インフレ未体験ゾーンとiPhone14

インフレとは通貨の価値が下がることを言います。

物の値段が高くなることではありません。

最近ではiphone14が11万9,800円での販売ということで、先代の13モデルと比較して販売価格は21,000円(+20%)上がっている。

ただドルで購入する場合というか、
米国での販売価格は13も14モデルも同じく799ドル。

よく円安と言いますが、逆にドルが高い(強い)という情勢なんです。

一方、ドル対ユーロに目を向けると、このiPhoneの場合、

フランスでは、13は900ユーロ 14は1,020ユーロ(+12% )という結果。

・円:24年振り安値 ・ユーロ:20年ぶり安値

と言うことで、アメリカ人の人はアメリカ国内で購入する場合、
「あら、新しいバージョンののiPhoneが先代と同じ価格で買えるわ!」
的な何ともお値打ち的な反応なんじゃなかろうか?

あれ? 世界的に半導体不足、コスト高、とか少し前まで
ニュースで言っていなかったっけ?

中身を見ると通常モデルはプロセッサーはA15と中身は同じ。
ProはA16なんだそうだが、オーバースペックというかピークスペックというか、お腹いっぱい的なニーズなんじゃなかろうか?
Appleの前回の決算はいまいちだったが、今回もこのiPhoneの売れ行きは世界同時インフレで米国外では絶望的な結果に終わるのではなかろうか?

通貨の価値が下がったとは言え、iPhoneの費用対効果も下がった、と言えなくもない。

要するにドル高はアメリカにとって“悪”。
アメリカは原油産油国でもあるので、エネルギーの貿易も難しくなると思う。

しかし、インフレはいつまで続くのか?問題がある。
これは今、FRBが人工的に利上げと金融引き締めを行い、インフレと戦っている。いつ終わるかとは明言されていないが、利上げはインフレが収まってもしばらく続けるといっている。来年以降も続くかもしれない。
インフレは簡単に解消されるものでは無く、“しつこい”らしい。


アメリカのインフレ事情を語ったところで、日本とどう関係するの?といったところだが、関係する。大いに。

日本の弱みはエネルギーと半導体の生産力が弱い。これに尽きる。
車も何もかも納期が遅れている。そしてコストも上がっている。
世界の工場と呼ばれてきた中国に進出した日系企業がたくさんあるが、
今、逆に日本に回帰しようとする動きがある。
アジア圏での人的コストも上がってきた。
半導体世界最大手TSMC(台湾)の日本熊本工場の建設がスタートした。
この動きは昨年に報じられたが、タイミングとしては非常に良かったと思う。ソニーとデンソーが共同出資して設立とのことだが、車載半導体の生産を担い、日本の車業界に大きくプラスになるに違いない。

また、円安がチャンスと言われる観光産業については、
あまりに全振りしすぎると、円高に逆戻りした時に痛手を食うと思う。
これは為替がコントロールできない事に他ならないから。
アジア圏の先進国の労働力、コストが上がり加速していくことは今のベトナム、タイなどの動きを見れば明らかなので、日系企業は少しづつ日本に回帰しても良いと思う。同時に第三次か四次かモノづくりなんちゃらといった方針を掲げ、労働人口も海外から調達しながら、ビジネス言語も英語でまとめる方向性なんかが良いんじゃないでしょうか?











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?