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オリンピック出た後に休んだらアツい起業家に転生していた件
アスリート起業家の馬瓜エブリンです!
女子バスケットの代表として東京、パリオリンピックでプレーし現在もデンソーアイリスで現役としてプレーしながら、Back Dooor株式会社というスタートアップを経営させていただいてます。
今まで、Back DooorというWEBサービスを1年ほど検証を込めてやらせていただき、2回目の資金調達が終わりました!
この調達を皮切りに、Back Dooor株式会社は新しいサービスをテストローンチします!
アスリート専用ライブ配信サービス
『Fantrance(ファントランス)』です!
ファンとアスリートを繋ぐ最初の窓口(エントランス)になるようなプロダクトということで、Fantrance(ファントランス)とさせていただいています!
スポーツ×エンタメの様々な問題を解決していきますので、名前だけでも覚えてもらえると嬉しいです!
【PRタイムズのリリースはこちら!】
【アプリURL】
このFantranceがリリースされるまでに至った経緯と、改めて自身の考えもまとめてnoteに書いてみました。
スポーツを語る上で日々思っていても、なかなか議論になっていない新しい視点も入れながら10分-15分で読める内容となっていますので、
通勤、通学やスキマの時間でぜひ読んでもらえると嬉しいです!
多くのビジネスパーソンの皆様、起業家、投資家、アスリート、スポーツファンの皆様に、アスリートってどんなことを考えているのか?エブリンって今何をやっているのか?
このnoteで大解説いたします!
なぜ休んだ?起業家になる話
私は、オリンピックで銀メダルを獲得して、選手として絶頂だと思った時に人生の夏休みと題して、1年間の休養をとりました。
本来他の選手からすると、これは理解不能なムーブだと思います。
けど休んだ。その理由はもう一つの夢をスタートさせるためでした。
小さい頃から『オリンピック選手になる』と『社長』になるのが夢でした。
オリンピックは、そう簡単にいけるものではない。本当に限られた人だけが立てる舞台。自分でいうのも恐れ多いですが、紆余曲折ありつつも本当に叶えられてよかったと思っています。
そんなキャリア絶頂であろう時期に、休んで起業をしようと思ったきっかけは、COVID-19のパンデミック。競技をすることもままならないから、その休み期間の間、どのように自分の次の夢をスタートさせていくのか?深く考えることができました。
こんな事を言ったら怒られてしまいそうだが、社長になるのは簡単。会社を登記したら誰しもが社長として一つの城を持てる。しかし私の人生はいつだって生易しいものではなく、大小の無数の壁を乗り越えてここまで来たからには、やっぱりビジネスでも大きなことをしたい。『新しい文化を作って、多くの人の生活を支えたり、楽しませてあげたい。』
この精神が私のチャレンジの根底にあります。
だからこそ、スタートアップという道を選びました。
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自己資金でできたんじゃないの?という言葉をたまにいただくこともあります。もちろんその方が気楽な面もある。だけど、どうせ一度の人生。やるなら大きくグローバルにやりたい。そんな思いでより責任が生じる調達の経験もして、突き進む道を選びました。
現役のアスリートとして、リーグ、オリンピック予選、オリンピックを戦いながら、練習の合間にたくさんのミーティングにインプット、アウトプット。狂ってると思います。それでも楽しいと感じるからこれはエブリンの性なんだろうと思っています。
スポーツの課題
選手としてプレーをしていく中で気になることがずっとありました。
それが、『アスリート』/『放映権』/『スポーツをビジネスへ』の3つ。
1.アスリートの変化
アスリートはよく引退後の事を考えて動きなさいと言われることがある。
セカンドキャリア問題というやつです。
しかし、アスリートからすると『セカンドキャリア』という言葉ほど違和感を覚えるものはない。
今まで続いてきたものがどこか、ブチっと切れてしまう感覚になってしまう。選手がセカンドキャリアという考え方を本当に望んでいるか?と考えるとそうではないと思っています。
確かに私は、今まで大変憧れていたスーパースターが豊洲の八百屋で仕方なく働いていると聞いて、これだけ多くの時間と心身を犠牲にして得たスキルはあっても、引退後自らが望んでいない状況に立たされる選手が多いことに、落胆したのを覚えています。
どうにかこの問題を解決できないか?と様々な選手にインタビューしてみるものの、やはり選手の皆さんは引退後の漠然とした不安は持ちつつも、
『今』現役でプレーできていることの大切さ、そして競技にまだ関わっていたいという競技愛が伝わってくるのです。
しばらく私自身も現役を重ねるにつれて、考えがブラッシュアップされた今思うこと。アスリートにとって本当に大事なのは
『セカンドキャリアを考える』ことではなく、
『今現在自分のもっている価値』を認識していくことが大事さ。
だと気づきました。
もちろんここにはグラデーションがあると思っています。
脇目も振らず競技に集中しなくてはいけない時期もある。
しかし、世界のアスリートと比較してみると、世界のアスリートは明らかに自身の価値を理解するようになり、自らがオーナーシップを持ち、IPであり、アスリートとして持っている力を効率よく使っていく形がスタンダードになり始めています。
以前PIVOTさんに出演させていただいた中でも言及しましたが、世界のアスリートの変化として共通することは、3つの所有があると思っています。
1.ビジネスを所有
2.株式を所有
3.コミュニティーを所有
…と解説しましたが、ここ数年はもう1つ新しい項目が出てきたと思うので、ビジネスと株式を1つにして、まとめると
1.ビジネス(株式)を所有
2.コミュニティーを所有
3.メディアを所有
なぜメディアが新しく追加されたか?
