電動歯ブラシの選び方(パナソニック・フィリップス・ブラウン)
先日電動歯ブラシを購入してみたのだが、メーカーが色々あり、メーカーの中でも機種が多くて選ぶのが大変だったので、情報を少し纏めてみることにした。
最終的に私はフィリップスのソニッケアー プロテクトクリーン プレミアムを購入した。当面は手磨きと併用するつもりだが、電動歯ブラシは手を動かさなくていいので疲れないし、強すぎる力で磨くのを防ぐことができたりと、色々とメリットがあった。
どんなメーカーがあるか
電動歯ブラシの代表的なメーカーは次の3つと言えるだろう。
他にもオムロンなどの多数のメーカーがあるのだが、きりがないのでこの3ブランドに絞って比較していくことにする。また、以下ではメーカー名呼びで統一することにする。
・パナソニック ドルツシリーズ 5,500円~29,000円
・ブラウン オーラルBシリーズ 5,500円~22,500円
・フィリップス ソニッケアーシリーズ 5,000円~30,000円
ブラッシングの方式
まず気にしなければいけないのが、ブラシの動く方式になる。各メーカーの方式は以下の通り。
・回転式:ブラウン
・音波振動式:パナソニック、フィリップス
ブラウンがブラシを回転させて磨くのに対して、それ以外は音波によってブラシを振動させる方式を取る。
・ブラウンは回転式
回転式を採用するブラウンのブラシは丸形になっており、これで歯を包み込む。そしてブラシ自体を両方向に回転させ、上下運動も加えて歯垢をかき出す。この方式は物理的な動きが大きいために洗浄力が高い。
しかし、回転式はその反面歯茎を傷めやすいと言われる。ブラウンだけではないのだが、対策として上位機種に押し付け防止センサーが付いており、過度な圧力が加わった時にブラッシングの力を自動的に弱めてくれる。
・パナソニックは横+叩きのW音波振動
同じ音波振動式といってもメーカーによって特色があり、パナソニックは歯に対して横方向に動く「ヨコ磨き」が基本となる。これに上位モデルはブラシを歯に押し付ける方向に動かす「タタキ磨き」が加わり、これをW音波振動と呼んでいる。
「ヨコ磨き」で歯周ポケットを磨き、「タタキ磨き」で歯間の奥の歯垢を除去するという考え方だ。
なお、「ヨコ磨き」を採用しているのは、歯磨きの手法である「バス法」と「スクラビング法」がブラシを横に動かすかららしい。
・フィリップスは縦振動と音波水流が特徴
フィリップスのブラシ振動方向はパナソニックの横と90度違い、言うなれば「タテ磨き」になる。そして特徴的なのは音波水流といって、振動で口の中の唾液の流れを作り出し、ブラシの振動で浮かせた歯垢を効果的にかき出すことができる。
縦方向の振動で音波水流を作り出しているような気がするが、実際のところは分からない。パナソニックも画像を見る限り「タタキ磨き」で同様の効果を発生させているようにも見える。
・音波振動式が無難
回転式は歯茎を傷める可能性が高いため、洗浄方式の観点から言うと、歯茎が弱い人や知覚過敏の人は音波振動式のパナソニックもしくはフィリップスを選んでおいたほうが無難だと思われる。
ブラッシングモード
どのメーカーでも上位機種になるほどブラッシングのモードが増え、最上位機種には舌磨きモードなんかもあったりする。
以下に対応モードを記載する。こう見るとフィリップスの機種の多さが目立つ。
ブラウン
・PRO500:①クリーン
・PRO2000:①クリーン ②やわらかクリーン
・スマート5000/7000:①クリーン ②やわらかクリーン ③プロクリーン ④ホワイトニング ⑤歯茎ケア
・ジーニアス9000/10000:①クリーン ②やわらかクリーン ③プロクリーン、 ④ホワイトニング ⑤歯茎ケア ⑥舌クリーニング
パナソニック
・EW-DL35(ヨコ磨き):①ノーマルモード ②ソフトモード
・EW-DL55/EW-DA43(ヨコ磨き):①ノーマルモード ②ソフトモード ③ガムケアモード
・EW-DP33(W音波振動):①ノーマルモード ②ソフトモード ③Wクリーン
・EW-DP53(W音波振動):①ノーマルモード ②ソフトモード ③Wクリーン ④ステインオフモード ⑤Wガムケアモード
フィリップス
・クリーンケア/イージークリーン/プロテクトクリーン:①クリーン
・プロテクトクリーンプラス:①クリーン ②ガムケア
・ガムヘルス:①クリーン ②ガムプラス
・プロテクトクリーンプレミアム:①クリーン ②ガムケア ③ホワイト
