかについて監督と脚本家で意見が分かれています。それが許容されるのはファンの想像に委ねられているからという側面もありますが、どうせ正解はファイギ氏の頭の中にあるから自分たちは自由に発言してもいいや、ってなってんじゃないかなーとか勝手に想像してます。
さて、ここまで読んでいただいた全ての方と共通の認識を持てたところで本編に入ってまいりましょう。
ドラマシリーズがMCUに接続している場面を集めてみた
ざっと集めました。「エージェント・オブ・シールド」に関してはシーズン3くらいまでは接続している場面もなにも接続しているシーンばかりなので、一部カットしたり統合したりしちゃってます。あしからず。
【アベンジャーズ・タワー】
MCUの代名詞的な存在、アベンジャーズ・タワー。ドラマシリーズでも確認できます。
©Marvel TV studios
「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第一話より。右奥にはっきりと写っています。
「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアンフィスト」の各ティザーポスター。目を凝らすと・・・?
これらはNetflixで配信されているドラマシリーズですが、アベンジャーズ・タワーは本編には登場しません。
【ニューヨーク決戦】
映画「アベンジャーズ」でチタウリ&ロキ軍とアベンジャーズが激突したニューヨーク決戦。この大きすぎる爪痕はドラマシリーズにも影響を及ぼしました。
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「エージェント・オブ・シールド」より。ニューヨーク決戦で活躍したオリジナル6のフィギュアが並んでいます。
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こちらも「エージェント・オブ・シールド」から。ニューヨーク決戦の際に残されたチタウリのヘルメット。このヘルメットに付着していた地球に存在しないウイルスを巡って騒動が起こります。
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「デアデビル」にしばしば登場するNew York Bulletin誌の記事。一面は”ニューヨーク決戦”について。
【アベンジャーズ】
アベンジャーズについての言及も存在します。
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S.H.I.E.L.D.の隠しシェルターに備え付けられていた高性能ウソ発見器。ナターシャ・ロマノフでも嘘をつけないようニック・フューリー自身が設計したと説明があります。
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「エージェント・オブ・シールド」や「エージェント・カーター」で何かとネタにされるスティーブ・ロジャース
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン2より。エージェント・メイのもつデバイスにはNAT=ナターシャ・ロマノフの名前が。S.H.I.E.L.D.エージェントの中でも屈指の戦闘力を誇るふたりは知り合いだった?ちなみにWOOは「アントマン&ワスプ」や「ワンダヴィジョン」のジミー・ウー捜査官説。ウーは元S.H.I.E.L.D.エージェント。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン4第12話より。”クェイク”と呼ばれるデイジーとブラックウィドウのカップル設定ファンフィクが存在するらしい。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン5より。サノスの攻撃をタルボットに教えるクリー人に対し、タルボットははっきりと”アベンジャーズ”という単語を使っています。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン7第5話より。クロニコムの歴史改変により1973年にヒドラがインサイト計画を発動。その対象者リストの中にはブルース・バナーの文字が。
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「デアデビル」シーズン2より。背景左側のNew York Bulletin誌をよく見るとハルクが写っています。写真自体は「インクレディブル・ハルク」からの引用。
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「クローク&ダガー」シーズン1より。タイロン/クロークの瞬間移動を目にした恋人に警官のオライリーが「ニューヨーク出身だから見慣れている」と語るシーン。直接的な言及ではないものの、アベンジャーズのニューヨーク決戦を見ていた!?
