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さよならハローマック

新名神高速道路の開通が4年遅れるというニュースを見た。(計画そのものが10年凍結していたんですね。)

用地買収に時間が掛かったことも要因のひとつだそう。
それで思い出したことがある。

現在の高速道路予定地周辺に「第二名神反対」という看板があった。
子供の頃だったから「第二名神」がなにかよくわからなかった。

その看板の近くには「おもちゃのハローマック」という夢の国が存在した。そうおもちゃ屋だ。

プラレールが何段にも積み重なった光景はいまだに忘れない。あのときから自動車派ではなく鉄道派だった。

ハローマックは自分が欲しているものが目の前にあるのに自分のものにならないということを味わった場所でもある。

あの場所で自分を含むたくさんの子供が泣き笑いしたに違いない。
しかし、少しずつ背が伸びるにつれハローマックから自然と足が遠のいた。

そして、ハローマックは僕が14才のときに閉店した。
ハローマックの建物は特徴的で一部が煙突のように高くなっている。
そこにはハローマックのキャラクターであるライオンがいたが閉店時には既に色褪せ消えかかっていた、気がする。

ライオン囲うよう施されたピンクも子供の頃は林家ペー・パー子くらいの濃いピンクだったのに、閉店時にはかまぼこのような薄ピンクになっていたと記憶している。いや、完全にかまぼこピンクだった。
(そもそもなんでかまぼこはピンクなんだろう。)

その後、ハローマックは楽市楽座という酒屋になった。

シンボルだったライオンは五山の送り火くらい大きい「酒」という文字に変わり、かまぼこピンクの塗装は空よりも濃いブルーになった。その濃さはもうヒステリックなほどだった。

酒屋になったそこは大人がついていく場所から子供がついていく場所に変わった。
大学生になったあとの僕も炭酸水や梅酒など買うために楽市楽座に通った。恐らく、いや確実にハローマックより通った。

さらに月日が経ち、地元を離れたあとひさしぶりにその場所に訪れると楽市楽座も閉店し、あの特徴的な建物は解体され、ごくごく普通のマンションが建っていた。

あらゆることで時が経ったことを実感するが、街の移り変わりが1番身に染みてわかる。
数年後にはあの周辺の地下には高速道路が走る。その際はハローマック跡ICでも作ってくれないだろうか。

さよならハローマック…と思いながらMac Book Proでここまでの文章を書き終えた。


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