先ほども述べまたが、世界のアスリートは自身の価値を理解するようになり、自らがIPとして活動する選手がかなり増えました。
そして、彼らのファンの多くはSNS等を通じてその競技についてのリテラシーを高める一方で、なかなかアスリート自身の考え方や、実際の戦略にファンがアクセスできる機会がないことに気づき、さまざまなビジネス戦略を取るようになりました。
ここには、ファン側も、アスリート側も今までの形式的な解説ではなく、より深くゲームを理解したいというニーズが世界的にも高まっている事も影響しています。
レブロン・ジェームスは自身のメディア会社SpringHill Companyを設立。
自らの深い洞察や知見を解説するYouTube番組『Mind the Game』をJJ・レディックのメディア会社と共同で制作。
ジェイソン・ケルシーとトラビス・ケルシーによるポッドキャスト「New Heights with Jason & Travis Kelce」はAmazonと144億円で契約。
「A Touch More」は、スー・バードとミーガン・ラピノーが設立したプロダクション会社で、2024年にはVox Mediaと提携。
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多くの起業家が聞くポッドキャストOFF Topicでも
アスリートコンテンツの重要性を取り上げる。
【Xアカウント】https://x.com/OffTopicJP/status/1801063790160887947
日本のアスリートは、私にはファンはそんなにいないから、知識がないからと謙遜することが多いが『アスリートである』というのは自身が想像する以上に社会にパワーをもっていることを理解して欲しい。
だからこそ、選手なら競技のことだけ考えてろ!
ではなく、競技をしながらも+アルファ自身のできる範囲で付加価値を加えることによって、自分の競技レベルも上がる、競技の認知も上がる、1人の人間としての視野も広がる。そんな意識の変革がより必要だなと感じています。
2.放映権の問題
放映権と聞くと、昨今はスポーツコンテンツが世界的にも注目度が高まり、AmazonがNBAと25-26シーズンから10年間で18億ドル(約2,600億円)放映権料で契約、Netflixは2024-26シーズンの3年契約をNFLと結んでおり、放映権料は年間で推定1.5億ドル(約227億円/年)とされています。その数字からもスポーツの人気の高まりを感じます。
チーム、リーグにとって放映権というのは、その後分配され活動資金になったり、選手の獲得や設備に投資ができるようになる重要な収益です。
しかし、昨今の放映権料の高騰は過剰に思えるところもあり、放映権が高騰したことで起きた変化を見ると、一部放送局が各スポーツの放映権を独占し、コスト回収のためサブスクなどの月額課金が増え続ける。といった
現象が起きています。
短期的には、リーグやチームにとって収益は増えるし、メディア露出も増え、ブランド価値も上がるので良い恩恵を受けられる。そこに関してはアスリートも大歓迎です。
WNBAのここ数年の大躍進を見ても、まだまだ過小評価されている競技やリーグはあり、その価値はテコ入れすると放映権は適正な上昇を見せてくれることが明確になってきました。
しかし中長期的に何が起きるのか?
