1993年のJリーグのレーティング推移(2)
前回は、イロレーティングとグリコレーティングのオリジナルの計算法で、1993年のJリーグのレーティングを算出しましたが、今回は独自のアレンジを追加したもの、つまり、得点差とホームアドバンテージを考慮したレーティングの推移を見てみたいと思います。
使用したデータは、前回と変わらずJリーグ初年度である1993年のリーグ戦の試合結果です。
今回の「得点差とホームアドバンテージを考慮したバージョン」をそれぞれElo+(あるいはE+)、Glicko+(G+)と名付けました。
イロレーティング(Elo+)の推移
算出方法は、レーティングの初期値が1500、変動係数Kの値は20の設定は変わりません。そして、得点差とホームアドバンテージを以下のように考慮して計算しています。
得点差(GD)によって変動係数Kを何倍するかを変えます。
1点差までなら1倍 (Kの値そのまま)
2点差の場合は1.5倍
3点差の場合は1.75倍
4点差以上は、1.75+(GD-3)/8 倍で算出
ホームアドバンテージは、期待勝率の計算時に、ホームチーム側だけレーティングに28を足しています。
グリコレーティング(Glicko+)の推移
算出方法は、レーティングは初期値が1500、レーティング偏差の初期値は350、レーティング偏差の減衰を表すcの値は、1ピリオド15日として2年間で50から350に戻るという計算で、c=約49.7に設定してあるのは前回と変わりません。
得点差については、実際の勝率が、通常、勝ち=1、引き分け=0.5、負け=0で計算するものを以下のように変更しています。
引き分けは 0.5 (変わらず)
1点差勝ちの場合は 0.833
2点差勝ちの場合は 0.9
3点差勝ちの場合は 0.944
1点差負けの場合は 0.166
2点差負けの場合は 0.1
3点差負けの場合は 0.055
のようにグラデーションをつけています。
ホームアドバンテージは、イロレーティングと同じく、期待勝率の計算時に、ホームチーム側だけレーティングに28を足しています。
イロレーティング(Elo+)とグリコレーティング(Glicko+)の比較
前回と同様、上位、中位、下位の3チームを抜き出して、イロレーティング(Elo+)とグリコレーティング(Glicko+)の推移の比較をしてみます。
破線がイロレーティング(Elo+)、実線がグリコレーティング(G+)です。
前回では、大きな違いが見られましたが、今回は、浦和の序盤以外は、かなり接近しているのがわかります。
もともとの算出法や、得点差のレーティングへの反映の仕方が違うにもかかわらず、これだけ寄り添ったグラフになるのは興味深い結果です。
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