オーディオテクニカから"軟骨"伝導イヤホンが発売
2022年10月14日に、オーディオテクニカから軟骨伝導イヤホン「ATH-CC500BT」が発売された。
Shokzの骨伝導イヤホンを買おうか考えていた最中だったので、発売後のレビューなどで調べてみた。
結論としては、Shokzの骨伝導イヤホンに比べて音質が良く、音楽を聴く用途には向いており、バッテリー持ちも良いが、サイズが全体的に大きいところがネックになりそうだ。
ただ、実機を見たり聴いたりはしておらず、購入前には試しに装着してから選ぶ必要はあるだろう。
骨伝導と軟骨伝導
まず軟骨伝導とは何なのか。
気導経路
通常人間は音を聴く時、空気の振動を耳で感じ取っている。
空気振動により、鼓膜が振動し、耳小骨を通って蝸牛(かぎゅう)という器官に伝わることで、我々は音を聴いている。
経路を書くと、空気の振動→鼓膜→耳小骨→蝸牛(かぎゅう)→リンパ液→有毛細胞→聴神経→脳という順で感知している。これを気導経路という。
骨伝導
それに対して骨伝導は、骨の振動を直接蝸牛に伝えている。
気導経路と比べると、鼓膜や耳小骨を通らずに音が聞こえていることになる。
軟骨伝導
肝心の軟骨伝導はというと、軟骨の振動が外耳道で空気の振動になり、それが鼓膜に伝わるという方法を取る。
通常の気導経路と同じく、空気が振動し、鼓膜を通じて音が聞こえているという点がポイントだ。
これにより、聞こえ方が自然になり、音質の向上にも繋がってくる。
軟骨伝導のメリット
音質が良い
骨伝導イヤホンは、カナル型イヤホンのように耳を塞がず、いわゆる「ながら聴き」ができるが、左右の音声が頭蓋骨で合成されてしまうので、ステレオ感が得にくく、一般的に聞こえる音は悪いとされる。
それに対して、軟骨伝導イヤホンは、耳を塞がないのにもかかわらず、左右それぞれの鼓膜を振動させることで、よりステレオ感のある自然な聴き心地になるようだ。
軟骨伝導イヤホンは、普通のカナル型イヤホンに音質では敵わないにせよ、骨伝導イヤホンの音質を改善したものと言える。
圧迫感が少ない
また、軟骨伝導イヤホンは、骨伝導イヤホンほど骨を圧迫して振動させなくてもいいので、こめかみが締め付けられる痛みが出にくいとされる。
ただ、これは実際に長時間着用してみないと分からなさそうだ。
オーディオテクニカ 軟骨伝導イヤホン「ATH-CC500BT」 vs Shokz 骨伝導イヤホン
ここからは、オーディオテクニカの軟骨伝導イヤホン「ATH-CC500BT」をShokzの骨伝導イヤホンと比較していきたい。
バッテリー持ちが良いが、サイズが大きい
「ATH-CC500BT」のバッテリーは音楽再生時は20時間も持つ。
Shokzはそれより短く、最上位モデルである「OPENRUN PRO」でも同じ音楽再生時で10時間しか持たない。
バッテリーは「ATH-CC500BT」の方が優れているが、おそらくその分、ネックバンド部分のサイズがShokzより大きくなっている。
また、耳(軟骨)に当たるスピーカー部分もかなり大きく分厚い。安定感はあるのかもしれないが、不格好に見える。
それぞれ画像を見ても分かりにくいと思うので、以下のブログを参考にされたい。
高音質のコーデックに対応
コーデックについては、Shokzの骨伝導イヤホンはSBCにしか対応していないところ、軟骨伝導イヤホン「ATH-CC500BT」はより高音質なaptX HD・aptX・AACにも対応している。
やはり音質という面では、「ATH-CC500BT」の方が優れていると言える。
最大音量が低そう
レビューを見ていると、「ATH-CC500BT」は最大音量が低いという声が多くあった。
スピーカーの仕様を見てみると、「ATH-CC500BT」の感度は98dBとなっている。Shokzが105dB(+/-3dB)であることを考えると、やはり最大音量は低いと言える。
そのため、周りが騒がしくても聞きやすいのはShokzの骨伝導イヤホンと言える。
結論:音楽を聴くには軟骨伝導の「ATH-CC500BT」が適する
色々見てきたが、軟骨伝導イヤホンの「ATH-CC500BT」はオーディオテクニカらしく音にこだわっており、やはり音楽を聴くかどうかが選ぶポイントになるように思える。
そういう私は音質に拘らないし、イヤホンでは音楽よりも人の声を聴くことの方が多い。
見た目のスリムさを考えると、結局ShokzのOPENRUNを選ぶということになりそうだ。