技術士:建設部門「施工計画、施工設備及び積算」/過去問チャレンジ/R6_Ⅲ-2 [4]end
R7年度技術士第二次試験の合格を目指すブログです。
受験部門と科目は・・・
建設部門「施工計画、施工設備及び積算」です。
今回の記事は、
建設部門「施工計画、施工設備及び積算」:R6年度「選択問題Ⅲ-2」の
過去問に向き合ってみます。
この問題の主題は「災害応急対策の契約」です。
なお、前回の過去問チャレンジの記事を
以下のリンクに示します。
今回の記事では、当過去問(R6_Ⅲ-2)チャレンジ記事の [1] ~ [3] において、問い(2)の最重要課題を「観点1 or 2 or 3」とした各解答案メモを
一覧表に整理します。
◆ 問題文_R6_Ⅲ-2
◆ 解答案メモを整理
問い(2)の最重要課題を「観点1 or 2 or 3」とした各解答案メモを
下記リンクの一覧表に整理します。
最重要課題をいずれかに決定するだけで、
その後の解答文も異なっています。
◆ キーワード調査
当過去問の解答案メモ作成の過程において、
調べたキーワードを、以下にまとめておきます。
⇩ 本過去問記事 [1] より
▽ 積算とは
積算とは、あらかじめ工事に必要な費用を予測し、工事にかかる全体の費用を積み上げて算出することです。
設計図・仕様書・建物の施工環境などに応じて、実際に使用する材料名や数量をリストアップし、各費用を合算します。
具体的な費用として、人件費や材料費、工事費などが挙げられます。
ただし、同じ工事であっても、建築工事・電気設備工事・機械設備工事・昇降機設備工事など、工事内容によって算出方法に違いがあるため注意しましょう。
具体例として、ケーキを作って売るまでの流れを想像してみてください。
ケーキを作るには、卵や小麦粉など(材料費)がかかります。
また、ケーキを作る人(人件費)も必要です。
さらにはお店の賃料や光熱費、販売にあたって広告費(経費)も必要となるでしょう。
しかし工事業では、ケーキの製造とは異なり、一件ごとの工事によって材料費や人件費、経費が異なります。
このとき積算を行うことで、全体の費用を正確な価格で算出することが可能になるのです。
▽ 精算とは
精算の「精」は、精密・精通・精巧といった熟語で使われる漢字です。
「こまやか」「詳しい」などの意味を持ちます。精算の「算」は計算を表します。
したがって、精算は金額を過不足なく正確に計算する、細かく計算して金額を確定するといった意味をもちます。
「経費を精算する」「運賃を精算」といった金銭に関係する使い方が一般的です。
▽ 災害復旧工事積算標準歩掛とは
災害復旧工事積算標準歩掛とは、災害復旧工事の費用を算出する際に用いられる単価のことです。
災害査定事務を簡素化・合理化するために、被災延長に総合単価(円/m2)を乗じて工事費用を算出します。
災害復旧工事の費用は、通常は積上積算によって算出されます。
東日本大震災の被災地では、資材やダンプトラックなどの不足により標準積算基準と施工実態に乖離が生じていたことから、現場状況を反映した「東日本大震災の被災地で適用する土木工事標準積算基準」(復興歩掛)が適用されていました。これは令和6年6月30日をもって廃止されました
▽ 歩掛(ぶがかり)とは
歩掛とは、作業に必要な手間を数値化したもので、工事の積算や工程づくりにおいて欠かせないものです。
歩掛は、作業現場や材料の種類、施工方法、作業の難易度などによって異なります。
企業ごとに設定しますが、国土交通省が設定している「標準歩掛」を参考にしている企業が多いです。
歩掛を活用することで、次のようなメリットが得られます。
労務費の正確な把握や赤字工事の防止
見積精度の向上
適切な労務費を知ることができる
スケジュール管理ができる
経営強化・現場の効率化
顧客からの信頼につながる
歩掛から算出する工数の単位(作業量)を人工(にんく)といいます
▽ ICTとは
ICT(あい・しー・てぃ)とは、Information and Communication Technologyの略で、情報や通信に関する技術の総称を指します。
IT(情報技術)に「Communication(通信、伝達)」という言葉が入っており、ITよりも通信によるコミュニケーションの重要性を強調しています。
ICTの身近な例としては、次のようなものがあります。
TwitterやLINEなどのSNS、Googleドキュメントなどのデータのクラウド管理システム、Web会議システム、 FAX転送システム。
ICTの概念は1980年代から存在していましたが、ICTという言葉が誕生・定着したのは1990〜2000年頃といわれています。
これは、世界的にインターネット回線が広まり、データ通信・モバイル無線通信が一般化したことで、テクノロジーを用いたコミュニケーションが広まっていったことが原因です。
