見出し画像

技術士:建設部門「施工計画、施工設備及び積算」/過去問チャレンジ/R6_Ⅲ-1 [4]end

R7年度技術士第二次試験の合格を目指すブログです。

受験部門と科目は・・・
建設部門「施工計画、施工設備及び積算」です。

今回の記事は、
建設部門「施工計画、施工設備及び積算」:R6年度「選択問題Ⅲ-1」
過去問に向き合ってみます。
この問題の主題は「建設工事従事者の処遇改善」です。

なお、前回の過去問チャレンジの記事を
以下のリンクに示します。

今回の記事では、当過去問(R6_Ⅲ-1)チャレンジ記事の [1] ~ [3] において、問い(2)の最重要課題を「観点1 or 2 or 3」とした各解答案メモを
一覧表に整理します。


◆ 問題文_R6_Ⅲ-1

 建設業が持続的に発展していくためには、建設工事従事者の処遇改善や働き方改革の取組を推進していくことで、新規入職を促進し、将来の担い手の確保・育成を図っていくことが不可欠である。同時に、建設業を取り巻く昨今の厳しい環境変化に的確に対応しつつ、適正な請負契約の下で円滑に建設工事が実施される環境づくりも極めて重要である。 このような状況を踏まえ、施工計画、施工設備及び積算分野の技術者としての経験と知見に基づき、以下の問いに答えよ。
(1)建設工事従事者への適切な水準の賃金支払いを進めるに当たり、投入できる人員や予算に限りがあることを前提に、多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を具体的に示せ。(*)
(*)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問で示した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

「日本技術士会HP」より

◆ 解答案メモを整理

問い(2)の最重要課題を「観点1 or 2 or 3」とした各解答案メモを
下記リンクの一覧表に整理します。

最重要課題をいずれかに決定するだけで、
その後の解答文も異なっています。


◆ キーワード調査

当過去問の解答案メモ作成の過程において、
調べたキーワードを、以下にまとめておきます。

本過去問記事 [1] より

 ▽ i-constructionとは

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、国土交通省が推進する建設現場の生産性向上に向けた取り組みです。建設現場のあらゆるプロセスにICT(情報通信技術)を導入し、生産性向上や経営環境の改善、安全な建設現場の実現などを目指しています。

i-Constructionの施策には、次のようなものがあります。
・ICT土工
・3次元データ流通
・コンクリート工の規格の標準化、 施工時期の平準化

i-Constructionの目的は、建設現場の生産性を向上させ、魅力的な建設現場にすることです。「きつい、危険、汚い」という3Kのイメージが強い建設現場ですが、「給与が高い」「休暇が取れる」「希望が持てる」という新しい3Kになるよう目指しています。

i-Constructionの本格的なはじまりは、2016年9月12日に開催された第1回未来投資会議で、安倍総理が建設現場の生産性を2025年までに20%向上させるよう関係省庁へ指示を出したことです。

 ▽ BIM/CIMとは

BIM/CIM(ビム/シム)とは、建設事業において、計画や調査、設計などの段階から3次元モデルを導入して、関係者間での情報共有を容易にし、建設事業の効率化・高度化を図る取り組みです。

BIM/CIMは、Building Information Modeling(BIM)とConstruction Information Modeling(CIM)の略で、BIMは主に建築、CIMは主に土木分野で利用されています。

BIM/CIMの主な効果は次のとおりです。

  • 設計ミスや施工段階での手戻りの減少

  • 施工手順の可視化による工事関係者の理解促進や安全管理の向上

  • 地元説明や工事打ち合わせでのイメージのわかりやすい伝達

国土交通省は、2023年度(令和5年度)までに全ての詳細設計・工事においてBIM/CIMを原則適用する方針を打ち出しています。

 ▽ クリティカルパスとは

クリティカルパスとは、プロジェクト管理において、プロジェクトを完了するために最も時間がかかる経路を指す用語です。プロジェクトの全工程を最短時間で完了させるために重要な作業経路(パス)を指し、プロジェクトマネジメントにおいては、クリティカルパスを守ることに注力するのが重要になります。

