■はじめに
昨今話題のフッ素。
正確には「PFAS(ピーファス)」が色んな水道水から検出されて、話題を集めている。
注目されているのは、その発がん性等の影響である。
#あ、タイトルは騒ぐ人への揶揄です。フッ素~。
■PFASとは
〇環境省ページ
〇環境省周知ファイル
さて、なぜこんな事を調べようと思ったかと言うと、Xにてこんな書き込みを見つけた。
これが事実なら由々しき事態だし、逆にこれが事実でないならば、なんとも滑稽な風評被害である。知識の無い人が騙されてしまいあまりにも不憫。水分が取れずカリカリのミイラになってしまう。
カリカリになる前に一つ一つ確認してみよう。
■フッ素は猛毒か?
フッ素単体は非常に毒性があり、人間が摂取すると猛毒になる。
しかし、フッ素は単体で存在することはほとんどなく、通常は他の物質と結びついたフッ素化合物として存在している。
ハロゲンであるフッ素は電気陰性度が高く、反応性も非常に高い。
では、その結合した物質は猛毒だろうか。
つまり、無機フッ素化合物は適量接種であれば有毒性が無いと言える。これは塩素単体は猛毒だが塩であれば猛毒で無い事と同義である。逆に有機フッ素化合物の一種であるPFAS等は発がん性等の人体影響があり得る。と言う事である。
「フッ素」ではなく「フッ素化合物であるPFAS」の影響について考えるべきであろう。
ではこのサイトにあるようなPFASの人体影響評価についても合わせて調べてみる。
内閣府の食品安全委員会の資料が合った為、確認してみよう。
https://www.fsc.go.jp/osirase/pfas_health_assessment.data/pfas_hyoukagaiyou.pdf
つまりここまでの研究において胎児の出生率に関する関連性は見られたものの、他ほとんどが不十分ないしは限定的である。
また、食品添加物同様に人体への影響を考慮した摂取許容量を設定する。
各国がそれぞれ設定しており、現時点で明示的なラインが出来るほどの科学的知見は集約していない。
つまり、現在の食事・飲料他経口摂取を想定すると一日当たりの摂取許容量を下回っているという事である(あくまで想定値)。
今後も以下で検証が続けられるようなので、期待して待つ。
■フッ素やフッ化物には脳の松果体を石灰化させる作用があるのか?
以下いくつかの記事に記載が見つけられたが、信用できる全文記事等を見つける事が出来なかった。
うーん、何とも言えない。真偽不明である。
■虫歯予防の為の水道水フッ素利用について
調べてみるとどうやら「水道水フロリデーション」と呼ぶらしい。
また、「水道水フロリデーション」による虫歯予防効果についても検証がされていた。
うーん。この「水道水フロリデーション」に対して、「有害であり許されない」とか「世界中に病気が蔓延っている」とかの信頼できそうな記事を見つける事が出来なかった。
唯一中国事例をベースに議論している記事を見つけたが、PFAS汚染とそれ以外が混同して記載されていて「水道水フロリデーション」のみによる影響が良く理解できなかった・・・。
■フッ素含有量について
飲食物については内閣府の平均推定値を鑑みると考慮不要であろう。
これ以上に信頼が出来て、複雑な要素がある中で推定できる数値は他にないからである。
(昨今ミネラルウォーターの濃度が問題になっている記事もいくつか出てくるが製品ごとと限定的である為割愛する)
では、フッ素加工(テフロン)のフライパンについてはどうだろうか。
結果としてフッ素加工そのものに害があるわけではなく、さらに現在流通している製品については製造過程で利用するPFOAも含まれていない事が分かった。
考慮に値しないレベルだろう。
よって、引用した上記においてほとんどが考慮に値しないモノだろう。
しかし、検査を何らかの形ですり抜けた残留農薬には注意した方が良いのかもしれない。
■終わりに
調べてみると「騒ぐほどではないけれど、ちょっと良くないから減らしていこうね。調査もしていこうね」ぐらいの印象を受けた。
Xの公的でもないコメントに左右されてしまう危険性を感じるとともに、今回自分で調べてみるキッカケになった事に感謝しよう。
そもそも、もっと明確な影響があればすぐにでも禁止されているはずである。少なくとも目くじらを立てて騒ぎ立てる必要は無いかもしれない。
タバコを一本吸いに行く私には議論する資格なんてもっとないかもしれないが。