▽ 積算システムとは
積算システムとは、建築や土木などの業界で、見積もりや積算業務を自動計算・集計するシステムです。
設計書の取り込みや完成した設計書の印刷など、幅広い業務をサポートすることができます。
積算システムを導入することで、次のようなメリットが期待できます。
見積もりや積算をスピーディーに算出できる
正確に効率良く作業を進めることができる
フォーマットが統一されているため、誰にでも操作しやすい
データを一元管理できるため、必要に応じて柔軟にデータを活用できる
積算システムの費用相場は、安いもので100万円程度、高くて200万円程度です。
また、年間保守料として10~20万円程度かかることもあります。
▽ UAV とは
UAV(ユーエーブイ)とは、Unmanned Aerial Vehicleの略で、人が搭乗しない航空機、通称ドローンを指します。
UAVは、軍事や産業などさまざまな分野で使用されており、測量や災害調査などにも活用されています。
建設業界では、空中写真測量やレーザー測量、構造物の点検作業などに用いられています。
UAVには、空撮用の可視カメラや熱赤外線カメラ(サーモカメラ)、レーザースキャナーなどさまざまな機材を搭載することができます。
UAVの飛行に関する航空法では、機体本体とバッテリーの重量を合計したものが100g以上の機体が無人航空機に該当するとされています。
100g未満のものは模型航空機に分類され、無人航空機としては扱われません。
▽ BIM/CIM とは
BIM/CIM(ビムシム)とは、建設や土木プロジェクトにおいて、計画・調査・設計から施工・維持管理までの一連の工程で3Dモデルを連携・発展させ、関係者間の情報共有を容易にする手法です。
BIM/CIMは、ICT(情報通信技術)を活用して、建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。
具体的には、次のような効果が期待できます。
ミスや手戻りの減少
単純作業の軽減
工程短縮
施工現場の安全性向上
事業効率の向上
経済効果の向上
BIM/CIMの「BIM」は「Building Information Modeling」の略で、建築物を対象としています。
一方、「CIM」は「Construction Information Modeling/Management」の略で、土木構造物(橋やダムなど)を対象としています。
日本国内では、建築がBIM、土木がCIMと大まかに分類されていますが、国外では建築や土木関係なくBIMで統一されています。
▽ コストプラフィー方式とは
コストプラスフィー方式とは、工事やプロジェクトの実費(コスト)と報酬(フィー)の合計が最終的な契約金額となる契約方式です。
実費精算契約や実費清算契約とも呼ばれます。
コストプラスフィー方式の特徴は次のとおりです。
発注者は、対象となる工事の詳細が確定する前に工事を開始できる。
受注者は、物価上昇などによるコストの上昇リスクを負わずに、契約に基づいた一定の利益を確保できる。
発注者は、プロジェクトの費用について承認する権限が与えられるため、プロジェクトの費用の明細を把握できる。
▽ クラウドベースとは
クラウドベースとは、インターネット接続を介してリモートサーバーからサービスを利用する形態を指します。
クラウドベースのサービスには、次のようなものがあります。
クラウドベースのアプリケーション:クラウドとローカルコンピューターのリソースを利用するプログラムで、デバイスがオフラインでもアクセスできます。
クラウドベースのセキュリティ:オンプレミスにインストールされたソフトウェアやハードウェアではなく、インターネット接続を介してセキュリティサービスを提供します。
クラウドベースのサービスを利用する場合は、サービスを適切に実行するためにインターネット接続が必要です。クラウドは、ユーザーがインフラやソフトウェアを持たなくても、必要な時に必要な分だけ利用する考え方です。
また、Cloudbaseは、AWSやGCP、Azureなどのパブリッククラウドにおけるセキュリティリスクを自動で診断できるプラットフォームです。
クラウドの構成をスキャンして設定ミスを危険度ごとに表示し、修正方法に関するドキュメントも用意されています。
⇩ 本過去問記事 [2] より
▽ スキームとは
スキーム(scheme)とは、英語で「計画」「案」という意味の言葉で、ビジネス用語として「枠組み」というニュアンスも含まれます。
ビジネスシーンでは、目標を達成するために具体的な方法や枠組みを決めるための構想を指し、次のような意味で使われます。
戦略計画、策略、計略、目論み、企図など
悪だくみや陰謀という意味もあり、どちらの意味においても、なにかしらの目標を達成するために計画を立てるという意味で使われる
