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【2020.04.15】不可欠なものほど当たり前になり、当たり前になるほど受け手の感謝は減る。逆に、贅沢さが高まるほど特別になり、特別になるほど受け手の感謝は増える。これでよかったんだっけ?

在宅勤務体制の整備により、家でAdobeのいろいろなサービスが使えるようになった。今日は久しぶりにデザインの業務があり、イラレをいじった。

デザインは決して得意ではないし、答えのない世界でいつも悶々とする。けれど、これがなかなかに熱中してしまう。特に最近は「言葉」にばかり向き合っていたので、良い気分転換にもなってずいぶん没頭した。

バランスよく、脳の違うところを使うようにするのは大切だと思う。使い過ぎていた部分の休息になる。使っていなかった部分を稼働させるなかで、もとの仕事に活かせる気づきが生まれたりもする。なんだか、また「言葉」に向き合うパワーが回復してきたような感覚。良いことだ。

これはデザインでも文章の編集でも言えることだけれど、頭のなかでの構想だけでは良いものは全然できない。「試しに実際に置いてみる」の果てしない繰り返しのなかで、徐々にしっくりくる方向性が見えてくるものだと思う。

「なるほど、同じ路線で試しても全部ダメそうだ。いったんこの枠組みから離れよう」
「うーん、これもちょっと違ったけれど、さっきよりなんだかいいぞ」

そんなふうに、「あーでもないこーでもない」をたくさんやる。そのたびに、違和感と手応えを言葉にしながら。

そんな「あーでもないこーでもない」の手探りを、文字どおり実際に手を動かしながら続けていくことの価値を教えてくれた本がある(すーぐ本の話に持っていく)。

この本の良さを語るにはちょっと準備が必要なので、そのうち本紹介マガジンのほうで書きたいと思う。一回読み終えて、あまりにも良くてすぐに二回目の読み返しに入ってしまった本。本棚のすぐに目に入る目立つところに置くようにしている大切な一冊。


本と言えば......

Amazonで品切れになっている本が多くなってきている。どうやら、生活必需品の対応を優先して、本まで手が回らない状況のようだと耳にした。現場でのソーシャルディスタンスや時差出勤なども想像すると、そもそも人手やオペレーションがいつもどおりとはいかないだろうとも思う。

多くの書店が休業となるなか、ここまで完全に止まってしまったらどうなるのだろう、と想像してみる。「本が届かなくなる」という状況を。

借りている倉庫から自前で届けるようにしていくことを考えると、今度は「流通」の心配も始まる。万が一これも止まるようなことがあったら、どうなるのだろう。

流通。依頼をすれば配達してくれる。

そのことを、普段いかに当たり前のものとして考えていて、どれだけそこに頼っていたのかを思い知らされる。それだけ重要な仕事なのに、おそらく普段は「届けたことに対する感謝」以上に「遅れたことに対する怒り」のほうを多く受けてしまうのではないかとも想像する。

不可欠なものほど当たり前になり、当たり前になるほど受け手の感謝は減る。
逆に、贅沢さが高まるほど特別になり、特別になるほど受け手の感謝は増える。

これでよかったんだっけ?

そんなことを考え直してみるには、とてもいい機会なのだと思う。


最後にマラソンの話。

残念なことに、6月の隠岐の島ウルトラマラソンは開催延期になってしまった。

これで申し込んでいた大会5つのうち、4つが消えた。ここまで来たらもう覚悟はしていたけれど、やはり残念。けれど、ちゃんと早く決断してくれて、今回は返金対応があるということで、誠実な対応に心から感謝。

本番であり、2020年最大の目標である9月の佐渡島208kmマラソン。ここに向けた練習用の大会はこれですべてなくなってしまった。ぶっつけ本番になってしまうことも不安だし、それ以上に、この大会自身の開催ももはや危うい。

準備にかけるコストは、時間も、お金も、労力も、かなりのもの。あるかどうかわからない大会に向けてそれだけのコストを負担することに、かなりの抵抗感がある。

もしかしたら、大きな決断をしなければならないかもしれない。

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