Empress's abundance〜本当の豊かさ〜
タロットカード的には順番が前後してしまうが、3番の”Empress”(女帝)
ここでの心構えは、とても見落としやすいポイントだと思う。
なぜ順番を逆にしたかというと、”Emperior“の行動には「いちいち勇気がいる」ということを先に知ってもらいたかったから。
そしてそんな勇気と同じくらい必要なことが、この段階にある。
「育つのを待つこと」だ。
“Empress”とは豊かさ、恵み、収穫、成就など、とても華やかで幸運なカード。「安泰」だと約束してくれるような女帝の姿がそこにある。
だけどここで”Emperior”の時間を思い出してほしい。いちいち勇気を出して打ち出しては自分を乗り越え、その積み重ねにより真の”Emperior”になると書いた。
積み重ねる時間がどうしても必要なのだ。
成功してる人を見ると最初から成功してるように錯覚してしまうものかもしれないが、誰だって初めは見向きもされない体験をする。
見向きもされないから努力をするし、腕を磨くことの大切さを知るのだ。
自分の小ささを味わい、謙虚さを学ぶステージでもある。
“Empress”は豊かさの象徴だけど この意味はとても深く、いわゆる「華やかな成功」というのはひとつの側面に過ぎないことを教えてくれる。
“Empress”が授けてくれる豊かさとは、「育むことの意味」である。
本当に真に迫る創造がしたいなら、結果を焦ってはいけない。
いい土を用意して、せっせと耕し、ようやく種を蒔く。
水やりをかかさず、必要なら肥料を与え、育つことをただ待つのだ。
植物は自分の育つ速度に文句を言うだろうか。
双葉のうちから花を咲かせようとしても無理なのだ。小さな双葉には花を支えるだけの強さはない。
だけど時間をかけて育っていくと、すべてを支えるだけの根が育つ。
その時には、どれだけ葉が繁っても、どれだけたくさんの花が咲いても、堂々と真っ直ぐに立つことができる。
根は、まるで謙虚さのようだ。
自分にも他者にも、やっていることにも感謝を持っている姿だ。
その姿こそが豊穣の女神“Empress”だろう。