ビジネスにおいては、漠然としたビジネスモデルや、構想段階にある枠組みはスキームとは言えません。
具体的な手法や業務手順が決まっていて、すぐに実行に移せる状態を表します。
また、事業スキームと言った場合には、その事業を遂行するためにどの企業、部署が何をするのかを定めた枠組み、構想のことです。
複雑になるビジネス関係をスキーム図で表現することで、理解しやすくなります。
▽ 災害協定とは
災害時応援協定とは、行政機関と民間事業者、各種団体等または他の行政機関との間であらかじめ協定を締結し、災害時における人的・物的支援についての協力を確保するためのものです。
▽ VEとは
VE(Value Engineering)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法です。
VEは、1947年米国GE社のL.D.マイルズ氏によって開発され、1960年頃わが国に導入されました。
当初は製造メーカーの資材部門に導入され、そのコスト低減の成果の大きさが注目されました。
その後、企画、開発、設計、製造、物流、事務、サービスなどへと適用範囲が広がるとともに、あらゆる業種で活用されるようになり、顧客満足の高い、価値ある新製品の開発、既存製品の改善、業務の改善、さらに小集団活動にも導入され、企業体質の強化と収益力の増強に役立っています。
▽ マイルストーンとは
ビジネスにおけるマイルストーンの使い方
昨今では、このマイルストーンがビジネスシーンにおけるプロジェクト管理の用語として使用されています。
ビジネスシーンでのマイルストーンとは、プロジェクトや作業の中間目標地点や節目のポイント地点のことを指します。
例えば、何かのプロジェクトがスタートしたときの「企画案(計画書)決定」までが一つのマイルストーン、そのための「要件定義」までが次のマイルストーンといったイメージです。
一般的にプロジェクトの工程が長期化しそうな場合、複雑になりそうな場合などに使われます。
マイルストーンを設定することのメリットは、プロジェクトまたは作業工程の中でも重要となるポイントがどこにあるのか、遅延が出てしまうとプロジェクト全体に大きな影響を与えるポイントはどこなのかを明確に把握できることです。
マイルストーンごとに進捗や結果を確認することで、万が一トラブルや遅延があってもその次の工程に必要な修正やスケジュールの練り直しが可能になります。
▽ 工事情報共有システム (ASP) とは
工事情報共有システム(ASP)とは、インターネットを利用して受発注者間で工事に関する情報を共有するシステムです。ASPは「Application Service Provider」の略で、インターネット経由でソフトウェアやソフトウェア稼働環境を提供する事業者のことを指します。建設業向けのASPは「建設ASP」と呼ばれます。
ASPの主な機能やメリットは次のとおりです。
スケジュールや大容量データ、図面などのさまざまな情報を共有できる
WEB上で書類の発議・回覧・決裁(電子押印)ができる
書類の整理・管理ができる
過去の書類を検索できる機能があり、文書管理の効率化も可能
移動時間や印刷物の削減につながる
ワンデーレスポンス機能で書類の訂正依頼や回答をメールで送受信できる
国土交通省所管の土木工事においては、全国的に積極的に導入を推進しており、工事の生産性向上に役立っています。
⇩ 本過去問記事 [3] より
▽ MMS とは
MMS(Multimedia Messaging Service)とは、キャリアメールのメールアドレスを利用して、チャット形式でメッセージを送受信できるサービスです。
MMSの特徴は次のとおりです。
長文や画像、絵文字、音声、動画などの幅広いデータの送受信に対応している
同じ携帯電話会社であれば、電話番号を宛先にした送信も可能
既読表示機能がないため、相手がメッセージを開封し、読んだかどうかの確認は不可
受信時も料金がかかる
MMSは、au、ソフトバンク、Y! mobileで提供されています。NTTドコモは対応していません。また、格安SIM事業者の多くはMMSを提供していません。
MMSと似たサービスにメールがありますが、メールはMMSとは異なりキャリアメールに限らずメッセージの送受信が可能な一方、チャット形式でのやり取りには向いていません。
▽ IoT とは
IoT(Internet of Things)とは、身の回りのあらゆるモノをインターネットに接続し、相互に情報を交換するシステムです。
日本語では「モノのインターネット」を意味します。
IoTの技術を活用することで、これまで埋もれていた膨大なデータをサーバー上で処理・分析・連携することが可能になります。
これにより、エネルギー消費の最適化や生産性の向上、健康管理の改善など、さまざまな分野で効率化や問題解決が期待されています。