中期的には、各スポーツ、アスリート間の格差は広がっていきます。
ライブストリーミング会社の多くは、無料で放送することもありますが、無料コンテンツが故に、放送内容の質が低下することがあり視聴体験が悪化していくことが時としてあります。
サッカーを例にあげると無料中継のユーザーには、試合とゲストが雑談する様子が1つの画面を分割して放映されファンから大バッシングを受けたこともありました。
さらには、解説の内容にもファンは敏感になっています。
アスリートの変化でも触れましたが、ファンは多くの情報をネットやSNSで見つけることができるようになり、ファンの競技に対するリテラシーが上がったからこそ当たり障りのない『今日は気持ちが強い方が勝ちましたね!』などと言った解説だけでは満足できなくなっているのです。
放送局は、視聴コストを回収するために月額課金料を増やし、
ファンの負担が増え、アクセスする機会が減っていく。
その後、減退期には
・視聴者/スポンサー収入が減る
・放映権コストがカバーできなくなる
・取り扱う放送局が減る
・チーム/協会の分配金が減る
・若年層のスポーツ離れ
・一時期増えた移籍金/年俸が減る
・高すぎる移籍金/年俸で移籍しづらくなる
・選手に分配されなくなる・選手生命が短くなる
といったことが起きてしまう。
事実日本では放映権コストを支払えなくなり、スポーツのライブ放送が難しく、放送がない分ファンが好きなチーム、推している選手を追いかけづらいという状況です。
まさにこれが、メディアライツバブル。
スポーツにも『市場』がある以上は、国力や株式と同じような流れをたどるので、調整や対策が必要になってきます。
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この状況を解決するためには、スポーツの収益モデルを見直す事。
・収益モデルの分散化
・AIによる需給予測で適正な価格を採用する
など、新しい技術を使うことでダイナミックプライスを導入することもできてくると考えています。
そして、こういった話の中で大きな影響を受けるのはいつだって、アスリートとファンです。
特にアスリートがプレーをする当事者であるのにも関わらず、とことん外部環境に左右されてしまう。
だからこそ、
・選手/チームが収益作り、外部環境に左右されない
この意識改革が今後問われる世界に日本もなっていくと思っています。
3.スポーツをビジネスへ
そして3つ目に気になるのが、スポーツをビジネスとして捉えていくことを、『スポーツビジネス』と呼ぶことが多いこの業界で、どこかスポーツビジネスは通常行われるビジネスとは違うスキルが必要、と思われることが多いですが。
ビジネスはビジネスであって、スポーツビジネスという特別な括りは存在しないと思っています。
もちろん、スポーツならではの難しさや慣習はあるものの、
いい人材を獲得し
いい経営チームを作って
会社(チーム)の価値を高めて
社会に貢献する。
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この大事なサイクルを、『スポーツビジネス』だからといってこの業界では実現するのが難しいと、運営スタッフの新陳代謝がなかったり、給与面を出し渋ってしまったり、マーケティング人材に投資をしていなかったりすることがまだまだ多いと思います。
少しずつ、他業種でも活躍している人材、新卒で優秀な人材にどうやってスポーツ業界の魅力を伝え、興味を持ってもらうのか?改善が必要だと感じる関係者は増えているものの、まだ大きなアクションが取れている競技は一握りだと思います。
なかなか組織は変わらない。
しかし、時間は待ってくれない。
だからこそ、チーム単位で、アスリート単位で自立をして、他業界にも興味を持ち、いい人脈を形成して、自分のできることを押し広げていくことが重要です。
見極めは難しいし、失敗する可能性もあって、大きな反発をされる可能性がもあると思います。
それでも、ボトムアップでビジネスの意識をより持つことで、競技団体、スポーツ界全体がより魅力的なビジネスの場所になると思っています。
Fantrance(ファントランス)
上記のようなスポーツ界の大きな問題を解決していきたい思いが強く、
Back Dooorから始め、ユーザーインタビュー選手へのインタビュー、検証を繰り返して今回、Fantranceがテストローンチされます。
細かい内容については、こちらのリリースに譲りますが、
アスリート専用ライブ配信サービスで、
アスリートが試合後に自身のパフォーマンスについてなど解説をしてくれます!
『なんか最近の解説がズレている 』
『ファンのレベルが上がってきた』
『競技の面白さを伝えたい』
と考えるのはアスリートも同じ!
Fantranceの中で競技について思いっきり語ってもらいます!