・エキスパートクリーン/ダイヤモンドクリーン 9000/ダイヤモンドクリーン スマート 4モード:①クリーン ②ガムヘルス ③ホワイトプラス ④ディープクリーンプラス
・ダイヤモンドクリーンスマート/ダイヤモンドクリーン ディープクリーン エディション:①クリーン ②ガムヘルス ③ホワイトプラス ④ディープクリーンプラス ⑤舌磨き
・パナソニックのホワイトニングモードは最上位機種のみ
パナソニックには最上位モデルにしかステインオフモードが無いので、ホワイトニングモードが欲しいが予算を落としたい場合、ブラウンかフィリップスが検討に上がってくることになるだろう。
ただ、パナソニックの下位機種でもホワイトニング用のブラシは使えるので、それで済ますこともできる。
いずれにせよモードが多すぎても使いこなせないと思うので、必要最低限のモードが付いている機種をベースに選定すればよいだろう。
替えブラシの種類
当然だが異なるメーカーのブラシは装着できないため、同じメーカーのブラシから選ぶしかない。ブラシの種類は色々あるが、乱暴にまとめると以下の5タイプに分かれると言っていいだろう。
① 歯垢除去タイプ
② ホワイトニングタイプ
③ 歯茎ケアタイプ
④ 歯間ケアタイプ
⑤ 舌磨きタイプ
各メーカーのブラシ種類を文字でまとめるとめんどくさかったので、エクセルで表にしてみた。いずれも詳細はメーカーのウェブを参照して欲しい。(ブラウン、パナソニック、フィリップス)
・ブラシのラインナップは大差ない
ブラウンに舌磨きタイプが見当たらなかった以外は全てのタイプが揃っている。ただ、パナソニックのシリコンブラシのような特殊ブラシが使いたい人は考慮する必要がある。
ちなみに安価な互換ブラシもあるが、性能は劣るだろうし、自己責任になるので注意が必要だ。
ブラシのランニングコスト
ブラシを交換する頻度はどのメーカーとも3ヶ月が推奨だが、替えブラシの価格によって、長期的に見たランニングコストが異なる。ブラシの種類と購入場所によって価格が異なるが、ここでは現時点のアマゾンでのスタンダードな歯垢除去タイプの価格を基準に計算したい。
・ブラウン: ベーシックブラシ、 3,662円 / 5本 = 732円
・パナソニック:極細毛ブラシ、 2,690円 / 6本 = 448円
・フィリップス:プレミアムクリーン、4,064円 / 3本 = 1,354円
・パナソニック→ブラウン→フィリップスの順で高くなる
国内メーカーらしく(?)パナソニックが最も安い結果になった。それに対して最も高いのがフィリップスになる。1年間で4本使用するとして、パナソニックとフィリップスの価格差は年間3,624円になる。
これが高いか安いかは人によって評価が分かれるだろうが、気になる人はパナソニックを選ぶのが無難かと思う。
ちなみにフィリップスのブラシが高いのはRFIDチップを埋め込んでいるからと推測している。RFIDでブラシ前回使用したモードと強さを記憶させているので、次回使う際に自動で呼び出してくれるのだ。また、総使用時間も記憶しているので交換時期も教えてくれる。
スマホとの連動
ブラウンとフィリップスの上位機種はBluetoothでスマホアプリと連動し、磨いている時にサポートしてくれる。
両メーカーともに、主な機能は以下の通り。
・各部分を適切な時間で磨けるようにガイドしてくれる
・ブラシ位置を検知して、磨き残しがある部分を表示してくれる
・ブラシを押し付け過ぎている場合やブラシを動かし過ぎている場合に、アプリ上で表示してくれる
スマホを見ながら磨くのがめんどくさいので、個人的には要らない機能だと思っている。なお、パナソニックにはアプリは存在しない。
結局どれを選べばいいのか
それは人によると言ってしまえばそれまでなのだが、一般的には以下のように当たりを付けて検討することができるだろう。
・歯茎が弱いか知覚過敏の人 → 音波振動式のパナソニックかフィリップス
・ホワイトニングモードが欲しい → ブラウンかフィリップスなら安くなる
・交換ブラシは安い方が良い → パナソニック
・スマホと連動してガイドを受けたい → ブラウンかフィリップスの上位機種
私の場合は、知覚過敏なので音波振動式のパナソニックかフィリップスに絞られ、ランニングコストは気になるレベルではないし、ホワイトニングモードがあった方が良いと思ったので、パナソニックではなくフィリップスの対応機種にした。
もしこれから電動歯ブラシを買おうと思っている人の参考になれば幸いである。
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