【共通するキャラクター】
スピンオフドラマなのでキャラクターも一部共有しています。
・「エージェント・オブ・シールド」と映画に共通するキャラクター
フィル・コールソン、ニック・フューリー、マリア・ヒル、ペギー・カーター、ティモシー・”ダム・ダム”・デュガン、ジャスパー・シットウェル、レディ・シフ、ジム・モリタ、ドクター・リスト、ギデオン・マリック、フェリックス・ブレイク、マシュー・エリス等
・「エージェント・カーター」と映画に共通するキャラクター
ペギー・カーター、ティモシー・”ダム・ダム”・デュガン、エドウィン・ジャーヴィス、アーニム・ゾラ
※「エージェント・カーター」初出のエドウィン・ジャーヴィスは「アベンジャーズ/エンドゲーム」で映画に逆輸入されている。
・「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ザ・ディフェンダーズ」「パニッシャー」と映画に共通するキャラクター
パット・キアーナン
※キアーナンは実在するカナダの司会者で、あくまでもお遊び的なカメオ出演。しかし「アベンジャーズ」「ドクター・ストレンジ」「デアデビル」等で同じ情報番組のニュースキャスターとして登場しており、MCUがひとつの世界であることを示す重要なキャラクターである。
・「ランナウェイズ」と映画に共通するキャラクター
ティナ・ミノル
※共通するキャラクターであるものの、「ドクター・ストレンジ」でカメオした際には違う俳優が演じていた。
【共通する道具・施設・地名・用語】
同じ世界なんだから共通するものが出てくるだろ!って感じですが、製作体制が違うのでそんなにほいほいは登場しません。その中でも一部を紹介します。
・超人血清&エクストリミス
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン1とシーズン5に登場したムカデ血清。投与した人間の身体能力を爆発的に向上させるものの不安定な血清でしたが、これは「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の超人血清を再現したものや「アイアンマン3」に登場したエクストリミスを混ぜ合わせて作られていました。
・アスガルド
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第8話「バーサーカー」は、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」の後日譚。ちなみにソーも一瞬(回想で)登場します。
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・グリニッジ大学
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同じく「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第8話「バーサーカー」より。「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」で決戦の舞台となったグリニッジ大学が登場。ソー達が大立ち回りしたあとの後始末をS.H.I.E.L.D.が行っています。
・ハウリング・コマンドーズ
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第12話から。シールド・アカデミーにあるS.H.I.E.L.D.殉職者碑に刻まれているバッキー=ジェームズ・ブキャナン・バーンズの名前を見たスカイのセリフ。ちなみにバッキーはハウリング・コマンドーズ時代に亡くなっている(ことになっている)ので正確にはS.H.I.E.L.D.の殉職者ではありません。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第19話より。エージェント・トリプレット(通称トリップ)の祖父がハウリング・コマンドーズであることが明かされます。ちなみに「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」に登場したゲイブ・ジョーンズがそのひと。
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「エージェント・カーター」シーズン1第5話より。ペギーらSSRとデューガンら旧ハウリング・コマンドーズが共同で作戦にあたります。
・クリー人とその血液
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「エージェント・オブ・シールド」に度々登場するクリー人。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や「キャプテン・マーベル」と同じように、青い肌を持ち地球人よりはるかに強いパワーを持っています。
「キャプテン・マーベル」ではクリー人のヨン・ロッグが自身の血液をキャロル/キャプテン・マーベルに輸血し救ったことが言及されていましたが、コールソンもまた「エージェント・オブ・シールド」でクリー人の血液から作られた血清を投与され生き返りました。クリー人の血液が地球人の命を救うという設定は、ドラマから映画に輸入された数少ない事例のひとつです。
・マウスホール
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第17話から。フィッツが開発したマウスホール。字幕だとここまでしか分かりませんが、吹き替えだとフィッツの隣にいるギャレットの「お偉方が独占している」というセリフがあります。実際に、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」ではニック・フューリーやマリア・ヒルが利用して一命を取り留めています。
© Marvel Studios 2014.
