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《星杯の神子イヴ》が星杯にもたらした恩恵

初めまして、FanXといいます。
普段は【星杯】というテーマを使っています。
今回、マスターデュエルにおいて《星杯の神子イヴ》が規制解除されたことで、この記事を書くに至りました。

星杯はお世辞にも使用者が多いテーマとは言えず、「神子イヴが解除されたとはいえどんな構築が強いの?」と思っている方々も少なくないと思います。
そのため、星杯を使ってみようと思った方々に少しでも星杯のことを知っていただくことを目的に書かせていただきます。

初めてnoteで記事を執筆するため、拙い点が多々あると思いますが、よろしくお願いいたしします。


《星杯の神子イヴ》とは

10期8弾「DARK NEOSTORM」にて登場した星5・水属性・魔法使い族のシンクロモンスター。
登場当時、1枚で2枚分の働きをする点や一部の星遺物カードの汎用性の高さから様々なデッキで汎用展開シンクロとして暴れ回り、2020/4/01に禁止された
しかし同じような性能の《源竜星-ボウテンコウ》は同じタイミングで制限解除されており、その後も星遺物カードの汎用性を理由として禁止解除はされなかった。

しかし、2023/12/24の改定にてついに禁止解除が発表され、星遺物界隈はお祭り騒ぎとなった。KONAMIクリスマスプレゼントありがとう。
更には、マスターデュエルにおいても2024/12/4の改定にて禁止解除が発表され、同時に《トロイメア・マーメイド》や《トロイメア・ゴブリン》も規制解除されたことで再び星遺物界隈がお祭り騒ぎとなった。

本記事では、そんな星遺物界隈の希望である《星杯の神子イヴ》が、星杯デッキにどのような恩恵をもたらしたかを解説する。

【星杯】デッキの概要

【星杯】というテーマは大雑把にいえば《星遺物-『星杯』》のアドバンス召喚が初動となっている。

始まりの星遺物

星5・闇属性・機械族というステータスは絶妙に外部ギミックによるサーチが難しく、以前までは《ピリ・レイスの地図》や《スモールワールド》を駆使して無理やりサーチしていた。
このカードをアドバンス召喚した後墓地に送り、デッキから「星杯」モンスターを2体特殊召喚することで展開を伸ばしていく。
つまり、【星杯】デッキは《星遺物-『星杯』》とアドバンス召喚のリリース先の2枚が初動に要求される。
《星杯竜イムドゥーク》が召喚権を増やせるとはいえ、「特定のカードを含む2枚初動」は遊戯王においてかなり要求値が高いことからも分かるように、【星杯】は常に初動の安定感の低さに苦しめられてきた。

一応、1枚初動がなかった訳では無い。
要はフィールドに通常モンスター、手札に《星遺物-『星杯』》の形を作れればよく、この条件を達成できるギミックはいくつか存在している。
これまでも《ユニオン・キャリアー》+《おもちゃ箱》や《創造の代行者 ヴィーナス》、《スプライト・スターター》が1枚初動として使われていた。
しかし《ユニオン・キャリアー》は禁止に、《創造の代行者 ヴィーナス》は誘発受けが悪すぎると、かなり微妙なものだった。
また《創造の代行者 ヴィーナス》と《スプライト・スターター》初動は、展開でスプライトギミックを使うため星2縛りがつき、展開の柔軟性が下がってしまう問題点もあった。
他の特徴として【星杯】は、数少ない展開中に一切の縛りがつかないリンクテーマであり、この点でもスプライトギミックとはあまり噛み合っていなかった。

このため【星杯】において、展開に縛りをつけない完全1枚初動である《星杯の神子イヴ》は、全星杯使いが待望していた救世主なのだ。

《星杯の神子イヴ》の影響がある部分

1.初動の安定感

《星杯の神子イヴ》によって初動の条件が星5シンクロモンスターを出すことに変わり、それに応じて初動となるカードも大幅に増えた。
現在の1枚/準1枚初動となるカードは以下の通り。

実用的なものだけ
《罪宝の欺き》はMD未実装

《星杯の神子イヴ》の規制解除前とは比べ物にならないほどの質と量である。
なかには召喚権を使わない初動も多く、誘発受けについても大幅に改善されている。

2.誘発貫通力

先程も少し触れたように、《星杯の神子イヴ》規制解除前は誘発受けが非常に悪かった。
《星遺物-『星杯』》のリクルート効果に対する《灰流うらら》は仕方ないと割り切るしかないが、以前までは《ユニオン・キャリアー》や《創造の代行者 ヴィーナス》に対する誘発も致命傷足り得るほどだった。

しかし、現在は数多の初動や《星杯の神子イヴ》が誘発を受けてくれるおかげで、他のギミックや《星遺物-『星杯』》素引きによる貫通がしやすくなった。
《星杯の神子イヴ》や各種ギミックは、あくまで《星遺物-『星杯』》のアドバンス召喚のための前座のため、手札によっては複数枚の誘発を貫通することもできる。

3.最終盤面

変化したのは主に《星遺物-『星杯』》を素引きした場合の盤面。《星杯の神子イヴ》のサーチを《星遺物-『星杯』》にあてる必要がなくなるため、他の「星遺物」カードをサーチすることで盤面を強化できる。

