YouTubeに演奏動画を上げる時に、必ず直面する機材の問題について(後編)
さて、前回は、
演奏動画を撮るにあたって、
ただデジカメで撮る。
↓
デジタルムービーカメラで撮り、電子ピアノとカメラをケーブルでつなぐ。
↓
電子ピアノとデジタルムービーカメラの間にミキサーをかます。
↓
カメラが壊れ、ちょうどその頃、iPhone SE (初代)を買う。
という所まできました。つづきです。
そんな訳で、あんな小さいスマホでなんと4Kまで撮れてしまうiPhoneで撮ってみたところ、快適快適!撮りやすい撮りやすい!(ちなみにデジタルムービーを導入した時点でちゃんとした三脚を購入し使っています。)
というわけで、iPhone SE で撮り始めた頃の動画がこちら ↓
【ドラえもん】mao「夢をかなえてドラえもん」ピアノ弾き語り(cover)
初めのデジカメで撮ってた頃と比べると、かなりいい画質になりました。音も、弾いてる間はだいぶノイズが減った気がします。(無音時のノイズは相変わらずありますが)
よし、しばらくiPhone とミキサーつなぎで行こう、と撮り続けていたら、今度は、ミキサーが壊れてしまいました…。
機械はいつか壊れるのです。
そこでまた、なんとかこのホワイトノイズを消す方法はないものかと、また色々調べてみたところ、もうこの頃には「歌ってみた」「弾いてみた」等の動画を上げる人々はワンサカ増えていて、そんなスマホで演奏動画を撮る人にピッタリのオーディオインターフェースはこれ!という商品を見つけたのです。それがこちら、
ROLAND GO:MIXER スマートフォン用 オーディオミキサー
正確に言うと、オーディオインターフェースではなく、オーディオミキサーですが、要は電子ピアノとマイクをつなぎ、iPhoneに音声を送る、それぞれの音量バランスも調整できるミキサーです。今まで使ってたミキサーと比べると驚くほど小さく、しかもバスパワー、つまりiPhoneから電源を取れるのでコンセントも要りません。おぉ、こんな便利なものが出ていたのか、しかもこれなら貧乏な僕でも買える、ということで早速導入して撮ってみたのがこちら ↓
【KAN】「愛は勝つ」ピアノ弾き語り(cover)
念願だったホワイトノイズはだいぶ減りました。ほとんどサーとかジーといった音はしません。やったー!求めてた理想の演奏動画の撮り方はこれだ!
iPhoneと電子ピアノとマイクをGo Mixerでつなぐ、これでOK!と一瞬思ったのですが、
しかし!!
よく聴いてみると、以前のミキサーと比べると、ノイズがない代わりに出力が弱いせいか、音圧が低い、というか音の迫力がなくなったように感じます。しかも大きい音を出すと音が割れてしまっています。ん~~~!!!
まぁこれは、電子ピアノの方のボリュームを少し下げ、ミキサーの音を上げるとかの調整でなんとかなるかもしれませんが。
例えばこちら、
【みんなのうた】「コンピューターおばあちゃん」ピアノ弾き語り(cover)
ピアノの音色をエレピアノにしてるのもあり、音はギリギリ割れてません。マイクの音もちゃんと拾っています。
まぁ、まぁ、贅沢言っちゃいけませんね、10年前はこんな映像と音声だったんですから ↓
【加藤登紀子】「時には昔の話を」ピアノ弾き語り(cover)
ひどいノイズです。せっかくの名演(笑)を邪魔してしまっています。
でも、あれ?なんだか音圧はこっちのが高いような気がするなぁ…。
なんとかならないかなぁ…、ノイズが消えたと思ったら今度は音圧(音量)か…パソコンでノイズ消したり音量上げたりするソフトはきっと探せばあるのでしょうが、パソコン音痴の私はそんなめんどくさいことはしたくないのです。はて、どうしたものか…と悩んでいると、
あれ?Go Mixer て、Pro 版もあるの?
Roland ローランド/GO:MIXER PRO
見た目あまりかわらないけど、値段は倍(当時の値段)だし。何ができるんだろう、と調べてみると、
・ファンタム電源が使えるので、コンデンサーマイクが使える。
・ループバック機能などが簡単に使えて、重ね録りや四分割動画などもパソコンいらずでスマホのアプリでかんたんに撮れる。
との事。あぁ重ね録りかぁ、いいなぁ、いつも一人で録ってるけど、合唱曲とか一人で簡単に重ねてみたいし、どうせならマイクもいいマイクにしてみたい。
……と、欲が出てきてしまうのです。
怖いですね。
で、結局買ってしまいました。Go Mixer Pro と、
audio-technica コンデンサーマイクロホン AT2020
で、撮ったのがこちら
【合唱曲】「マイバラード」ピアノ弾き語り
どうでしょう、違い、わかりますか?
ボーカルの拾い方はかなりよくなったと思いますが、ピアノは相変わらず音割れしてますね。で、私はここで致命的なミスをしてしまったのです。
それは、
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違い です。
それぞれの特性はわかっていたものの、弾き語りをその場の一発撮りするには、コンデンサーマイクは全く向いてなかったのです。なぜなら、
ピアノを弾いているカタカタ音を拾ってしまうからです。
しかも、電子ピアノを弾いている音って、たぶん生ピアノよりもカタカタ・カチャカチャ(爪が鍵盤に当たる音)がします。つまり、コンデンサーマイクは音はとてもいいけれど、完全に別録り用のマイクでした。では、上の動画はどうやって撮ってるかというと、まず初めにピアノ伴奏だけ撮って、次にその動画に合わせて歌だけ撮って、最後に合わせた音に合わせて弾いてる動画を撮りなおしているのです。Rolandの重ね撮りアプリは、分割はできますが、重ね録音に関しては、最後に撮った動画が生きる、という仕様なので、そんな超めんどくさい方法を取ることになりました…。んん、これはコンデンサーマイク作戦、大失敗だな…。でも仕方ありません、
人は失敗から学ぶのです。
しかし、せめてやりたかった合唱曲の一人で重ね録りをやってみよう。
ということで、
【合唱曲】「気球に乗ってどこまでも」ピアノ弾き語り
念願の重ね録り、うまくいきました。
が、先の動画同様、
1. 伴奏を撮る
2. 歌(パート1)を撮る
3. 歌(パート2)を撮る
4. 123を合わせた音声に合わせて弾き語りしてる風の動画を撮る
というわけで、全部別々に録ったうえで、最後にそれに合わせた、いわば、口パク動画を撮らなければならないという、超めんどくさい手間がかかっているのです。しかもこの、動画と音声のズレが編集時にも生じ、それを微調整…等々、そう簡単には撮れないことがわかりました。
そんなわけで、
理想の演奏動画撮影環境は現在進行形で、まだ整っていません。
次の構想は、あるにはあるのですが、
それにはちょっとお金が足りないので、今後、なんとかがんばって構築したいと思います。それまでは、現状の機材でがんばります。もし、おすすめの設定・機材等があれば教えてもらえるとうれしいです。
というか、みなさん、どうやって撮って(録って)るんでしょうねぇ…。
それではまた。