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」内で使われている万能カッターことマウスホール。映画の公開が2014年4月4日、一方「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第17話の放送日が2014年4月8日なので、意図的にリンクさせていることが分かります。
・ダークホールド
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン4のキーアイテムとなる魔導書ダークホールド。読んだものに途方もない知識を与える代わりにそのものを汚染するという呪われた本です。ダーク・ディメンション(後述)から力を引き出すのにも使われます。
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「ランナウェイズ」シーズン3でもキーアイテムとして登場するダークホールド。(画像は第7話)
「エージェント・オブ・シールド」シーズン4のラストでゴーストライダーが煉獄(ダーク・ディメンション)にこの本を捨てているので、「ランナウェイズ」でこの本を所有しているモーガン・ル・フェはわざわざダーク・ディメンションでリクルートしていることが分かります。
© Marvel Studios 2016.
ちなみにこれは「ドクター・ストレンジ」のカーマタージの蔵書庫。画像中央に1か所だけ空の本棚があるのが分かります。本来ダークホールドはここに納められているはず、とのこと。一体いつから無いんだ・・・・・・。
© Marvel Studios 2021.
「ワンダヴィジョン」に登場したダークホールド。久しぶりに表舞台に出てきたと思ったら装丁ががらりと変わっています。
・ワカンダ
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「ランナウェイズ」シーズン2より。犯罪集団「プライド」のメンバーである両親から逃亡中のアレックスが恋人の携帯から居場所がバレることを恐れ、必要なデータを抜き取った後ワカンダにいるかのように偽造すると提案しています。
・トリスケリオン
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン4第16話。フレームワーク内のトリスケリオンはヒドラの管理下におかれていました。
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こちらも「エージェント・オブ・シールド」シーズン7第11話。歴史改変で早く誕生したトリスケリオン。この直後破壊されます。
© Marvel Studios.
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」に登場したトリスケリオン。
・インサイト計画
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン7第5話から。「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」に登場したインサイト計画が歴史改変によって数十年早く始まってしまいます。
・ヘリキャリア
© Marvel Studios.
「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」終盤、ニック・フューリーとマリア・ヒルを載せてソコヴィアに現れたヘリキャリア。よく見ると64という番号が振られています。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン2第19話と20話。マリア・ヒルの命令でシータ・プロトコルを実行したコールソンは秘密裏にヘリキャリアを製造します。このヘリキャリアが64号、つまり「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」に登場した実機です。
©Marvel TV studios
「エージェント・オブ・シールド」シーズン7最終話。S.H.I.E.L.D.元長官マック・マッケンジーが指揮するヘリキャリア。よく見ると・・・?そう、64号機。ちなみにこれは(多分)2020年~2021年の間のどこか。このヘリキャリアを所有している組織は一体何.W.O.R.Dなんだ・・・。
・セプターとウルトロン
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン2第19話。インヒューマンズのレイナが未来予知でロキの杖とウルトロンによるソコヴィアの破滅を視ます。
・ダーク・ディメンションとダークフォース
ドルマムゥの支配する闇の次元ことダーク・ディメンションと闇の力ことダーク・フォースは映画/ドラマ問わずあらゆる作品に共通して登場します。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン1第19話。マーカス・ダニエルズという能力者が登場。ダークフォースを操り、コールソンの元恋人を襲います。ちなみにこのとき登場する恋人は「アベンジャーズ」で言及されていたチェリストです。
また、シーズン3第13話に登場するインヒューマンズの能力もダークフォースを操るものでした。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン4に登場するロビー・レイエスに力を与えた地獄の悪魔。この悪魔は本来ダーク・ディメンションに存在しており、その力の源もダークフォースです。
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「エージェント・カーター」シーズン2第10話。ハリウッド女優の仮面を被る天才科学者ホイットニー・フロストが生み出した暗黒物質ゼロマターですが、これはダークフォースそのものです。
