#ファンドリ 第7回セミナー:株式会社ホリプロ マネージャー 大崎崇敦氏
人気タレントを複数抱えるホリプロマネージャーが語る“プッシュしたくなる人材”
Twitterを活用し、誰でも簡単にファンクラブを開設できるプラットフォーム「Fans’(ファンズ)」が、次世代のエンタテインメント業界のスターを育成するプロジェクト『Fans’ Dream Project(#ファンドリ)』をスタートさせた。
その第1期生たちに、エンタメ業界で活躍するプロフェッショナルを特別講師として招き、様々なテーマで講義を実施。第7回目となる今回は、株式会社ホリプロで多くのタレントマネージャーをつとめる大崎崇敦さんに、「マネジメントと新人発掘について」について話してもらった。
<大崎崇敦さんプロフィール>
ホリプロ マネージメント第二事業部 プロダクション二部所属。大学卒業後、テレビ制作会社でADとして働いたのちに、中途採用でホリプロに入社。以来、井森美幸、丸山桂里奈などのマネージャーを務める。広島県出身ということもありカープの大ファン。
■紅白歌合戦に来ていた会社の役員に履歴書を手渡し
現在、井森美幸さんと丸山桂里奈・本並健治夫婦、横川尚隆くん、あとはグラビアアイドルのわちみなみ、NHKで短歌番組に出演しているカン・ハンナなど、いろいろなタレントのマネージャーを担当しています。実は大学卒業後、テレビ番組のADを3年間ほどやっていました。本当は最初からマネージャーがやりたかったんですけど、あえなく落ちてしまい、それなら同じ業界で働こうと、制作会社に入社しました。
転機になったのは『NHK紅白歌合戦』を担当していたとき。和田アキ子さんのインタビュー収録をしていた際に、ホリプロの役員が多く見に来ていて、持っていた履歴書を直接渡したんです。それがきっかけで入社することとなり、マネージャーとしてのキャリアがスタートしました。最初は役者のマネージメントを経験して、半年ぐらいでお笑い芸人の担当に。その次が井森美幸さんで、以来バラエティタレントのマネージャーを7〜8年続けています。
■話してみてわかった丸山桂里奈の「良さ」
いま活躍している丸山桂里奈との出会いは、彼女がまだ「なでしこジャパン」でワールドカップを優勝する前の話です。僕自身サッカーが好きだったので、この話が出たとき、いろんなスタジアムに行けるんじゃないかってことで、自ら立候補するという不純な動機がありました(笑)。
面白かったのが、最初に顔合わせしたとき、サッカーの細かいルールがわかっていなかったことです。そして、人懐っこさがある。上司は引退後に解説をしてもらおうという意向でしたが、それだと本人の良さが出ないのではと思い、バラエティ番組への売り込みをガンガンしていきました。
その後『ロンドンハーツ』などでハマり、何回も呼んでもらえるようになるのですが、なにより彼女の「人間性」が周りから愛されたにほかなりません。僕らがよく言うのは、「最初の仕事を取ってくるはマネージャーの仕事、2、3回目はタレントの仕事」。自分が説教するっていうタイプではなく、褒めて伸ばす方針なので、相性も良かったんだと思います。
■「自分らしさ」を整理してほしい
事務所が行っている「スカウトキャラバン」では、榊原郁恵さんに始まり、井森美幸さん、小島瑠璃子、足立梨花といったタレントに加え、石原さとみ、綾瀬はるか、深田恭子といった女優も輩出してきました。たいていのオーディションはそれまでのノウハウを元に行われると思うのですが、「スカウトキャラバン」では毎回テーマも審査委員長も変えて開催されます。なので、昨年一次審査を通過しなかった子が、次の年にファイナリストになる、というのはよくある話。井上咲楽が特別賞に選ばれたのも、その年の委員長が「ユニークな子を選びたい」と言ったことがきっかけです。
また、新人発掘の方法なのですが、いまは街で声かけるというより、Twitter、インスタなどSNSを見て事務所に入ってない人に連絡することが多くなっています。もちろん、フォロワー数も見ていますし、「どのくらい発信しているか」も重要視しています。マネージャーとして、マネージメントはするけど、どう売り出していこうというのは、その人自身が決めること。普段から意見を発信している人はそれができるし、こちらもプッシュしてあげようという気になります。
結局のところ、“自分らしさ“をブレずに貫いていくことが、オーディションにおいても、その後の活動においても大切なんじゃないかと思います。みなさん、自分が考える性格からそれを判断しがちですが、こちらの評価と違っていることが多々あります。そのために、まず身近な家族以外の意見を聞いて、“自分らしさ“とは何かを整理してみてください。
■#ファンドリ参加者からの質問タイム
「“犬まゆみ“の芸名でタレント活動をしています。いろいろテレビ番組のオーディションを受けて、『アウト×デラックス』では出演最終候補者3人の中にも選ばれましたが、惜しい所止まりです。年齢も年齢なのですが、まだ諦めきれません。どう売り出していけば良いでしょうか」
大崎:『アウト×デラックス』で、釣った魚を水着にする女性が出ていて、後々カレンダーを出すことになっていました。そういった誰もが思いつかない発想力で勝ち取るっていうのは方向性としてひとつあります。犬まゆみさんも、犬が好きとのことなので、“人をすぐ犬種で例えられる“とか、得意分野の観点からいろいろと考えていけば引っかかりはできると思います。
「現在、大学で演劇学を選考しています。0歳から子役として演技を続けてきたんですが、就活シーズンに入って、事務所に応募するか、企業に応募するか、アナウンサーになるか、進路を迷っています。中途半端な状況を変えていくにはどうしたらいいでしょうか。」
大崎:ずっと演技を続けてきたっていうのは、僕らからしたらプラスでしかなくて、社会に出ても、アナウンサーになった後でも、事務所に所属することは難しいことではありません。おのののかさんでも、ビールの売り子からタレントになっていますし、芸人さんでも過去に働いている分野の経験からテレビに呼ばれたりすることがある。どれも諦めきれないなら、ほかのことを続けていって、人にはない経験を蓄積させていきましょう。そうすればきっとチャンスはあります。頑張ってください。
<#ファンドリとは?>
「Fans' Dream Project(#ファンドリ)」とは、Twitter連動型ファンクラブサービス「Fans'(ファンズ)」で獲得したファン数に応じて、全29社の程プロダクションからのオファーを受けることができる育成型オーディションプロジェクトです。