元外資系ヘッジファンドディーラーManagerMの目日経平均と海外投資家動向の考察 2024年12月10日
本日の日経平均の動き
本日の日経平均株価は+207円上昇し、終値39,367円で引けました。寄り付きはギャップアップスタート。その後、前場では一時売られる場面も見られましたが、後場には買い圧力が優勢となり、下落分を全戻しして引けています。
現在の相場を俯瞰すると、9月末から続く「38,000円~40,000円のBOX相場」内での推移が続いている状況です。特に38,000円付近は強力なサポートラインとして機能しており、このラインが維持されている限り、大幅な崩れは見込みにくいと考えます。
一方で、もし38,000円を割り込み、さらに37,000円台に定着した場合、日本株の下げ足が加速する可能性もあるため注意が必要です。
海外投資家動向
最新の投資主体別売買動向を見ると、海外投資家が日本株を積極的に買い進める動きは見られません。直近11週間では現物と先物を合わせて**-3.1兆円**もの大幅売り越しが続いています。これは中長期的な観点で、海外投資家が日本株比率を引き下げている可能性を示唆します。
現物の売り越しは一旦止まったように見えますが、全体として「米株買い&日本株売り」という構図が継続中です。トランプトレードの影響もあり、アメリカ市場への資金シフトが顕著です。中長期での「強い上昇トレンド」の発生は期待しにくい状況が続いています。
これらの動向を踏まえると、現時点での市場スタンスは「スクエア(中立)」と見るのが妥当でしょう。
チャート分析
日経平均のチャート形状を確認すると、以下のポイントが挙げられます。
BOX相場内の推移:38,000円~40,000円
38,000円の明確なサポート:日足で下ヒゲを形成
37,000円台に定着した場合:さらなる下落を意識
BOX相場内での動きが続いていることから、短期的な値動きにおいてはサポート・レジスタンスを活用した取引が有効となりそうです。一方で、長期トレンドの方向性は依然として不透明です。
年末年始に向けた注意点
今後の重要イベントとして、以下が控えています。
12/18深夜 米FOMC
12/19 日銀会合
これらを通過すると、例年通り市場は閑散モードに入りやすくなります。しかし、今年の年末年始は米株での買いポジションの積み上がりが顕著であるため、特に年明けのリスクオフに注意が必要です。ポジションを持ち越す場合は十分なリスク管理が求められます。
投資戦略
現在、私が利用している「225Ai」のシグナルは引き続き順張りの買い(青色)を継続しています。今年は大きなトレンドが頻繁に発生しており、このツールが有効に機能しています。
具体的なサインの一部を振り返ると:
12/3 39,150円買い → +620円幅の順行中
11/14 38,920円売り → +1,140円幅の順行
9/19 36,890円買い → +3,010円幅の順行
一方で、BOX相場内での細かい値動きには弱い特性があるため、サポート・レジスタンスを意識しつつ、次のシグナルを待ちたいと思います。
まとめ
2024年も終盤に差し掛かりましたが、相場は依然として「BOX相場」内での推移が続いています。短期的には38,000円のサポートを確認しつつ、上値40,000円を意識した売買が有効です。
海外投資家の動向からは強い買い材料を見出すのは難しい状況ですが、一方で市場の大崩れを予想する材料も見当たりません。年末年始にかけてのイベントリスクを念頭に、慎重かつ柔軟に対応することが重要です。