クリティカルパスを特定することで、次のようなメリットがあります。

  • タスクの依存関係を管理できる

  • 現実的な期間設定ができる

  • スケジュールの柔軟性を判断できる

  • 完了予定日の遅延防止や工程管理の円滑化につながる

クリティカルパスを特定するには、次の手順に従います。

  1. プロジェクトを完了するために必要となる作業やタスクを洗い出す

  2. 作業分解構成図に基づいて、タスク間の依存関係を確認する

  3. 作業を時系列で示すフローチャート(工程表)であるネットワーク図を作成する

  4. それぞれのタスクがどの程度の時間を要するのか定める

  5. ステップ5で算出された所要時間のうち、最も長い作業シーケンスはどれかを見極める

 ▽ VRとは

VR(Virtual Reality)とは、コンピューターによって作成された仮想空間を現実世界のように体感できる技術や、その考え方を指します。日本語では「仮想現実」とも呼ばれます。

VRでは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれるゴーグルを着用して、顔の向きや傾き、位置に合わせて立体的な映像を映し出します。映像だけでなく音声も全方位から聞こえているように感じる立体音響を採用することもでき、まるで仮想空間の中にいるような感覚が得られます。

VRは、エンターテインメント分野での活用が最も多く、ゲームや音楽のライブなどがあります。また、教育や医療トレーニング、観光や住宅販売など、さまざまな分野で活用されています。

VRと似た言葉に「AR(拡張現実)」がありますが、VRは仮想空間を現実世界のように見せる技術であるのに対し、ARは現実世界に仮想空間の情報を加える技術です。

 ▽ ARとは

AR(拡張現実)とは、現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示し、現実を拡張する技術です。AR(Augmented Reality)の略で、スマートフォンやタブレット、ARグラスなどの製品を通じて利用できます。

ARの活用例としては、次のようなものがあります。

  • ゲームキャラクターを表示する

  • 遺跡の当時の姿を投影する

  • 家具のCGを部屋の中に表示して実際に設置した場合のシミュレーションをする

  • スマートフォンのカメラで商品に向けると商品の情報が表示されたり、2Dのキャラクターが現れたりする

  • スマートフォンのカメラで山を移すと、その山の名前を映像に表示する

ARは、ゲームなどのエンターテインメント分野に留まらず、インテリア、アパレル、マーケティング、製造業、物流業、建設業などさまざまなシーンで活用されています。

ARとよく比較される技術に「VR(仮想現実)」や「MR(複合現実)」などがあります。

 ▽ バッファ工程とは

バッファ工程とは、工程間の仕掛り品を置く場所を指し、ロボットや作業者が工程をスムーズに進めるために設けられます。バッファを設置することで生産効率は向上しますが、容量を増やしすぎると設置スペースが大きくなり、リードタイムも長引いてしまいます。

バッファとは、英語の「buffer」に由来し、「余裕」「緩衝」「ゆとり」などの意味があります。ビジネスシーンでは、スケジュールや予算、人員、在庫などに対する「余裕」や「予備」などを指します。

バッファは、プロジェクトや製造ラインなど、さまざまな場面で活用されています。

  • プロジェクトにおけるバッファは、工程の中で遅延が発生した場合にその遅れを吸収するために設定しておく余裕のことです。

  • インターネットの通信やハードディスク利用など、データの読み書きの場面では、読み書きのエラーや他の作業などの影響で読み書きが間に合わなくなることを防ぐため、一時的にメモリー上にデータを蓄える仕組みをバッファと呼びます。

本過去問記事 [2] より

 ▽ EVMとは

EVMとは、Earned Value Managementの略で、プロジェクトが計画した通りに進んでいるかを、期間ごとの計画値(PV)、出来高(EV)、実績値(AC)の積み上げ折れ線グラフ表示によって管理する手法です。計画値と、出来高や実績値を比較することによりスケジュール差異やコスト差異を一目で把握することができます。

プロジェクト開始時点では見積をもとに計画値であるPV(Planned Value)をプロットし、プロジェクトが経過するとその時点の見積に対する出来高をEV(Earnd Value)、実績をAC(Actual Cost)としてプロットしていきます。

EVMグラフの例

プロジェクトマネジメントにEVMが導入されるようになったのは、1967年に米国防総省の調達規則の一部として制定されたものがきっかけと言われています。
その後、国家的プロジェクトのパフォーマンス改善を目的に何度か見直され、EVMは発展してきました。
そして最終的にEVMは、国家的なプロジェクトのパフォーマンス測定のメジャメント(評価方法)になりました。

 ▽ RPAとは

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、パソコンで行われる事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術です。ルールエンジンやAI、機械学習などの認知技術を活用して、人間が日常的に行っている操作手順を記録し、それを高速で正確に実行します。

