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【ライブ回想録】We are SMAP! 8月19日 福岡公演(前編)

2010年、2年ぶりのSMAPのライブが決まった。
その2年のうちに色々あった。
ひとつは、剛の事件があったことだ。謹慎期間を経て本人が猛省し、無事に帰ってきたことにほっとした。

そして、個人ごとになってしまうが、その頃の私は学校に行けないどころか、外に出られなくなっていた。
でも「SMAPのライブだけは行く!ていうか、行きたい!」
ライブ開催が発表された時、すぐにそう思えた。
暗くて辛い思春期、唯一の光がSMAPだった。
SMAPのライブなら、外への怖さも乗り越えられる気がした。

親も「普段全く外に出れないのに、SMAPのライブに行けるのなら」と了承してくれた。
家族旅行も兼ねて、福岡に2公演、名古屋に1公演行った。
(大人になった今思うのは、なによりお金がかかっただろうに、親よ、すいませんでした。)

なのだが。なぜかツアー参戦初日の福岡ドーム初日公演の8月19日しか記憶にないのだ…。
なので、その日のことを書いていこうと思う。

※追記:名古屋公演については当時書いたレポートが出てきたので、また後日書き起こします。

恐怖を和らげてくれたオープニング


SMAPのライブは2度目。
もうすっかり雰囲気に慣れたものの…開演前まで恐怖感があった。
ふだん外に出ていない自分には刺激が強く、人の視線が過剰に怖い。
中学生という年頃特有の、自意識過剰さも影響していたと思う。

でも、公演が近づくに連れ、モニターに映ったお客さんの顔が地球に変わったり、地球の被り物を被ったダンサーさんたち(通称“地球くん”)がウロウロし始めた。
地球くんに手を振ると、手を振り返してくれた。
これから何か始まる!そのワクワクさが勝って、いつの間にか私の【外への恐怖】は和らいでいた。

地球くんの被り物を取ったSMAPが現れた。
その時の私には、外への恐怖はすっかりなくなっていた。
完全に個人ごとなのだが、あの時、徐々に徐々に不安を和らいでいってくれた慎吾の構成に感謝しかない。
慎吾も思春期につらい時期があったと思う。
経験者がつくったものだからこそ、あの頃の私はほっとできたのかもしれない。

当時の会報表紙より(これは東京公演)


そこから先はもうお楽しみ。恐怖なんか忘れて、SMAPの世界に引き込まれていってた。
『SWING』の5人の自己紹介。中居くんの「SMAPでーす!」の一言で、SMAPに会えた感激もひとしお。生きててよかった!と心から思えた。

『僕の素晴らしい人生』では、中居・木村・吾郎の年上組が歌い、剛・慎吾の年下組がその後ろでダンスするという、珍しいパターンの組み合わせ。
でも、これがまた力強くて良いのだ。言葉にうまくできないけど、この曲を歌って踊る5人が凄く好きだった。その姿は今でも思い出せるくらい。
歌詞もすごく共感できて、あの頃の私にとってこの曲が特別だったのかもしれない。

剛ソロ『帰ってきたヨッパライ』


剛の『帰ってきたヨッパライ』
5人とも天使の格好。剛がワイヤーで吊られながら歌い、天国を表現。
その下で天使の4人が首振りながら踊ってて、とても可愛かった。
当時はそのことと、「なんでこの曲選んじゃったの?」としか思えなかった。
でも今思うと、エンタメを通して剛なりの償いの気持ちが込められていたのだろう。

酔っ払って死んで】そして【踏み外して生き返った】。まさに剛の境遇にピッタリの曲。
いつもこの曲を歌う時の剛は、「歌詞を間違えずにちゃんと歌わないと」という姿勢を感じられた。
3公演でも、DVDを見返しても、この曲は真剣に最後まで歌っていた思い出しかない。
コメディタッチの曲だからふざけてもいいのに、剛は最後の連行されるお決まりのくだり以外、一切それをしなかった。4人が見守るなか、きちんと歌い切っていた。
大人になって、あれは剛なりの強い反省の想いだったんだなあと思い知るばかりだ。


中居ソロ『Memory〜June〜』


中居くんの『Memory〜June〜』
マイケル・ジャクソンのダンスは、カッコイイ&凄いとしか言いようがなかった。
静かに見守る観客と、ゼロ・グラヴィティ(斜め45度になるダンス)が成功した時の歓声の拍手!その温度差がまたいいのだ。
帽子を目深に被り、顔を見せずに踊る中居くんはカッコよすぎて、「中居正広憧れるわ…私もこのくらいカッコよくなりたい…!」と思うくらいだった。
DVDには収録されておらず、3回も生で見せてもらったことは思春期の私にはとても贅沢なことで、今でも忘れられない。

当時私が書いたレポを見たところ、実は中居くんは福岡公演の間、ずっと腰痛を患いながら歌って踊っていたのだ。
当時の私はまだ10代で腰痛の辛さを知らないため、当時のレポを見るまでこのことをすっかり忘れていた…。
話を中居くんに戻すと、当時のレポに「ライトが当たっていないところでは手を腰にやることも多く見られた」と書かれていて、ふわ~っと記憶が甦ってきた
中居くんがソロ曲の時、ライトが当たっていないところで腰に手を当てて、はぁはぁと息苦しそうにしていた光景を鮮明に思い出したのだ。
あれは物凄く辛そうだった。見ていて「しんどいんだなあ…」と思った。
当時のラジオで語っていたところでは、痛み止めの座薬を入れてライブに挑んでいたそうだ。
でも痛みが完全になくなるわけではないだろうから、キツかっただろう。
腰痛でライブするって…「改めて凄すぎるな…」と振りかえって思う。

それとこれは余談だが、中居くんのソロの映像で(初日昼間に撮ったと思われる映像)中居くんが福岡ドーム前のエスカレーターに普通に乗ってたのにビックリした。
憧れの人と同じ道を通ったことに「ヤバい!」と混乱したと同時に、「中居くん、気づかれないもんなんだぁ…」と思った記憶がある 笑


吾郎ソロ『愛や恋や』

吾郎ちゃんソロ『愛や恋や』はド迫力だった。
なにしろ、吾郎ちゃんが金色のソファーに堂々と鎮座し、女性ダンサーをはべらせて登場!
ワイン色のスーツを着て、画面では薔薇を背負って歌う。
曲の途中からは、ステッキ片手にマジシャンへと変身。
この世界観の徹底ぶり!
ラグジュアリーで豪華絢爛な世界観は、他の4人には表現できない。
このソロ曲で吾郎ちゃんは、【吾郎ちゃんワールド】の頂点に達したともいえよう。
それはまるで「やっぱり、僕にはこういうの求めてるんでしょ?」とファンにサービスしてくれたようだった。
でも嫌々やっているのではなく、吾郎ちゃんはいつもニッコリと歌ってくれる。
この曲からは、吾郎ちゃんの立派な【アイドルとしての気概】を見せつけられたように感じた。


【後編につづく】


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