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「クローク&ダガー」の主人公のひとりタイロン・ジョンソン/クロークのパワーの源はダークフォース。ダーク・ディメンションと繋がっており、任意の相手の心の闇を覗いたり、自身を媒介しダーク・ディメンションに人を出入りさせたりできます。また、タイロン最大の能力である瞬間移動はダーク・ディメンションを経由することで行われています。対するタンディ・ボウエン/ダガーのパワーの源はは光の力(ライトフォース)です。
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「ランナウェイズ」のニコ・ミノルはスタッフ・オブ・ワンを使い魔法を行使しますが、その過程でダークフォースから力を引き出すようになります。目の周りが変色し、割れたようになるこの変化ですが・・・。
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そう。「ドクター・ストレンジ」に登場するカエシリウスらと同じです。ダークフォースを取り込み魔法を使うとこのように変化します。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン4第22話から。ダークホールド(前述)を元ある場所へ返すため、ロビー・レイエス/ゴーストライダーが次元の扉を開きました。その元ある場所こそ煉獄=ダーク・ディメンションです。
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「クローク&ダガー」にしばしば登場するダーク・ディメンション。そのときどきによって形を変えますが、たいていの場合入り口にはブードゥー教の神ロアがいて、ロアの望むものを対価に先へ進むことができます。画像はシーズン2。このときのダーク・ディメンションはレコードショップを模していました。
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「ランナウェイズ」シーズン3第8話から。ダーク・ディメンションに囚われたアレックスを救うため、ニコの力によって導かれて現れたタイロン&タンディ(クローク&ダガー)の力を借りるランナウェイズまた、ニコの杖=スタッフ・オブ・ワンの力で消えたと思われた人間もダーク・ディメンションに囚われていました。
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「ランナウェイズ」シーズン3で暗躍する魔女モーガン・ル・フェイ。彼女はかつてダーク・ディメンションに追放された魔女です。ニコの夢に度々登場するモーガンですが、ここでモーガンが立っている場所は「エージェント・オブ・シールド」に登場したダーク・ディメンションそっくりです。
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「ドクター・ストレンジ」に登場するダーク・ディメンション。ここでドクター・ストレンジはダーク・ディメンションの支配者ドルマムゥと対決しました。
・ロクソン社
映画とドラマを結びつける大きな要素となっているロクソン社。関連会社まで含めると、非常に多くの作品でその影を見ることができます。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン4第6話。ダークホールド編の舞台となるロクソン発電所。
他にも「エージェント・オブ・シールド」にはちょくちょくロクソン社が登場するのですが、多すぎるので割愛。
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「エージェント・カーター」シーズン1第1話。ハワード・スタークの作った兵器を秘密裏に回収するため、ペギーがロクソン社の工場に乗り込みます。
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「クローク&ダガー」のビジュアル。タイロンとタンディの主人公コンビが能力を得たのはロクソン社が起こした事故が原因です。シーズン1はロクソンの闇に迫る物語となります。(ちなみにこの際、ロクソン社がスターク社やランド社をライバル視していることが判明します)
ダーク・ディメンションの入り口もロクソン社のガソリンスタンドを模しています。
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「ランナウェイズ」シーズン2第8話。アレックスの両親の殺人容疑の証拠をつかむため、ランナウェイズが高級ホテルに潜入します。そのホテルの外観にロクソン社の看板が。
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「デアデビル」シーズン1第10話。マットとフォギーのインターン時代の回想シーンでロクソン・エナジー社の名前が登場します。
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「デアデビル」シーズン2第5話。ロクソン社が登場し、食料品、家電、薬など石油以外にも手広く商売していることが判明します。
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「ヘルストローム」にも登場したロクソンのガソリンスタンド。日本未配信。
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「アイアンマン」に登場したロクソン社。アイアンマンvsアイアンモンガー戦の背景の映り込み。
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「アイアンマン2」より。映画序盤、イワン・ヴァンコ/ウィップラッシュに襲撃されるモナコのカーレースにロクソン社が保有しているレースカーが。
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「アイアンマン3」のロクソン・ノルコ号。エリス大統領が囚われました。