RPAのメリットとしては、次のようなものがあります。

  • 業務の効率化や生産性向上

  • 人的ミスの削減

  • 事務作業から解放された従業員のモチベーションの向上

  • より付加価値の高い仕事に集中できる

  • 人手不足の解消

  • 残業代を含む「人件費の削減」

RPAはルーティンワークに適しており、システムやWebサイトからのデータ自動取得、取得したデータの転記、複数データを組み合わせたレポート作成などが得意です。一方、状況を見ながらその都度判断をしなければならないような業務、マニュアル化できないような業務は不得意です。

RPAツールは大きく分けて「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3つに分類されます

 ▽ ウェアラブルデバイスとは

ウェアラブルデバイスとは、手首や腕、頭などに装着するコンピューターデバイスです。ウェアラブル(wearable)は「身に付けられる」「着用できる」という意味の英単語で、ウェアラブル端末やウェアラブルコンピューターとも呼ばれます。

ウェアラブルデバイスには、次のようなものがあります。

  • スマートウォッチ:腕時計型のウェアラブルデバイスで、心拍数などの情報をデータ化できます。

  • スマートグラス:メガネ型のウェアラブルデバイスで、別名スマートグラスとも呼ばれます。

  • リストバンド型デバイス:特定の情報を収集するのに特化しています。

  • 衣服型デバイス:センサーを衣服に取り付けて、心拍数、温度、湿度や加速度などの動きの測定を可能にします。

  • リング(指輪)タイプ:スマートリングとも呼ばれ、指の動きで操作をします。

ウェアラブルデバイスは、用途やシチュエーションに応じて形状や機能が異なるため、選ぶ際は目的やシチュエーションを考慮しましょう。また、身体に付けてもストレスなく使用できるように、小型で軽量に作られている点が特徴です。

本過去問記事 [3] より

 ▽ 建設キャリアアップシステムとは

建設キャリアアップシステム(けんせつキャリアアップシステム、英:Construction Career Up System)は、日本の建設業界におけるクラウドシステムである。通称CCUS。

現場従事者の就業履歴や保有資格をデータベースに記録・閲覧・管理するサービスである。

建設業関連団体等からなる協議会により設立された。国土交通省が主導・監督し、建設業振興基金が実際の運営主体となっている。現場従事者が、能力や経験に応じた処遇を受けられる環境の整備を目的とし、2019年4月1日に本運用を開始した。インターネットあるいは窓口での申請が可能である。

 ▽ パートナーシップとは

パートナーシップ(partnership)には、次のような意味があります。

  • 複数の企業や団体が協力して相互の利益を追求する協力関係

  • 同じ目標や目的に向けて、お互いに信頼し合い、協力し合う関係

  • 欧米で、複数の個人または法人が共同で出資し、共同で事業を営む組織

  • 法律用語としては「共同経営会社、合名会社」や「共同経営者」という意味

パートナーシップは、販促やマーケティングの分野で特に有効で、協力するパートナー間で資源や知識を共有し、共通のビジネス目標を達成するための手段です。

また、パートナーシップ制度という制度もあり、これは同性婚とは異なり法的な効力を持ちません。パートナーシップ制度では、公営住宅に家族として入居したり、生命保険の受取人を指定したり、さまざまなサービスにおいて家族割が受けたり、クレジットカードで家族カードを作ったりすることができます。

 ▽ ファクタリングとは

ファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権や受取手形などの債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、資金を調達するサービスです。法的には債権の売買(債権譲渡)契約に該当します。

ファクタリングには、次のようなメリットがあります。

  • 売掛金の支払い期日より前に資金を調達できる

  • 財務状況に左右されずに利用できる

  • 取引先の貸し倒れリスクを軽減できる

ファクタリングには、次のような種類があります。

  • 買取型:売掛債権を買い取るファクタリング

  • 保証型:売掛債権の回収を保証するファクタリング

  • 2社間ファクタリング:利用者とファクタリング会社の2社間で契約するファクタリング

  • 3社間ファクタリング:利用者とファクタリング会社、取引先の3社間で契約するファクタリング

ファクタリングを利用する際は、次のような点に注意が必要です。

  • 手数料が高すぎると受け取り金額が減ってしまう

  • 違法業者や悪徳業者が存在する

  • 取引先の業績や信用情報によっては資金調達できない

  • 利用にあたって準備が必要な書類が多い


◆ 次回の記事では・・・

R5年度・選択問題Ⅱ-2-1 の解答案メモを作ってみます。

では、また後日!


#技術士
#建設
#筆記試験
#施工計画
#施工設備
#積算
#対策

いいなと思ったら応援しよう!

テツ朗📚R7技術士受験生「建設部門:施工計画・施工設備・積算」
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!