ザミフォーリア救出日記
我が家の近所にカフェに併設された植物専門店がある。正確に言えば二つは同じフロアにありながら別会社、蔦屋にスタバがあるようなイメージだろうか。
初心者マークのお手軽なものからマニア垂涎の数万円の希少種など、狭いながら幅広い品種が置いてあり、非常に面白く私も何品か買ったことがある。
そのお店が長らく開いていない。今までさして気にしていなかったのだが、ふと先日気になってガラス越しに店の中を覗いてみたら植物たちが萎れてきていることに気づいた。何万円のものたちも枯れ始めている。気になったのでカフェの店員さんに聞いてみると、会社の別事業が忙しいとのこと…
初めは水あげに来てたんですけど、とカフェの店員さんは言っていたがもう長らく来ていないのだろう。
思わずこのまま枯れた場合の損失額を考えてしまった。そして当然鉢植え観葉植物は歩けない。ガラス張りで多少の陽こそ多少あたれど風に当たりたくても水が飲みたくても、冷房の下でじっと我慢である。枯れるのは時間の問題だ…そんなことを考えていたら、とても大事な事を思いだした。
数ヶ月前であるがこのお店でそれはそれはセクシーなガジュマルを買った。(余談だがそのセクシーなガジュマルがうちに来てからというもの隣にいるスケベなモンステラが異常な成長を見せている。)
その時もう一つ、ザミフォーリアレイヴンとどちらを買おうか迷ったのであった。このザミフォーリア、葉が黒光りしており、細身の体躯で実にイケメンなのだった。ザミフォーリアのレイヴンなんて名前までイケメンである。新しい仮面ライダーみたいではないか。
このイケメン、イケメンだけあって(?)なかなかお高く、セクシーとイケメン、二つは買うのが躊躇された。私は近所にいるよ、いつかいい人見つけてね…セクシー片手に泣く泣く別れた過去がある。
ああああ!あのイケメン!!まだいるのか?
一度は振ったオトコ(?)を思い出しちゃったのである。あの中にまだいるのだろうか?枯れていないだろうか…カフェの店員さんにお願いし、店内を見せてもらった。彼は、まだいた。土はカラカラ、一本小さな枝がダメになってはいるがまだ元気そうだった。気づけば私はイケメンとピンクのプリティなアグラオネマまで手に取り(なんでやねん。)お会計をしていた。なんか結局高くついたな…と思いながら帰路についたが、これも縁である。辛かった数ヶ月を忘れて、これからイケメンもプリティもセクシーやらスケベやらおすまし顔(これはマドカズラ)に混じって元気になっていただきたい。