三人吉三と庚申塚〜南座•顔見世興行によせて
今年も京都南座顔見世興行の季節がやってきましたね。
南座にまねき看板が上がると、もう師走か!と実感いたします。
南座顔見世興行にはサブタイトルがありまして、その名も「東西合同歌舞伎」
東西の役者が揃い、江戸歌舞伎、上方歌舞伎が同時に味わえるというのが、南座顔見世の趣旨です。
とはいうものの、なぜか、今回上方歌舞伎はないのですが、、、、新作歌舞伎,江戸歌舞伎に、新歌舞伎、舞踊というラインナップです。
しかしながら、関西であまりかからない、江戸前のお芝居が観られるのは、イイですねぇー。
さて、今回は、上演される演目から、江戸歌舞伎の名作「三人吉三巴白浪」大川端庚申塚の場を取り上げてみたいと思います。
庚申塚の場の意味するところ
このお芝居は、吉三という同じ名前を持つ三人の盗人の出会いを描いたもので、三人が出会うのが、江戸・両国橋にほど近い大川の端にあった庚申塚です。
当時、この庚申塚はあちこちに建てられたようで、干支にまつわる俗説が関係しています。
昔ながらのカレンダーには、日付の下に「きのえとら」「かのえとら」などと書かれてあるのをご覧になったことはありませんか。
これは十干十二支(じっかんじゅうにし)を表したもので、十干(じっかん)は、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)といった陽の気を表すもの。そして、十二支は、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)といった陰の気を表すもの。この陰陽二つを組み合わせた、60通りが、十干十二支「干支」というわけです。
ちなみに、この干支の組み合わせ。60通りが一巡して、元の暦(こよみ)にかえります。つまりこれが還暦で、60歳で還暦のお祝いをするのは、こういうところから来ています。
この干支は、それぞれの年、一日一日のそれぞれの日に当てられています。
さて,庚申塚に話を戻しましょう。
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