IoTの活用事例としては、次のようなものがあります。
家電製品や照明などの家電を外出先からスマートフォンなどのデバイスを通じて遠隔操作する
ペット用フードサーバーにIoTを搭載することで、遠隔地からスマートフォンでペットの様子を確認し、適切な量の食事を自動的に給餌する
建物のカメラや工場機材のセンサー部分など、業務用途で活用する
IoTの導入が身近になってきている背景には、センサーやデバイスといった機器、通信インフラ、クラウドサービスの高性能化、低価格化などが挙げられます。
▽ デジタルツインシステムとは
デジタルツインシステムとは、現実世界の環境やモノに関するデータをサイバー空間上に再現する技術です。IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)などの技術を駆使して、現実空間の情報をリアルタイムで収集・送信し、仮想空間上で再現します。
デジタルツインシステムは、次のような活用が可能です。
故障の予測や予防保全:サイバー空間上でシミュレーションを行うことで、将来起こる可能性のある故障や変化を予測できます。
品質保証:ビッグデータ解析や可視化によって、製品の不具合を特定しやすくなります。
コスト・リスク削減:サイバー空間での試作・試験により、開発・設計段階でのコストを削減できます。
製品寿命の判断:リサイクルなどの最終処理を受ける必要がある製品をどうするかを判断する際に役立ちます。
デジタルツインシステムは、製造業や都市など、さまざまな分野で活用されています。また、CPS(サイバーフィジカルシステム:Cyber-Physical System)とほぼ同義で使われることもあります。
▽ マルチキャリアとは
マルチキャリアとは、複数のモバイル回線や通信事業者の無線通信網、周波数帯域などを併用する仕組みや、そのように利用することです。
マルチキャリアには、次のような意味があります。
複数のモバイル回線を併用する仕組みや、そのように利用すること。大手携帯電話会社の通信障害などがきっかけに注目されています。
通信技術に関する分野では、周波数などの性質が異なる複数の電波(搬送波)を利用して情報通信を行うことです。
ITビジネスの分野では、異なる通信事業者の運営する無線通信網や通信方式、周波数帯域を複数利用することを表します。
また、マルチキャリア対応のWiFiは、複数回線に接続できるWiFiのことを指し、別名「トリプルキャリア」とも呼ばれます。
▽ 知識ベースシステムとは
知識ベースシステムとは、コンピューターや人間が扱えるように整理された事実や知識、データ、ルール、ノウハウなどの情報を格納したデータベースです。
知識ベースシステムには、次のような種類があります。
コンピューターによるエキスパートシステム:専門知識を特定の表現形式に基づいて記述したデータベースで、人工知能の一種です。専門家の知識や経験、問題解決能力をコンピュータシステムに移植し、専門家と同等の判断を下すことができます。
企業などの組織に蓄積される知識情報をまとめたデータベース:ナレッジマネージメントのためのデータベースで、特にコンピューター上で検索・閲覧できるよう共有・整備されたものを指します。
知識ベースシステムの構築には、ナレッジマネジメントツールの利用がおすすめです。
企業のナレッジ資産を一元化することで、社員の業務効率や応対品質の向上、企業競争力の向上などが期待できます。
▽ タイムライン型とは
タイムライン型とは、特定の期間やプロセスの中で起こった出来事やアクション、感情などを時系列に整理したものです。
さまざまな場面で活用されており、その例としては、次のようなものがあります。
SNSのタイムライン:フォローしているユーザーの投稿が時系列に表示される機能です。
会議のタイムライン:各自の座席やグループ内で投稿された内容が表示される機能です。
防災行動計画:災害の発生を前提に、防災関係機関が連携して災害時に発生する状況を予め想定し共有した計画です。
プロジェクトマネジメントにおけるタイムライン:プロジェクト開始から完了するまでの全体スケジュールを指します。
タイムラインは、グラフや画像を使って出来事の順番を視覚的に把握することができ、テキストやグラフィックと組み合わせてインフォグラフィックを作成することもできます。
▽ プッシュ型支援とは
国が被災都道府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送しており、これをプッシュ型支援と呼んでいます。
◆ 次回の記事では・・・
R6年度・選択問題Ⅱ-2-1 の解答案メモを作ってみます。
では、また後日!
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