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GIAのカラーダイヤモンド鑑定の真実?

「これは、どうしても書かねばならない、カラーダイヤを愛する皆さんに絶対にお伝えしたい」案件が出てまいりましたので、久々に投稿します。

「カラーダイヤはGIA」はい。GIAのカラーダイヤモンド鑑定に関して、皆さんに予め知っておいて頂きたい情報をお伝えします。

何故この話をするに至ったかの経緯は以下、

某所にてある販売者が、高額なカラーダイヤモンド商品を販売、購入者様との(誰でも閲覧できる)やり取りを拝見したのがキッカケです。

ちなみに、そのダイヤモンドはカラーは最高ランクですが、低いクラリティ評価のCGLソーティングが付属していました。それだけなら特に問題ないのですが、販売者の方の以下のような言葉を目にしました。

「ダイヤモンド鑑定の権威、GIAは、最近はカラーダイヤモンドのクラリティの評価をしていません。カラーダイヤにとって最も重要なのはカラーであるため、内包物の評価を控えようという流れで~云々」

この一文を読み、私は卒倒しそうになりました。

皆さん、コレ「へぇ、そうなんだ」と信じちゃダメなやつです。全くもって真実ではありません。嘘です。

何がどう嘘なのか?何故このような真っ赤な嘘がまことしやかに語られるのか?今日、私は、この話をしたいと思います。

それには、先ず、カラーダイヤ鑑定で、最も権威があるとされる「GIA」の鑑定について、以前書いた内容と重複があるかもしれませんが、お話しさせて頂きます。

「GIAのカラーダイヤモンド鑑定に於ける真実」

1)ダイヤモンドに於ける日本の三大機関(A鑑)は、GIA、AGT、中宝研(CGL)ですが、中でも、世界レベルで通用するのはGIA。

2)GIAのカラーダイヤモンドの鑑定はNYで行われます。よって、鑑定に要する期間は最短でも一ヶ月~混み具合により二ヶ月程度、他機関に比べ、費用もかなり高額です。

3)現在(2020年9月時点)、カラーダイヤモンドのクラリティ検査は、GIAは「0.15ct」以下の石に行いません。もしかしたら、今後変わる可能性もあるのかもしれませんが、現時点はクラリティ検査は不可。よって、小さな石目のカラーダイヤモンドは、傷があろうとなかろうと、GIAではクラリティ評価無し。

(国内AGT、CGLは、0.1ct以下もクラリティ検査をしてくれます。石目が正確にどのくらいから鑑定可能かは、どちらも公にしていません。しかし、最近では0.03ct程度からソーティングの付属する石が見られます)

4)GIAのカラーダイヤモンドの鑑定には、基本「二種類」のメニューがあります。

①フルグレーディング ②カラーのみ

これは、どういうことかを詳しく説明していきます。

①フルグレーディングは、その名のとおり「全て」です。

よって、検査項目は

カット、石目、カラー、クラリティ等、いわゆる、私たちがよく目にする通常のレポート。クラリティは何か?つい気になってチェックしてしまいますよね。

次、②カラーのみ

これは先に述べた「0.15ct以下」のカラーダイヤモンドは、全て自動的にこちらになります。内容としては、勿論カラーのみなんてことはなく、フルグレーディングの検査項目から「クラリティ」を除外したものになります。

「なるほど、GIAはクラリティ検査を0.15ct以下の小さなダイヤはしないのね。では0.15ct以上の大きな石はクラリティ検査が可能よね?」

はい。仰るとおり、0.15ct以上の石目は、当然クラリティ検査は可能です。

しかしながら、先に述べたGIAのグレーディングは二種類あり、①フルグレーディング②カラーのみ、この二つのなかから、GIAへダイヤモンドを預け、鑑定を希望する者(業者等)が「どちらの鑑定を行うか」を選択し、依頼するのです。

とても大事なことを、今、言いました。私がどうしても皆さんにお伝えしたいこと

もう一度言います。「GIAのカラーダイヤモンド鑑定」は、クラリティ検査は要不要かを、依頼する際に選択できるのです。

カラーダイヤモンドは、確かに「カラーが一番に重要」であることは間違いありません。しかし、私たち日本人は古来より美しいものを好むお国柄ゆえ「クラリティ」を気にされる方が大半でないかと思うのです。