・有用なサーチ先一覧

扱いやすい展開札兼妨害札
死者蘇生もどき
《星杯の守護竜》専用サポート
展開で使用した「星遺物」モンスターを蘇生する
絶妙に使いにくいカウンター罠

基本的に上記の5種類から《星杯の神子イヴ》《星鍵士リイヴ》のサーチ先込みで2〜3種採用する。

サンプルレシピ:罪宝星杯

OCG用とMD用の2パターンを掲載。


イヴリースロック型
《微睡の罪宝-モーリアン》は好み

主要な採用カードについて

大きかったり小さかったりする

採用枚数:3枚
素引きが大体の場合上振れ。
展開札としてだけでなく、②の効果による簡易的な妨害や③の効果による後続確保など、役割は非常に多い。

諸悪の根源

採用枚数:2枚
《星遺物-『星杯』》をサーチできるが、通常モンスターを特殊召喚できるカードと組み合わせた場合でしか初動にならない。
《星遺物-『星杯』》によるリクルート先として優秀。

星杯の守護犬

採用枚数:2枚
《星遺物-『星杯』》によるリクルートと《星杯の妖精リース》によるサーチで2枚使用する。
手札では「リンク状態のモンスターを対象にとる効果」を無効破壊できる誘発になり、《I:Pマスカレーナ》や《トロイメア・グリフォン》を《無限泡影》などから守ることが可能。

都合のいいことしか書いてない女

採用枚数:1枚
1枚初動として強力なのはここまで読んで下さった方なら既にご理解頂けていると思う。
しかし、あくまで「初動として」強力なため、2枚以上採用することは無いと言っていい。

都合のいいことしか書いてない女その2

採用枚数:1枚
デッキから「星遺物」魔法・罠をセットできるうえ、L召喚の素材になると対象をとらないデッキバウンスができる。
単純にリンク値を伸ばすことができるほか、《I:Pマスカレーナ》と併せて妨害に使ったり《アクセスコード・トーカー》と併せて捲りに使ったりと、様々な使い方がある非常に便利なカード。
稀に2枚目が欲しくなる。

星杯の展開をずっと支えてきた大型犬

採用枚数:2枚
「星杯」モンスターの召喚権を増やしてくれるリンク1。《星遺物-『星杯』》のアドバンス召喚には決して欠かせない。
《S:Pリトルナイト》の①の効果を使うための素材にもできる。

こいつにEX1枠割かなきゃいけないのはかなり屈辱

採用枚数:1枚
《星杯の神子イヴ》を能動的に墓地に送るためだけに採用しているカード。
リンク素材にできないが、《星遺物-『星杯』》の素材としてリリースしてしまう。
このカードに代わる「星杯」モンスター1体素材で出せ、リンク素材にできるリンク1は全星杯使いの待望。

採用候補カード

評価の振れ幅が激しい誘発第1位

外部ギミックによるサーチは多いが、星杯自体はあまりサーチを多用しないため《増殖するG》や「マルチャミー」対策として採用できる。

インフレを感じるリンク2モンスター
便利な無効妨害
ジェネリック《神の宣告》

《増殖するG》を通された際の妥協先として優秀。
除去妨害が多く無効妨害が不足しがちな星杯において、《影帽子》や《碑像の天使-アズルーン》の無効妨害は相性がいい。
実際にMD用構築では採用している。

ワンチャン禁止がありえる
世界しか救えない男
《光なき影 ア=バオ・ア・クゥー》に立場を奪われた
画像はエラッタ前
さすがに採用することはない

《トロイメア・グリフォン》と選択となるリンク4モンスター。
要は「妨害効果を持つリンク4モンスター」なら何でもいいため、一応《聖霊獣騎 レイラウタリ》なんかも採用候補となる。
画像の上から順に、個人的におすすめな候補。

採用圏外のカード

古の1枚初動

1番シンプルな初動札。
しかし誘発受けが悪いため単体では弱く、貫通札として他のギミックを採用するなら必要なくなる。
他のギミックに比べ素引きが弱いカードが入らず、墓地に通常モンスターを用意できる点は利点と言える。

《星遺物-『星杯』》>>>>>>>>>>4000LP
《星遺物-『星杯』》>>>>>>>>>>手札-1

初動の安定感が大幅に向上したことで、無理に《星遺物-『星杯』》をサーチする必要がなくなり、これらの万能サーチカードを採用する必要もなくなった。

おわりに

元々【星杯】はマイナー展開デッキながらも《ドロール&ロックバード》にある程度の耐性があったり、最終盤面は環境デッキ相手にも通用するほど強固だったりと、所々光る部分があるテーマでした。

それが今回《星杯の神子イヴ》の規制解除によって、最大の弱点だった「初動の不安定さ」が解消され、マイナーテーマにしてはかなり強い部類になったのではないかと思います。

<星遺物>ストーリーが好きな方々はもちろん、今回で星杯に興味を持って下さった方は是非組んで遊んでみてください。
MDの「星杯」「星遺物」カードはだいたいソロモードで揃います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ロイヤル自慢

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