高級炊飯器 各メーカの特徴
最近は高級炊飯器のことを考えている。
高級炊飯器は、最新のものだと新品で12万円くらいの価格帯のものだ。型落ちの製品だと6万円台や、もうすこし安く買えるものもある。
色々なメーカから出ている中で、どうも象印の炎舞炊きが良いという話を聞くのだが、各社特徴があるようなので、まとめてみたい。
米を美味しく炊く条件
炊飯器で米を美味しく炊く条件はある程度分かっており、各社が(特許の関係もあって)色々な方法でそれを実現している。
その条件とは①高温で炊く、②ムラができないように炊くである
①高温で炊く
内窯をいかに高温にするかは各社が色々な方法をとっている。
内窯の素材によって熱の加わり方が異なるため、そこで各メーカが違いを出している。
また、水は100℃で沸騰するのでそれ以上の温度にならないが、加圧すれば沸点が上がり、100℃より高い温度で炊くことができる。
そのため、高級炊飯器は(三菱電機を除いて)加圧IHという方式を採用している製品が殆どであるが、この圧力に関する技術も各社によって異なる。
②ムラができないように炊く
内窯の中に対流を起こし、米を混ぜながら炊くことで、ムラを出さずに炊くことができる。その方法にも各社の特徴がある。
また、素材によって熱の伝わりやすさが異なるので、ここでも内窯の素材が関係してくる。
各社の特徴
⓪ 各社共通
・最大5.5合と1升の2製品が用意されていることが多い。製品によっては3.5合や4合もラインナップされている。少なく炊いても必要な電力はあまり変わらないので、必要以上の容量を買うと電気代が無駄になる。
・デフォルト設定では、やわらかめ/かため/もっちり/しゃっきりのような炊きあがりの違いはあるらしいが、高級機にもなると炊き分けができるので気にしなくてよさそう。
・米の銘柄によって炊き分ける機能は必要なさそうなので割愛。
① 象印 炎舞炊き
・炊飯器シェア国内1位で、台湾でもトップらしい。迷ったらこれを買っておけばよさそうなモデルその1。
・IHコイルをモデルによって4-6か所に複数配置し、ローテーションIHで加熱場所を切り替えることで、窯の中で対流を起こしてムラなく炊き上げる。
・炊飯後に感想を入力することで好みの炊き方に調整していくわが家炊きという機能がある。
・コンパクトな4合炊きがある。
・現行製品は内窯にはあまりこだわっていない。
・東京駅と難波駅の象印食堂で炎舞炊きが体験できる。
② タイガー ご泡火炊き
・内窯に土鍋を使っていることが特徴。土鍋は蓄熱性が高く、高温を保ったまま炊ける。しかし、土鍋は脆いので扱いに注意が必要となる。
・独自開発の「ハリつやポンプ」からの風で吹きこぼれを防ぎ、最大加熱時間を延長(連続ノンストップ加熱)している。
・1合炊き用の中蓋があり、1合でも美味しく炊ける。
③ パナソニック おどり炊き
・迷ったらこれを買っておけばよさそうなモデルその2。
・窯の回りを包むようにIHコイルを上下に6層配置し、加熱場所を切り替えることで、窯の中でおどらせてムラなく炊き上げる。(やっていることは象印と同じ)
・可変圧力で加圧と減圧を繰り返し、減圧時に急激な沸騰を起こして窯内の米をおどらせることでムラなく炊き上げる。(減圧すると水の沸点が下がり、沸点以上の熱が沸騰に使われる)
・内窯にダイヤモンドコーティングが施されており、熱伝導性が良い。
・炊きあがりに220℃の高温スチームをかけ、米をコーティングして旨味を閉じ込める。保温時と再加熱時にもスチームを使用し、パサつきを抑える。ただしスチーム用の水容器があり、洗い物が増える。 →型落ち機種にはあったが、現行機種にはない機能のようだ。
③ 東芝 炎匠炊き
・「えんしょう」炊きだと思っていたが、「ほのおたくみ」炊きが正しい。
・最上位機種には内回りと外回りのIHコイルがあり、それぞれを切り替えることで対流を起こしてムラなく炊き上げる。(象印・パナソニックと同じ)
・業界トップクラスの1420Wの大火力で炊く。(他社より200Wくらい高いが、個人的には電気代が心配)
・内窯を真空にすることで、水に浸す時間を短縮でき、炊きあがりまでの時間も短縮できる。保温時も真空にできるため、保温性能が高い。ただし、真空ポンプの音が気になるかもしれない。
・水の硬度によって炊き分けられる機能がある。
④ 三菱電機 本炭直火炊き
・高級炊飯器の火付け役。
・内窯に本炭窯を使っていることが特徴。本炭窯は発熱性が高くて温度のムラがない。しかし、強度の関係で本炭窯の扱いには注意が必要となる。
・伝統的なかまど炊きでは、窯に圧力はかかっていないので、それを再現するためにあえて圧力をかけていない。圧力をかけないと米の粒感を損なわずに炊くことができる。
・沸騰時に吹きこぼれないような特許技術を持っており、高温の沸騰状態を維持できる。
個人的に買うなら
ここまで書いたが、もし私が買うなら当初の予定通り、象印の炎舞炊きにしようと思う。
タイガーの土鍋と三菱電機の本炭窯は手入れに気を使いそうなので除外したい。
象印とパナソニックと東芝で決定的な違いがあるわけではなさそうだが、5.5合も要らないので、4合炊きモデルがある象印がよいかと思っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?