「クラリティ」が良いものは、当然ながら評価も価格も高くなります。

では、美色であってもクラリティが悪い石、例えば「fancy vivid purplish pink」でI2は、どうでしょうか。

さほど気にしない方もいらっしゃれば、いや、やはり気になるわ、と思い留まる方も多いのでないかと思います。

しかし、仮に同じ石「fancy vivid purplish pink」に、クラリティ評価無しの石であったら、皆さんどう思われるでしょうか?
本来は「I2」ですが、その記載がなければ、最高ランクのピンクに世界で通用する信頼のGIAレポートが付属し「これは、素晴らしいピンクダイヤね!」と何となく思わされてしまいそうに、なるので、ないでしょうか。。。

今回の件の問題は、私自身、長年カラーダイヤモンドを愛好してきたがゆえに、わかることでありますが、

「正直に、正確に石の悪い評価(クラリティ低評価等)を伝えることが、イコール 石が売れる」ことには繋がらない、ということです。
(寧ろ、売れづらくなります。。小声)

よって、クラリティがあまり良くないが、美色のダイヤモンドを、AとB、異なる業者が扱うとしましょう。

A業者「クラリティは良くないが、お客様には正確な情報を伝えるべきだから、フルグレーデイングを希望」とGIAにオーダー

B業者「クラリティが良くないから、そこは明確にしないでおこう、しかしカラーは良いから売れるはず、だからカラーのみグレーディング希望」とGIAにオーダー

このように、鑑定を希望する者が、それぞれの思惑のもと「クラリティ評価をGIAにしてもらうか否か」選択するのです。

先の「ダイヤモンド鑑定の権威、GIAは、最近はカラーダイヤモンドのクラリティの評価をしていません。カラーダイヤにとって最も重要なのはカラーであるため、内包物の評価を控えようという流れで~云々」

これでお分かりいただけましたね。
この文章は大嘘です。公明正大な鑑定機関であるGIAが主体で、クラリティ評価を行わないなど、絶対にありえないのです!!

クラリティ評価をする、しないは、鑑定を依頼する業者(個人)に委ねられるのですから。

しかし、何故こんな誤った情報が出回るのでしょうね。

確かに、海外では、日本人ほど「クラリティを気にしない」という話は耳にします。よってカラーダイヤで一番大切なのは「カラー」であるというのは、間違っていません。ですから、海外業者のカラーダイヤモンドには、確かにクラリティが悪くなくても「カラーのみ」のグレーディングレポートを見かけることがあります。

しかし、大抵の日本人は「綺麗なものは綺麗」と、きちんと証明したいと思うのが性でないでしょうか。

カラーもクラリティも優れた美しいカラーダイヤモンドであれば、フルグレーディングで「fancy vivid purplish pink  VS1」とあれば、評価も価格も高くなるのは当然です。

ちなみに、余談ですが当たり前な話「フルグレーディング」のほうが、「カラーのみ(クラリティ評価無し)」より鑑定料、高いですよ。

そして、さらに「フルグレーディング」で、万が一、思わしくないクラリティ評価が出た場合(例えばSIクラスと思っていたのにI1だった等)、都合のよろしくないことはレポートに(クラリティを)載せない、といったことも後から出来たりします。。

私自身、愛好家として長年信頼してきたのは、良い結果も悪い結果も、きちんとフルグレーディングして情報を載せて下さる業者様です。

よって、私自身も、正確に、正直に、良いも悪いも、GIAはフルグレーディングのレポートを皆さんへお出しする際に依頼します。

(ただ、GIAはとにかく納期が長い・・・そのため、納期の早いCGLやAGTがメインになっております。)

もし、当店でご購入のカラーダイヤモンドの鑑定をGIAで!とご希望の方は、ご連絡頂ければ取得可能です。しかしながら、GIAは、国内機関のグレーディングとズレる(厳しい)結果が出ることも多いため、そこのところ、どうかご承知おき下さいませ。

私の長年の夢、それは、自分で仕入れた良質なカラーダイヤモンドを、シンプルで使いやすいジュエリーに仕立て、お値打ちにカラーダイヤモンドファンへお届けすることです。よろしければ、ご支援頂けますと幸いです。