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技術士:建設部門「施工計画、施工設備及び積算」/過去問チャレンジ/R6_Ⅲ-2 [2]

R7年度技術士第二次試験の合格を目指すブログです。

受験部門と科目は・・・
建設部門「施工計画、施工設備及び積算」です。

今回の記事は、
建設部門「施工計画、施工設備及び積算」:R6年度「選択問題Ⅲ-2」
過去問に向き合ってみます。
この問題の主題は「災害応急対策の契約」です。

なお、前回の過去問チャレンジの記事を
以下のリンクに示します。

前回の記事では、
問い(2)の最重要課題を「観点1:積算・精算の妥当性」として、
当設問の解決策および問い(3)の解答案メモを作成しました。

今回の記事では、
問い(2)の最重要課題を「観点2:迅速性と適正性の両立」として、
これ以降の解答案メモを作成します。


◆ 問題文_R6_Ⅲ-2

 建設会社、建設コンサルタント、調査・測量会社等の建設関連企業は、自然災害が発生した直後からインフラ施設の管理者である国、自治体、民間企業等からの要請、指示、委託等を受け、インフラ機能の早期回復や被災影響の低減を図るうえで必要不可欠な役割を果たしている。今後、気候変動による災害の激甚化・頻発化が懸念されるなかで効果的に災害応急対策を実施するには、被災状況に応じて、利用可能な資源を適切に割り当てる等の調整・マネジメントを実施したうえで、適切な契約を行うことが極めて重要である。
 このような状況を踏まえ、施工計画、施工設備及び積算分野の技術者としての経験と知見に基づき、以下の問いに答えよ。
(1)災害応急対策を実施するため、インフラ施設の管理者と建設関連企業が契約を締結するに当たり、投入できる人員や予算に限りがあることを前提に、多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を具体的に示せ。(*)
(*)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で示した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

「日本技術士会HP」より

◆ 解答案メモ

(1)緊急時契約における課題抽出{解答案メモは、前回記事と同じ}

 災害応急対策における契約締結に関して、以下の3つの観点から課題を抽出する。

▼ 観点1:積算・精算の妥当性

・被災直後の現場状況が流動的であり
・標準的な積算基準の適用が困難な中で
  ⇩
緊急対応に要する「費用」の
適正な「積算」「精算方法」を「確立すること」が
課題として挙げられる。

▼ 観点2:迅速性と適正性の両立

緊急性を要する状況下で
 ⇩
適正な契約手続きを実施する必要がある。
 ⇩
 ⇩しかし
 ⇩
通常の契約手続きでは
・時間を要すること
・被害の拡大、二次被害の発生リスクが高まること
が、課題として挙げられる。

▼ 観点3:リソースの最適配分

被災地域が広範囲に及ぶ場合
 ⇩
限られた「人員」「資機材」「予算」を
効果的に配分する必要がある。
 ⇩
 ⇩しかし
 ⇩
被害状況の全容把握が困難な初期段階において、
「適切なリソースの配分が困難なこと」が
課題として挙げられる。

(2)最重要課題の解決策

(1)で示した課題のうち、最重要と考える課題は
「迅速性と適正性の両立」である。
この課題に対する解決策を以下に提示する。

▼ 解決策1:事前協定に基づくスキームの構築

具体的には
災害協定の締結時点で
・工種別の「単価」
・動員可能な「人員」「資機材」等について
  ⇩
事前に合意形成を図り
  ⇩
災害発生時には
迅速な契約締結を可能とする。

また、
・建設業者の「地理的配置」
・保有する「施工能力」
などをデータベース化し、
 ⇩
GIS (Geographic Information System) と連携させることで
 ⇩
迅速な施工体制の確立を図る。

▼ 解決策2:段階的契約方式の導入

具体的には
・初期対応期における「応急復旧工事」については
 「概算契約」による即時着手を可能とし
・その後の「本復旧工事」については
 詳細な調査・設計を経た「確定契約」へと移行する
「二段階契約方式」を採用する。
  ⇩
  ⇩これにより
  ⇩
「緊急性」と契約の「適正性」を両立させる。

▼ 解決策3:デジタル技術を活用した契約手続きの効率化

具体的には
「電子契約システム」の導入により
契約手続きの「時間短縮」を図るとともに
  ⇩
「タブレット端末」「スマートフォン」を活用した
 現場との「情報共有」により
  ⇩
変更契約手続きの「迅速化」を実現する。

また、
「Web会議システム」を活用した
 遠隔での「契約協議」により
  ⇩
・移動時間の削減
・意思決定の迅速化
を図る。

(3)新たに生じうるリスクとその対応策

前問で示した解決策を実行する際に生じるリスクとして、
以下の項目が懸念される。
これらのリスクへの各対応策を合わせて、以下に述べる。

▼ リスク1:事前合意と単価・数量との乖離

事前協議に基づく「契約スキーム」において
想定外の被災状況により
 ⇩
事前合意した「単価」「数量」が
実態と大きく乖離するリスクが考えられる。

この対応策として
「VE (Value Enginerring) 提案制度」の活用により
  ⇩
現場条件に応じた
柔軟な「施工方法の採用」を可能にするとともに
  &
「出来高部分払い方式」の採用により
  ⇩
施工者の「資金繰りリスク」を軽減する。

▼ リスク2:責任範囲の不明確化とコスト管理の複雑化

「段階的契約方式」の採用により
  ⇩
初動対応期から本復旧工事への移行時における
「責任範囲」の不明確化や
  &
コスト管理の複雑化が懸念される

これらに対しては、
・工区分割の明確化
・マイルストーン管理の徹底
  ⇩
  ⇩により
  ⇩
・各段階における「責任範囲を明確化する」とともに
・工事情報共有システム (ASP) の活用
  ⇩
  ⇩により
  ⇩  
・施工プロセスの「透明化」
・関係者間の「情報共有」
を徹底する。

▼ リスク3:デジタル技術導入に伴うセキュリティリスク

・クラウド型電子契約システムの採用による「堅牢性の確保」
・二要素認証等の「セキュリティ対策の実装」
  ⇩
  ⇩により
  ⇩
「情報漏洩リスク」を低減する。

また、
システム障害時にも対応可能な「体制を構築」する。

▼ リスク4:システム障害時の業務停滞

リスク3への対応と同様に
・「情報漏洩リスク」の低減
・システム障害時にも対応可能な「体制を構築」
により、対応する。


次回の記事では・・・

(2)大重要課題を「観点3:リソースの適正配分」として、
解答案メモを作成してみます。


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