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【R4予備論文】民訴 設問1 答案検討

①My 答案

第1 方法①の適法性について
 1. 当事者能力が認められることを前提に、当事者適格はあると言えるか。
 2. 当事者適格とは、訴訟物につき自ら当事者として訴訟追行し、本案判決を求めることができる資格をいう。
 そうであれば、当事者適格の有無は、訴訟物につき誰が当事者として訴訟追行をし、誰に対して本案判決をするのが、紛争の抜本的・早期解決に資するか、という観点から判断するのが妥当である。
 3.(1) 本問でXは権利能力なき社団であり、財産につき権利義務の主体とはなり得ない。しかしながら、Xが20年ほど続く愛好家クラブであり、構成員が甲土地を共同利用していることを考えると、個々の構成員よりも、Xに当事者適格を認めることに方が、紛争の一回的・抜本的解決に資すると言える。
  したがって、Xは、その構成員の意思により授権された任意的訴訟担当者となる。
  (2) そして、Xの代表者Aに訴訟追行が認められるためには、総有権確認訴訟が財産処分に類する効果をもつことに鑑み、団体内の規定手続により授権されていることが必要と解する。
  本問では、Xの規約により課される3分の2以上の同意という要件を満たしているから、Aによる訴訟追行は認められる。

第2 ②の適法性について
 1. Xの構成員らが原告となる場合、当事者適格は認められるか。本問ではCとその周辺からの反対が見込まれ、Xの構成員内に利害対立が存するところ、全員が当事者となる必要はあるか。同訴訟が固有必要的共同訴訟(40)か否かについて検討する。
 2.(1) この点、固有必要的かどうかは、(ⅰ)実体法上の管理処分権の帰属態様を中心として、(ⅱ)訴訟政策的観点も加味して、合一確定の必要があるか否かにより決する。
  (2) まず、総有権は実体法上、構成員全体に1つの権利として帰属する権利であるため、Xの全員に当事者適格を認めるべきである((ⅰ)充足)。また、訴訟政策の見地からも、Xの全員を当事者とするのが一回的解決に資し、妥当である((ⅱ)充足)。
  (3) 以上より、本件訴訟は、Xの構成員全員を当事者とすべき固有必要的訴訟である。
 3.(1) もっとも、Cの周囲含め全員が原告として訴訟に関わることは現実的に期待ができないところ、その必要はあるか。
  (2) ここで、全員が足並みを揃えることを要せば、訴権保護に失する一方で、反対する者にも訴訟手続の機会を与える必要はある。
  (3) よって、訴訟提起に反対する者も、被告として同手続に加わっていれば、全員が当事者として手続保障を享受することができ、固有必要的共同訴訟として適当である。

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