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二浪の末路(大学受験)・ぷろろーぐ1
一般入試で旧帝大理系を目指し、二浪した負け組の体験談です。
・現役時代1
私は高二の中頃まで大学受験というものを舐め腐っていました。
「マーチは3ヶ月www」「1年勉強すればマーチ以上はいけるっしょ!」
この頃はこのような妄言を吐いておりました。これから人間未満の
”なれ果て”に成り果てるとも知らずに。
私の通っていた高校は、栃木高校(みんこう偏差値67、栃木県内3番手公立)でした。私が入学した頃は倍率1.05倍、偏差値63程で、私のような中学の勉強もろくにできない凡人未満でも普通に入ることができました。かつ、私の保持していた点数は宇都宮高校(県トップ校)にも合格可能なものであったため、富裕層のボンボンの如く完全に調子に乗っていました。
しかし私の無能さは入学後あまり経たずして露呈します。高校1年の学期末考査では8科目中6科目の赤点を取りました。ほとんど自堕落かつ傲慢な性格による結果であることは明らかなのですが、1つ特出して素養のない教科がここで明らかになります。「数学」です。どん詰まり教科トップオブトップ、文理分けのフィルターであるというのは承知の上なのですが、「自称進学校」では「数学のできる奴がかっこいい」、「数学は全ての道に通ず」というばか丸出し、賢く戦うものを卑怯と嘲笑うかのような害悪思想が充満しており、私もその被害者になってしまいました。つい「数学強者になりたい」と思ってしまったんですよね、、、。
月日が経ち、2年後半(10月)になるまで、、、私は一切勉強しませんでした。アホです。昨今の東大に行く高校生は、この時点で高校カリキュラムを修了し、志望校演習をし始めるものが半数となります。まさに大海を知らない浴槽のバクテリアの如く、都会の受験情勢を知らない多くの地方自称進学生はのほほんとしておりました。この時期になると修学旅行の話が持ち上がってくるのですが、我々は京都に行くことになりました。そしてこの修学旅行を契機として、受験勉強に本腰を入れて欲しいという教師陣の思惑がありました。
京都の街並みは素晴らしいものでした。栄える京都駅周辺のビル群を後にし、神社仏閣へと赴きます。旅行前、教師に「ぜひ京都大学、同志社大学を見てくるといい。受験勉強のモチベが湧くからね。」と提案されていた事もあり、自由時間を削って京都大学の周辺に訪れました。大学と言うものは広いものです。特に有名大ほど。初めタクシーで一周りした際、「ここ一帯は全部京大の敷地だよ。」とタクシーの運転手が言ってるのを聞いて、自分の住んでいた世界の小ささを自覚しました。私が見知っている大学と言えば地元の私立である「白鴎大学」だけ(下記参照)で、それと比べると規模、そしてなんと言っても厳格さ、に途方もない差を感じました。「自分もこの世界に入れるのか?」
今考えれば、ここに通える人間はやはり住む世界が違う、生まれも育ちも全く異なるなんてことは当たり前で、ズバットがボーマンダになるのは無理なことと同じように、根本からこのような大学を志望するのに向いていない人間であったのですが、奇しくもこのようなきっかけで浪人時京都大学を志望することになるのです、、、。
・現役時代2
高校2年生2月時点で、、、私の持っていた模試の成績と言えば、
国語 偏差値50
数学 偏差値44
英語 偏差値47
理科 偏差値35 (進研模試)
というまさに自称進の劣等生。もちろん「この物差しで測れないだけで実は最強…」なんてこともまぁないわけです。進研模試は進学校以外も受けるので、偏差値はまぁ高く出るのです、出るはずです…。つるんでる面子からも流石に引かれました。「E判定はいい判定!!」なんてお互い笑い合ってはいますが心の中では引きつっています。教師も半分諦め気味で、クラス全体に「1年間きちんと勉強すれば地方国立は受かる、だから判定は気にするな!」と伝えておりました。これが自称進の実態です。自称進は東大出身の教師が1人いて、他の教師がそれに逆らえないので、自ずとまるで東大を目指すかようなカリキュラムを形成します。東大に行かない生徒に対しては、勉強についていけない生徒の自己責任として処理します。しかし、トップでなくともそれなりの権力を持っている教師であれば、実態に寄り添ってくれます。2年終わりの時点で、私の成績はクラスの中でドベから2番目でした。私たち自称進の受験は、ここから本格的に動き出します。
そして共通テスト同日模試がやってきます。多くのものが共通テストなるものをここで初体験しました。”しかし”昨今騒がれている「難しい」共通テストのそれではありませんでした。私たちの年度から共通テストは
”急激に”難しくなります。
国語 98
英語R 69
英語L 50
数学1・A 60
数学2・B 59