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「ロキ」シーズン1第2話(まだシーズン1しかないけど)。2050年の巨大スーパーRoxxcartが登場します。その名前から恐らくロクソン社の関連企業だと推測でき、食料品から家電まで幅広いラインナップで営業していることがわかります。これは「デアデビル」で判明した事実と合致します。
ぱっと思いつくのはこのくらいですが、他にもあったら見つけ次第ここに追加していくかもです。
リンクするドラマシリーズ
MCUの魅力は単体作品がリンクしていき、最終的にアベンジャーズでアッセンブルするところにあると思います。ドラマシリーズは映画ほど強い結びつきは無いですが、すべての作品が緩くつながっていることが分かります。
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「エージェント・オブ・シールド」シーズン7で途中からチームに合流するダニエル・スーザ(画像右2)。彼は「エージェント・カーター」のレギュラーキャラクターで、主人公ペギー・カーターのSSRでの同僚として活躍していました。
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「エージェント・カーター」のダニエル・スーザ。「エージェント・カーター」はシーズン2で打ち切りとなりましが、SSRからS.H.I.E.L.D.になったあともエージェントとして活躍していたことが「エージェント・オブ・シールド」シーズン7で明かされます。
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「インヒューマンズ」に登場するトリトン(画像左2)は水中で長時間活動できるインヒューマンズ。月の都アティランのロイヤルファミリーである彼は、ブラックボルトの命で地球にインヒューマンズの調査に向かいます。「エージェント・オブ・シールド」シーズン2のアフターライフvsS.H.I.E.L.D.戦でテリジェン・クリスタルが海に撒かれ、シーズン3ではテリジェン・ミストを吸った魚から作られたフィッシュオイルを摂取した人間がインヒューマンズに変化してしまいます。これにより地球に多数のインヒューマンズが出現し、それを察知したブラックボルトは地球の同胞を救うためトリトンを派遣するのでした。
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説明不要の「ディフェンダーズ」。「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアンフィスト」のクロスオーバー作品です。
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「パニッシャー」は「デアデビル」のスピンオフ作品。「デアデビル」シーズン2で初登場し、その後単独作品が配信されました。「デアデビル」からはカレン・ペイジが共通して登場します。
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「ランナウェイズ」シーズン3第8話は「クローク&ダガー」とのクロスオーバーエピソード。「エージェント・オブ・シールド」と「エージェント・カーター」「インヒューマンズ」はABC、「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアンフィスト」はNetflixと同じプラットフォーム内でのクロスオーバーが基本のドラマシリーズですが、「ランナウェイズ」はHulu、「クローク&ダガー」はフリーフォームですのでプラットフォームを超えて共演するという画期的なエピソードとなっています。
ちなみにタイロンとタンディの会話から「クローク&ダガー」シーズン2最終話よりあとの時系列であることが判明します。
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「クローク&ダガー」に登場するブリジット・オライリー刑事。シーズン1第8話で彼女はニューヨーク時代の友人である”ミスティ”に言及します。このミスティこそ「ルーク・ケイジ」に登場するニューヨーク市警のミスティ・ナイトその人です。
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ルーク・ケイジの友人でニューヨーク市警のミスティ・ナイト。
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一方「ルーク・ケイジ」シーズン2第8話ではナンディ・タイラー(画像)がミスティ・ナイトに「オライリーはニューオリンズに引っ越した」と説明するシーンが存在します。「クローク&ダガー」の舞台はニューオリンズなので、このオライリーはブリジット・オライリーのことです。
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「クローク&ダガー」シーズン2第9話。麻薬の売り子の少年とタイロンの会話。貧困な黒人である少年やニューオリンズを守りたいひとりの黒人少年であるタイロンにとって、ルーク・ケイジは等身大のヒーローとして映るのでした。そしてちゃっかり名前のみだけど登場するカレン・ペイジ。
スピンオフドラマを無かったことにするのは難しい
上記の通りMCUのメインストーリー=マーベル・スタジオ製の作品とスピンオフドラマ=マーベル・テレビジョン製は緩くですが連続した物語であることが分かります。
しかし実際はスピンオフドラマをMCUとみなさない人も多くいます。ネット記事なんかでも「ランナウェイズはMCUとは別のシリーズで~」みたいに書かれていること多いですよね、実際はMCUなんですけど。そういう記事でも「アベンジャーズのスピンオフドラマのデアデビルでは~」とか書いてたりするんですよ。
え?ランナウェイズはMCUじゃないのにデアデビルはMCUなの!?とか思いません?
