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#ファンドリ 第5回セミナー:放送作家 桝本壮志氏

人気テレビ番組を数多く手掛ける放送作家・桝本壮志が語る「売れるタレントたちの特徴」

Twitterを活用し、誰でも簡単にファンクラブを開設できるプラットフォーム「Fans’(ファンズ)」が、次世代のエンタテインメント業界のスターを育成するプロジェクト『Fans’ Dream Project(#ファンドリ)』をスタートさせた。
 その第1期生たちに、エンタメ業界で活躍するプロフェッショナルの特別講師を招いて様々なテーマで講義を開催。第5回目となる今回は、数多くのテレビ番組を手掛ける放送作家・桝本壮志さんに、「タレントが描くべき生存戦略」を話してもらった。

<桝本壮志>
1975年広島県生まれ。放送作家、コラムニスト、小説家。吉本総合芸能学院(NSC)大阪校13期生で、同期芸人にブラックマヨネーズ、チュートリアル(徳井義実)、野生爆弾など。芸人を引退後、吉本興業が運営する渋谷公園通り劇場の作家となり、のち放送作家デビュー。『ぐるぐるナインティナイン』『今夜くらべてみました』『ナニコレ珍百景』など16本あまりのレギュラー番組を手掛ける。2020年12月17日、初の本格小説『三人』を上梓
Twitter:@SOUSHIHIROSHO

■「専門店」じゃなく「ドン・キホーテ」を目指せ

「チャンスの扉」は、突然のタイミングで現れます。僕はもともと、吉本の劇場で舞台作家をしていたのですが、そこが潰れてしまうということで、テレビの業界に行くことになりました。ただ、コネなんてまったくのゼロ。そこで、とにかく企画書を書いて、テレビ局に持ち込むということをやりました。

そんな中で、日本テレビに行ったときたまたま対応してくれたのが、当時の『ぐるぐるナインティナイン』のチーフプロデューサーだった桜田和之さん。じゃあ次からやってみてよということで、もう10年以上関わらせてもらっています。

また、チャンスというものは“イヤな仕事“の中にも隠れていたりします。高校時代は広島の野球強豪校で甲子園を目指していたのですが、当時の先輩から「作家やっているなら『野球』のことで何か書いてよ」と、何年もノーギャラで書き続けていました。でもそれがのちのち話題になって、一本の番組になって映画にもなって賞を取って……と、自分ではまず描けないシナリオが生まれました。

いろいろなジャンルに“広く浅く“首を突っ込んでおく姿勢も大事です。僕はコントバラエティだけじゃなく、アイドルや音楽番組、また池上さんのニュース解説番組など、幅広くやっていますが、企画を出す際に「マリトッツォ」から「アフガニスタン情勢」まで絡められますし、インプットに大いに役立っています。自分を売り出していく際には、小さい規模でも良いから “何かの専門店になれ“というアドバイスをしていますが、アイデアを取り入れる際はディスカウントストアの “ドン・キホーテ“のようなイメージで、常に流行にアンテナを張ってほしいと思っています。

■人気芸人EXIT・兼近くんはとにかく「ピュア」

放送作家と並行して、NSC(吉本総合芸能学院)の講師も10年以上つとめていますが、売れていている芸人さんたちには共通点があります。それは「ピュア」で「好奇心がある」という点です。講師として、テレビにあこがれている生徒たちの意欲を上下関係や礼儀などで打ち消すことはしたくないので、自分のダメなエピソードから開示して「ナメられる」作業から入るのですが、EXITの兼近くんなんかは、どんなときでも、キラキラとした眼差しで僕の話に相づちしていたのが印象的でした。

そんな彼に「ゆくゆくどうなっていきたいの?」と聞いたら「ヒーローになりたいです」って真面目なトーンで言っていて、実際に5歳年上のりんたろーくん。に自分から声をかけて「M-1でぶちかましましょうよ」というぐらいなので、本当にまっすぐな子なんだなあと。いまや超売れっ子になった彼と、この前ZOOMで飲み会をやったんですが、いきなりフルチンで現れるという芸人の“ゼロイチ“をやってくれて、当時からの“変わってなさ“になんだか嬉しくなりました(笑)。

共同生活をしていたチュートリアル徳井くん、スピードワゴン小沢くんの二人もピュアで努力の人でしたね。芸人さんはネタを考えるときに作家さんを入れることが多いのですが、徳井くんはずっと一人で机に向かってネタを書いていたのを見ていました。小沢くんは映画や音楽や漫画とか、いわゆるカルチャーにずっと触れていて、それらのセリフとかストーリーをパッと番組で話せる記憶能力の高さがすごいなあと思っています。

最近は坂上忍さんに感心することがありまして、毎回タレントさんには番組でアンケートを書いてもらうのですが、あれだけ忙しいのに、どのタレントよりも丁寧に、かつ早く書かれていました。一件“横暴キャラ“だけど、裏では真摯に仕事をしている……だからこの位置にいるんでしょうし、僕もひとつひとつのお仕事にちゃんと向き合っていこうと思った瞬間ですね。

■#ファンドリ参加者からの質問タイム

「私は以前ミスコンファイナリストになりました。今後タレントとしてバラエティに出たいと思っていますが、現状撮影会モデルしか行っていません。このままこの生活を続けていくべきか、何か変えていくべきなのか……」

桝本:僕がよく言うのは「ライフワーク」と「ライスワーク」は切り分けたほうがいいということ。ライフワークは自分の将来にとって大切なこと、そしてライスワークは“最低限の食い扶持“を確保するための仕事です。話を聞いていると、まだ「ライスワーク」しかできていないようなので、いまの生活に加え、自己紹介シートなんかに「ミスコンファイナリストだけど〇〇をやっちゃう女」など、何か付加価値をつけた売り込みを考えてみるのはいかがでしょうか。

「自分をコアに応援してくれるファンがほしいのですが、なかなかその熱意が伝わらないのか増えていきません。『応援したい』と思ってもらうにはどうすればいいでしょうか」

桝本:大勢のファンをいきなり得ようと思っても、なかなかうまく行きません。ただ、自分のことを誰よりも応援してくれる“一人“に会うことで、その方が次の人、次の人、と巻き込むことをしてくれるはず。もしいまそれさえもいないのであったら、自分のセンスに近いコミュニティに参加するなど、出会いの場を貪欲に広げていくことが大事なのではないでしょうか。

「ときどきYouTube番組でトークしたりするのですが、あとから見るとたどたどしさが目立ってしまいます。“しゃべる力“の身につけ方を教えて下さい」

桝本:しゃべりなんて「見切り発車」でいいと思っています。あれこれ考えて口にするより、とりあえずノープランでもいいから、すぐに思いや考えを伝えたほうが相手に熱も伝わりやすい。なにかのタイミングで食事会、飲み会があったとき、どんどん自分から話題を切り出してみてください。話の「オチ」なんてものは、意外としゃべりながらでもなんとかなるものです。

<#ファンドリ事務局より>
#ファンドリではプロジェクト参加者を対象にエンタメ業界の表と裏で活躍されている方をお招きしたセミナーを定期的に実施しています。
次回セミナーは【9月16日(木)】に実施予定です。こちらも後日レポートを掲載いたしますので、お楽しみに!

<#ファンドリとは?>
Fans' Dream Project(#ファンドリ)」とは、Twitter連動型ファンクラブサービス「Fans'(ファンズ)」で獲得したファン数に応じて、全29社の程プロダクションからのオファーを受けることができる育成型オーディションプロジェクトです。

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