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試合後に自身の競技について話すので、ネタ切れは起こさず、継続していきやすいのが特徴なので、『試合が終わったらFantrance!』という新しい文化を創っていきたいと思っています。
【アプリURL】
機能
・ライブ配信
・投げ銭、
・コメント
・1on1トーク
機能もまずはコアな機能に限定しての出発です。
C向けアプリで難しいのもありますが、
自身が現役のアスリートであり、スポーツファンでもあるからこそ成し遂げたい事業だと思っています。
段階的なローンチにはなりますが、面白いプロダクトにしていくので今後の動向にぜひSNS通じてご注目いただけると嬉しいです!
招待コード
アプリケーションの初期利用は、順次利用者を広げていく予定ですので、
テストユーザーとしての参加には、招待コードが必要となります。
招待コードは各選手のSNSストーリーズやFantranceアンバサダーのSNSからの告知予定となっておりますので、ぜひBack Dooor所属アスリートをSNSでフォローしていただき、随時更新をチェックしていただけたら幸いです。
Fantrance所属選手
サッカー
・仙頭 啓矢(町田ゼルビア)
・稲垣祥(名古屋グランパス)
・藤井陽也(ベルギー/KVコルトレイク)
・ハーフナーマイク(元FC.Bombonera)
ハンドボール
・東江雄斗(ジークスター東京)
・吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)
ラグビー
・徳永祥尭(東芝ブレイブルーパス)
バレー
・村山豪(ジェイテクトSTINGS)
ホッケー
・永井葉月(日本代表)
バスケ
・岡田麻央(TOKYO BB)
・馬瓜エブリン(デンソーアイリス)
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ミッションステートメント
私たちBack Dooor株式会社のミッションを『放映権の高騰と戦い、全てのファンが感動にアクセスできる文化を創る』としました。
何度も一貫して同じような伝え方をしますが、スポーツは古代ローマ時代から続くエンターテイメントであり、観戦するすべての人を楽しませ、時に選手とファンは共に苦しみ、乗り越え、勇気をもたらす最高のコンテンツです。
Fantranceのローンチにより、多様化していくファンのニーズにしっかりと応えていき、独占や規制といったあらゆるスポーツの閉ざされた世界から新しい文化を創っていきたいと思っております。
会社のミッションは事業フェーズや時代と共に変化していきますが、変化した時はスポーツ界が良くなってきた証であり、Back Dooor株式会社が少しでも貢献できた時だろうと私は思っていますので、そんな世界を創ることができるように日々邁進していきます。
転生
私がアスリートであることは変わらずですが、転生といえるほどがっつりスタートアップをやらせていただいています。
本気です。
とはいえ、こうやって両立できているのも多くの支えていただいている皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます。
これから険しい道をしっかり歩んでいきますので、あたたかくBack Dooor社、Fantranceを見守ってもらえると嬉しいです。
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採用情報
Back Dooor株式会社は、近い将来に日本国内のみならず海外への進出を目指しいきたいと思っています。 競技の数だけ選手が存在し、そこにはファンがいます。 スポーツという世界共通のコンテンツだからこそ、市場は大きく、進出する意義があると考えています。 その為にプロダクトを創るエンジニア、グローバルで事業を推進する人材の採用に力を入れていきます。
具体的には、下記のポジションです。
・アプリケーションエンジニア(iOS/Android)
・PdM
・UI/UXデザイナー
・事業開発
・カスタマーサポート
・デジタルマーケター
日本で少しずつ認知され始めてきたスポーツをビジネスとしてとらえる有用性、市場の大きさで勝負していくのであれば、今がベストタイミングです。 『スポーツでの経験を活かしたい。スポーツ業界に恩返ししたい。スポーツビジネスに興味がある。』 という方がいましたらぜひ下記のアドレス、SNSメッセージまでご連絡いただけると嬉しいです。
【Xメッセージ】
https://x.com/evelyn_mawuli
【Instagramメッセージ】
https://www.instagram.com/evelyn_mawuli/
【メール】
info@backdooor.jp
会社概要
名称|Back Dooor株式会社
所在地 | 愛知県名古屋市昭和区鶴舞一丁目2番32号 STATION Ai
設立日|2023年 1月
代表者|代表取締役 馬瓜エブリン
事業内容| ライブ配信事業 /イベント事業
アプリURL|https://x.gd/JjkrZ
Webサイト|https://fantrance.com/
問い合わせ先|info@backdooor.jp