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元外資系ヘッジファンドディーラーManagerMの目 日経平均と海外投資家動向の考察 2024年12月12日

本日の市場動向

本日の日経平均は+476.91円の大幅上昇で39,849.14円となり、BOX相場の上限で引けました。昨夜、「12月日銀会合で利上げは必要なし」という報道が市場に流れたことで、寄り付きから大幅なギャップアップが発生。その後もその値幅を維持したまま取引を終えました。

直近では、日経平均は「38,000–40,000円」のBOX相場内での推移が続いており、今日の上昇で上限近くまで達しました。この範囲を突破するかどうかは、来週予定されている12月18日の米FOMC12月19日の日銀会合の結果に左右される可能性があります。

海外投資家動向

最新の投資主体別売買動向では、海外投資家が積極的に日本株を買い進めている様子は見られません。以下のポイントが顕著です。

  • 現物の売り越しは一時止まったものの、直近11週で**-3.1兆円の売り越し**。

  • 中長期では、海外投資家が日本株比率を下げる動きが継続している可能性。

  • 米株市場では買いポジションが積み上がっているため、リスクオフの動きが出ると「米株売り&日本株売り」の形で反応する懸念。

このため、年末にかけて日本株市場では大きな上昇トレンドが形成される可能性は低いと見ています。

チャート分析

  • BOX相場の範囲:38,000–40,000円

  • 38,000円が強いサポートラインとして機能。

  • 37,000円台に定着すると、下方向への意識が強まる可能性。

本日の上昇でBOX相場の上限に到達したものの、現状では次の材料がなければブレイクアウトの期待は限定的です。

投資戦略

本日の日経平均は「順張り買い」のサインを維持していますが、大幅な上昇を受けて一旦調整の可能性を視野に入れる必要があります。

今年の225Aiのパフォーマンスは引き続き好調であり、トレンドの初動を捉える有効性が確認されています。

直近の225Aiの取引例

  • 12/3 買い:39,150円(+620円幅順行中)

  • 11/14 売り:38,920円(+1,140円幅順行)

  • 11/6 買い:39,080円(+1,090円幅順行)

特に2024年は、大きなトレンドが頻繁に出現する相場環境であったため、順張り戦略が有効でした。一方で、「1,000円幅程度のBOX相場」では苦戦する傾向が見られます。

年末年始の注意点

来週のFOMCおよび日銀会合を通過すると、市場は閑散モードに移行すると予測されます。しかし、年末年始は例年に比べてリスクオフの可能性が高く、特に以下の点に注意が必要です。

  1. 米株市場の買いポジションの積み上がり

  2. リスクオフによる日本株売りへの波及

ポートフォリオ管理においては、年末年始を通じて慎重なポジション管理が求められます。

まとめ

2024年も残りわずかですが、市場はまだ油断ならない動きを見せています。引き続き、海外投資家動向や主要イベントを注視しながら、柔軟な投資戦略を取ることが重要です。

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