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「深泥丘奇談」を読んだ

感想と言うより寄り道だらけの駄文なのでご注意を。

著者は綾辻行人。館シリーズで有名なあの人。アニメ好きならanotherの人って感じかも。

僕としては、新本格ミステリという一大ジャンルを世に浸透させた人という大雑把な認識である。

僕自身、推理小説は結構読んできたと自負していたが、先日書店の推理小説コーナーに行くと読んだことない本ばかりでうろたえた。というのも、今まで僕が読んできた本というのは、いわゆる古典と呼んでも差し支えないようなものばっかりだったから。

例えば、怪人二十八面相シリーズだったり、ホームズだったり。怪人二十八面相に関しては、時代だからか「きちがい」のような放送禁止用語スレスレの単語が多かったイメージ。

深泥丘奇談もそうだが、イラストに凝ってる本が多くて見てるだけでも楽しいのが書店のいいところだと思う。深泥丘奇談のイラストを担当してる遠田志帆さんのイラストは結構好き。推理系怪奇系の小説のイラストは、ほとんどこの人だと思う。Anotherしかり深泥丘奇談しかり。最近だとmediumのイラストもこの人。ちなみにAnotherのアクキー持ってる。

不思議な世界観

主人公の「私」が遭遇するさまざまな怪奇は、すべて京都であって京都でない、そんな裏京都とでも呼ぶべき場所で起きる。主人公の「私」は、それに違和感をおぼえるが、妻や医者がそんな少しおかしい裏京都について違和感をおぼえないことで、主人公も納得する。

独特の地名はお気に入り。大文字山ではなく人文字山。深泥池ではなく深泥丘。そんな感じで他にも結構たくさん、似てるけど違う地名というのが登場する。

それにしても微妙にスッキリしない小説だなと思う。主人公の「私」が、この不思議な世界に結構簡単に納得しちゃうせいで、世界の説明だとかシステムだとかが一切分からない。でも読後には満足感がある。

Another読んだ時にも思ったけど、この人ほんと怪奇とか好きだよな。なんていうか怪しい雰囲気を出すのが上手い。めちゃめちゃに怖いわけではないけど、ぞくっとする感じ。階段踏み外してコケかけた時みたいな。これはちょっと違うか。

短編

読む出すまで気づかなかったけど、この本短編集みたいになってた。ラノベで言ったら、0.5巻みたいな感じでこれまでの店舗特典ショートストーリーまとめるやつ。

隙間時間にちょっと読んで、また勉強に戻るみたいなのやりやすくて好き。長編は時間溶ける。

異能バトル?

ほぼすべての短編が、「私」の周りで起こる不思議な出来事についてだけど、一つだけ異彩を放っている短編があった。

「長引く雨の日に」という題名のこの短編は、正確な名を口にすると死ぬ******という怪物に憑かれた女性VS霊能力者の短編だ。

オチは結構しょうもなくて、現実ってこんなもんかってなる。とはいえ、そういう人間臭いエピソードと現実にはありえない怪奇との融合が上手くて、読んでる途中で、このおかしな京都の街に僕自身も適合してた。

続き読みたい

調べてみたら、この深泥丘奇談。続きがあるらしい、しかも続々巻まで。紙で読みたいから機会があったら入手したい。同じ綾辻行人作品だと、館シリーズはいくつか積んでる。十角館の殺人とか名作名作言われてるので、そろそろ読みたいところ。


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