スピンオフドラマのコレはMCUだけどアレはMCUではない、みたいなのは無茶だと思っています。前項で説明した通り、スピンオフドラマ同士は多くの結びつきがあります。
「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアンフィスト」「ディフェンダーズ」「パニッシャー」は共通するキャストも多く、作品同士の絡みも多々あります。
「クローク&ダガー」と「ルーク・ケイジ」は相互に言及があります。
「ランナウェイズ」には「クローク&ダガー」の主人公が登場しました。
「エージェント・オブ・シールド」と「ランナウェイズ」はダークホールドを通して繋がっています。
「エージェント・カーター」のエージェント・スーザは「エージェント・オブ・シールド」ファイナルシーズンに登場します。
何かひとつの作品をMCUから外してしまうと、他の作品も芋づる式にMCUではなくなってしまうのです。
ちなみに「インヒューマンズ」に関してはその限りではなく、「地球でインヒューマンズが増えるきっかけとなった事件があった(エージェント・オブ・シールド)」ことと「地球に未曽有の危機が迫っている(サノス)」というブラックボルトのセリフのみ関係していますが、他の作品が「インヒューマンズ」に言及することはありませんので、もしMCUから外されたとしても(残念ながら)大きな影響はないでしょう。
「ヘルストローム」に関してはそもそも日本未配信なので・・・・・・。
もしTwitterとか謎のネット記事とかで「エージェント・オブ・シールドはMCUから離れて」みたいなことを言っている人がいたら何か勘違いしているかドラマアンチかどちらかです。公式に「スピンオフドラマはMCUではなくなった」というアナウンスはされておりません。(2021年8月10日現在)
安心してMCUを楽しみましょう。
最後に
「ロキ」の最終話で”在り続ける者”が死に、無数のマルチバースが生まれました。そして明日、MCU初のアニメシリーズにして”あったかもしれない”世界を描く「ホワット・イフ...?」が配信されます。
確かにスピンオフドラマシリーズには、MCUのメインシリーズとは同じ世界とは思えない描写も多くあります。
「ランナウェイズ」でランナウェイズとクローク&ダガーが「同じような能力を持っている人が他にいたんだ」みたいなことを言って互いに驚く場面があります。でも「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のヴィジョンのセリフによると「トニー・スタークが私がアイアンマンだと宣言してから超人の数は指数関数的に増えた」らしいですよね。少し矛盾を感じます。いくらニューオリンズやロサンゼルスがニューヨークと離れているからと言ってそんな驚くことかよ!?って思うセリフでした。まあ「クローク&ダガー」でオライリーが「ニューヨークにいたから(超人を見るのは)慣れている」と言っているし、いくらあの世界でもその辺に能力持ちが転がってるとかそういう話でもないのかもしれませんが。
なのでもしスピンオフドラマが「MCUだけどメインユニバースではなくあくまでもマルチバースの話だった」とかならそれはそれで受け入れるしかないとも思ってます。少なくとも無かったことになるよりマシ。
だいぶ雑な説明になってしまいましたが、MCU入門編的な感覚で読んでください。「アレを飛ばしてるじゃん!」みたいなのいっぱいあるかもしれないです。ご容赦ください。TwitterならリプでもDMでも気づけるのでこっそり教えてください。
最後にこの記事を書くにあたって、以前Twitterで相互さんとやりとりをさせていただいた内容をもう一度精査し、掲載しました。改めてお礼申し上げます。
これからも一緒に楽しいMCUライフを過ごしましょう!ではでは。
書いた人:FAQちゃん
サポートしていただくと私の酒代になります。酒を飲みながら記事を書くことが多いので、実質的に創造のサポートとなります。多分。