個人年金やiDecoで老後資金を賄えるか?
前回は、公的年金制度の
障害年金と遺族年金について解説しました。
今回は、年金制度の要である
老齢年金についてお話ししたいと思います。
内閣府政府広報室が
2018年11月に行った調査によると、
「老後の生活について考えたことがある」
と答えた成人男女は67.8%でした。
なぜ、老後について考えたのか、
その理由も尋ねたところ、
「老後の生活が不安だから」
と答えた人が最多の44.6%でした。
多くの人が感じているように、
公的年金だけで老後を生きていくのが
難しいことは、言うまでもありません。
不足が予想される公的年金を補う意味で、
多くの人が考えるのが
個人年金やiDecoなどに加入することです。
これら私的年金と公的年金の関係性を知るには、
老齢年金の構造を理解するといいでしょう。
それは、「3階建ての建物」にたとえられます。
日本の公的年金制度は、
国民年金と厚生年金の2階建てとなっています。
1階部分に相当するのが国民年金であり、
20歳以上の全員が加入必須となっています。
2階部分に相当するのが厚生年金で、
加入については、要件を満たしているか
どうかで決まります。
なお、国民年金に加入せずに、
厚生年金だけに加入することはできません。
だから厚生年金は、建物の2階部分に
たとえられているわけです。
そして、年金制度の
3階部分に相当するのが私的年金です。
ここに属しているのが
確定拠出年金の企業型や厚生年金基金、
保険会社が提供している
個人年金やiDecoなどとなっています。
確かに、これらは資産をつくるための
一手段ではあるものの、残念ながら、
必ずしも条件が良いとは言えません。
保険会社も民間企業である以上、
営利目的で保険を販売しているのです。
ご注意いただきたいのが、
「年金は年金保険でつくらなくてはいけない」
わけではない、という点です。
大事なのは、必要とする時期までに
目標額の老後資金を用意することであって、
保険という体裁でなくてもいい、
ということなのです。
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