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「秘密基地」へのあこがれ
「子どもあるある」だと思うが、子どものころ、いわゆる「秘密基地」にあこがれがあり、思い立っては自分の「秘密基地」を作ろうとし続けてきた。
二段ベッドの端っこに小さな机を置いて、小さな部屋のようにしてみた。クローゼットに懐中電灯を吊るして、好きなものを持ち込んだ。自分の部屋ができても、その中に段ボールハウスを置いて、その中で過ごした。ゴミ袋や竹の棒を使って、庭に作ったこともある。
そんな子ども時代であったが、30代になった今でも、「秘密基地」へのあこがれが、依然としてある。
たとえば、映画などでコンテナハウス、トレーラーハウス、キャンピングカーなど(「タイニーハウス」に含まれるものが多い)を見かけると、それらの「秘密基地感」にとてもワクワクする。映画などの中で描かれている暮らしぶりは大変そうな場合が多いのにもかかわらず、「一度住んでみたいな」と思うのである。
などと「秘密基地」に思いを巡らせていたが、今住んでいる一人暮らしの狭い家だって、十分に「秘密基地感」があると気づいた。狭いこと、狭いからこそ何でも手の届く場所にあること、基本的に誰にも邪魔されない、自分だけの空間であること……。
「家は広いほうがいい」と思われがちな気がするが、狭い家の、「狭いからこそ何でも手の届く場所にある」、これは良いなと思った。掃除も比較的楽だし。
家賃の問題もあるけど、今後引っ越すことがあるとしても、必要以上に広い家には住まないだろう。「今の家よりは少し広い家に住みたいな」とは思うが。
また、予定はないが、仮に将来誰かと住むことがあるとしても、家のどこかに「秘密基地」を作りたい。狭くてもいい、むしろある程度狭いほうがいい。何にでもすぐ手が届き、誰にも邪魔されない、自分だけの空間を絶対に設けたい。強くそう思う。
と、わが「秘密基地」を掃除しながら考える年末であった。
おわり
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