投資詐欺に共通している3つの特徴とは?
ブラックファイナンス(投資詐欺)に
共通する特徴として、
主に以下の3点が挙げられます。
1、高利回り
2、専門性
3、募集方法
1の高利回りは、詐欺師の常套手段です。
そもそも、高利回りでなければ
誰も見向きもしないでしょう。
2の専門性や先進性も、
顧客を信用させるために使われます。
「自らトレードを行い、巨万の富を得た」
「最新のAIを搭載した自動売買マシンを使用」
等々、一般人には理解し難い手法で
お金を増やしているのだと説明します。
3の募集方法でよく使われるのが、
成功者を演出することです。
派手な生活ぶりをアピールしたり、
有名人を広告塔に起用したりすることも、
しばしば行われます。
アメリカで、史上最大の投資詐欺とされるのが、
元ナスダック会長だったバーナード・マドフ受刑者
が引き起こした事件です。
マドフ受刑者は、ナスダック会長職の他、
米証券業協会の会長まで上り詰めた著名人でしたが、
その知名度を活かして自身のファンドに資金を集め、
運用せずに一部を配当金として投資家に還元するという
自転車操業を繰り返していました。
ウォール・ストリートの成功者として
有名だったマドフ受刑者は、
長年、SEC(米証券取引委員会)の調査を
すり抜けていました。
マドフ受刑者を告発した公認不正検査士の
ハリー・マルコポロス氏は、
5回に渡ってSECに報告書を提出していましたが、
聞き入れてもらえなかったと言います。
マルコポロス氏がマドフ受刑者のファンドに
不審な点を感じて調査を始めると、驚いたことに
多くの人が、マドフ受刑者の不正を知っていました。
知っていたにも関わらず、ある者は見て見ぬ振りをし、
ある者は出資して儲けていました。
大多数の人がマドフ受刑者の話を信じていなかったのに、
最終的には650億ドル(約7兆円)もの
被害を出してしまったのです。
2008年9月にリーマン・ショックが発生すると、
マドフ受刑者は返金に応じられなくなり、破綻。
禁錮150年の判決を受けて服役中の2021年、
82歳で死去しました。
人は、物事を自分に都合良く解釈しがちです。
詐欺師は、そこに付け込んでくるのです。
【参考文献】
朝日新聞DIGITAL:2008年12月28日、日経新聞Web版:2021年4月15日、一般社団法人日本公認不正検査士協会HP、「ウォール・ストリートはマドフの不正行為を知っていた」他
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