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クロスのヤニ・黄ばみと煩悩を漂白する

■はじめに


ヤニに汚れた薄黄色のクロス。

10年以上ピースのヤニに晒された壁は、たとえ一度も換気扇を止めた事が無いこの部屋でさえも黄ばみ、暮らした歳月を教えてくれる。
まるでピースに染まった家である。

ピース

なぜ、ヤニを落とそうとしたのか。
それは彼女を家に連れ込む際、ヤニ臭かったり黄ばんでいたら雰囲気が台無しになってしまうからだ。

いや、彼女はいない。ヤニと一緒に邪な思いも落としてしまおう。

なお、前提として賃貸の場合のクロスは(貸主資産である事を理解し)その減価償却期間を加味しつつ補修・清掃を考えるべきであろう。

■ヤニ落とし洗剤


さて、まず「ヤニ落とし 洗剤」で調べて良さそうな洗剤を購入し使ってみる。
「プロ仕様」なんだからプロ級の洗浄力があるはずである。

友和ホームケアシリーズ ヤニ汚れ用


壁にたっぷり吹き付けてクロスファイバータオルで水拭きしてみる。
泥遊びをした後の様な茶色の水が滴り落ち、劇的に綺麗になった。臭いもそこまで強くない、使いやすい製品だった。

基本的にタバコのヤニ汚れは酸性である事が多い。よってアルカリ性の洗剤であればある程度落とす事が出来た。

しかしながら、長年ついた色素は完全に除去する事は出来なかった。
プロにはなれなかった。

■キッチンブリーチ


調べていくとキッチンブリーチで漂白して落とす事が出来るらしい。

ミツエイ ニューキッチンブリーチ

すぐさまコンビニでキッチンブリーチを購入し、クロスの漂白に取り掛かった。

クロス漂白セット

■準備したもの

・キッチンブリーチ
・ゴム手袋
・キッチンペーパー
・タッパー
・クロスファイバータオル(中性洗剤をつけておく)
・(養生用の)ビニール袋
・(目を保護する)眼鏡
・マスク

■作業手順


①:窓を開け、換気扇を付け十分に換気を行う
②:漂白エリアを決定、床にブリーチがこぼれない様ビニール袋で養生をする
③:ゴム手袋・マスク・眼鏡をしキッチンブリーチをタッパーに少量入れる
④-1:キッチンペーパーを浸し、クロスに貼っていく

キッチンペーパーをブリーチに浸す
漂白したい箇所に張り付ける(下から上に)

キッチンペーパーは比較的厚手のモノである方が良い。浸した後のキッチンペーパーは非常に破れやすいからだ。
又、浸す事で非常にキッチンブリーチが垂れやすくなっている為、注意が必要だ。
目に飛んだりしたら目も当てられない。

貼る順序は下から上に貼っていった方が良い。垂れによる漂白ムラが出にくい

タッパーに浸す方法はキッチンペーパー全体に浸みわたる為ムラ無く漂白する事が出来たが、逆に過剰に使うことになる為消費量が激しい。

よって他の方法も実施してみた。

④-2:キッチンブリーチをスプレーに入れ、キッチンペーパーの上から吹き付ける

なお、基本的にキッチンブリーチには以下の様に他スプレー容器に詰め替えて使わないで欲しいと注意書きがある。危険性は十分留意した上で利用する。

キッチンブリーチ注意書き

クロスに乾いた状態のキッチンペーパーを当て、キッチンペーパーの上から(目の位置はスプレー位置よりも高い位置にして)噴射して貼り付けてみた。

確かにタッパーで浸すより利用量は少なく、垂れる事も減った。しかしながらどうしても浸みに偏りが出来てしまい、クロスの漂白にムラが出来てしまった。
あまり良い方法とは言えない。

④-3:キッチンブリーチをスプレーに入れ、クロスに吹き付けた後キッチンペーパーを張り付ける

クロスにブリーチのスプレーをキッチンペーパー一枚範囲噴射し、その上にキッチンペーパーを張り付けてみた。

タッパーで浸すよりも利用量は少なく、クロスへの付着ムラも出来ずらい為一番効率的な方法だった。

噴射時はクロスの上から下に実施し、下にキッチンペーパーを当てて垂れを防ぎ、染み込みが無い箇所のペーパーを上部に張り付ける事で効率的に実施する事が出来た(貼り付け時ペーパーが濡れていると吸着せず剝がれてしまう場合がある為)。

下にペーパーを当てて噴射する
乾いている部分を上にして張り付ける

⑤:2時間放置する
⑥:張り付いたキッチンペーパーを剥がし、クロス表面を中性洗剤で拭き上げる

実施していく中で感じたが、天井をこの方法で漂白するのはかなり危険が伴う為、濡らしたタオルに軽くブリーチを噴射し軽く拭き上げるに留めた。

■漂白結果


トータルで使用したキッチンブリーチ15本、キッチンペーパー10セット。
コンビニの店員さんはさぞかし私の家がカビで出来てると思っただろう。

だいたい2か月をかけて少しずつ実施した。
画像でも黄色っぽさがなくなっているのが良く分かるが、引いて見るとかなり違ってくる。

ビールとハイボールくらい見え方が変わった。
パンツを買い替えた時くらい白い。成功と言えるだろう。

漂白前
漂白後(黄色っぽさが消えている)
漂白前
漂白後(机の色移りが薄くなっている)

■反省点・注意点


気を付けてはいたが、ブリーチの強アルカリ性をなめていた。
利用中、十分換気しているにも関わらず喉が痛くなり、くしゃみがとまらなくなった。マスクは絶対に必要である。

また、ゴム手袋の縁からつたい、腕に付着したキッチンブリーチにより皮膚が溶解し血だらけになってしまった。
怪我の後も火傷の様な跡が少し残ってしまった。
長袖が必須になる。

さらに、誤って白以外の服で作業してしまい、色落ちしてしまった。
絶対に不要な白い服で実施すべきである。

色落ちしたパンツ
色落ちしたパンツ
色落ちしたTシャツ
色落ちした靴下

又、床にブリーチが付着した場合、フローリング面のワックスが溶解する。
床に着いた場合、直ぐに中性洗剤でふき取る事をお勧めする。
とにかく「中和」が大事である。

■終わりに


ヤニ汚れを落とすために色んな手段を講じてみたが、キッチンブリーチはかなり有用である事が分かったと同時に、危険な劇薬である事も再認識できた。

これで彼女を呼んでも恥ずかしくない部屋にする事が出来ただろう。
作業を終えて一服しているとこんな言葉が浮かんだ。

「焼け石に水」

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