物理 40 くらい
化学 35くらい
地理B 50
合計 461
覚えている限りの成績ですが、まあ酷いかな、難化前なのに、、、。
私の3年の頃の成績は、、ここから察する域を出ませんでした。
国語 偏差値 53
英語 偏差値 55
数学 偏差値 42
物理 偏差値 40
化学 偏差値 38 (進研模試)
国語 偏差値 48
英語 偏差値 52
数学 偏差値 45
物理 偏差値 40
化学 偏差値 35 (全統模試)
ただ英語の成績はよく(と言ってもお勉強できる勢からするとミジンコレベル)、もしかしたら英語は戦えるレベルに達するのでは?と感じていました。後々考えてみればこれは記号運による上振れでしかないのですが。
数学はお察しです。この頃は教科書レベルの演習を積み重ねればいいものを、自分の能力をとことん見誤って、プラチカという問題演習書(中堅国公立・MARCH~上位国公立レベル)に、書いてある内容もわからずがむしゃらに特攻するという、今聞いても理解不能、傲慢で醜い学習方法をとっていました。これでは成績など上がりません。思うに自分は「過程をすっ飛ばして、ゴールにあるものだけををがむしゃら得れば、少ない労力でゴールに辿り着ける」などという、あたかも自分が天才で、順当に積み上げ型の努力をする凡人とは違うのだという至極思い上がりも甚だしい思考をしていたのです。自称進の人間は、このような愚かな思考をする傾向が少なからずあります。なぜそう言えるのか、それは、中学時代真面目にコツコツ勉強してきた同級生のテストの点数を、たったの一夜漬けで余裕で抜かしてしまうという経験がある人間が多いからです。
この調子で高校生活も佳境に差し掛かり、11月を迎えます。ここで連んでいたうちの一人が芝浦工業大学に推薦合格します。彼の成績は3年を通して良いものでありました。やはりコツコツ努力をしていたものが大学受験で笑うことが許されるのです。この時期では流石に自称進の生徒たちも大学受験の現実を理解し始めます。
あれだけ馬鹿にしていたMARCHは雲の上
地方偏差値63の高校であっても、大学入試の模試の平均偏差値は54
日東駒専、産近甲龍は頑張ってやっと受かるところ
現実的に手が届きうるのは底辺地方国公立
地元の私大にも一定人数排出される(学年30人)
国公立大に進学するのは学年3割
入学した当時は、「自分は上位国公立(横国など)に受かるんだろうなぁ」とぼんやり思っており、「地元の私大には偏差値50未満の高校からしか進学しないんだろうな。」と認識の深刻な誤りを犯していました。
地方の高校偏差値と大学の偏差値の相違など、高卒就職する層を除いた上澄みが進学することを考えれば、簡単に理解はできるのですが、当時の自分はその理解を拒んでいました。
そして迎えた最後の模試。クラス内でも上位3割であった層が、埼玉大、ブロック大下位、MARCHなどを最終志望にし、千葉・横国・筑波はクラス4~10番手、旧帝、早慶はクラス1~3番手、東大は学年で5名が最終志望にしました。私たち一般ソルジャーは下位地方国公立や日東駒専レベルの私立を志望としました。
・終わりの始まり
ここまででお気づきかと思いますが、まっっっっったく理科を勉強しておりません。12月に差し掛かり物理だけでもどうにかならないかと模索しました。学校配布のセミナー物理は分厚く、とても1ヶ月で終わるものではありません。そこで、「物理のエッセンス」といういかにも初学でやれと言わんばかりの薄い参考書にかじりつきました。しかしこれは実は初学向きの参考書ではなく、ここで完全に挫折します。
そして2022年度共通テストを受けました
国語 130 (110)
英語R 85(62)
英語L 78(59)
数学1・A 34(37)
数学2・B 40(43)
物理 62(61)
化学 35(48)
地理B 70(59)
合計 534(510) (平均)
この年の数学は「バカむずい」としか言いようがありませんでした。時間に見合わない異質な量、はじめての本番に対するかつてないほどの焦りが完全に判断を狂わせます。アオアシラの狩猟任務だと思って来てみれば、イビルジョーが乱入してきて蹂躙されるような出来事です。あの試験場で数学の時間に正気を保っていられた人間はノー勉のバカ以外存在しなかったでしょうし、全国規模で見ても、灘、開成といった超絶怒涛の進学校の超上澄みだけだったでしょう。試験場で泣き出す子もいたそうです。我々は浪人を確信しました。
私の共通テストの結果は散々なものでした。採点する際、正気を失っており、この結果がどの立ち位置に該当するかもわかりませんでした。
、、、これを踏まえて私の受験校は
私立 芝浦工業大学 東京電機大学
国立 前期:宇都宮大学 基盤工
後期:茨城大学 工(フレックス)
に決定しました。色々これについても言いたいことがあるのですが、
長くなってしまったので次回にします。
続く