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レガシー 黒単リアニデプス調整記

1.はじめに

 初めまして方もそうでない方も、あけましておめでとうございます。M.M.と申します。
 これまでGWデプスに関する記事を何本か投稿してきましたが、今回は黒単リアニデプスの紹介となります。昨年末のチームレガシーに参加するために組んだデッキだったのですが、思いの外勝てたのと、Xでたくさんの方に反応をいただけたため、記事を書くことにしました。全編無料となっておりますので、よければ最後までご覧いただければ幸いです。

2.誕生の経緯

 始まりは、地元のMTG仲間のグループラインで友達の一人が発した一言でした。
「(チームレガシー)カードさえ貸してくれれば傭兵行けます」

晴れる屋さん、来年もぜひ開催してください

 その時は「ほーん、まあ都合がついたらいけそう」という感じで反応したのですが、その後エタパの受付に漏れてしまい、年末の予定が冬コミ以外にないという状況だったこと、再び話題に出たときにメンバーがすんなり決まってくれたこと、何よりチームレガシーも面白そうだと思ったことから参加を決めました。
 そうと決まれば、次の話題はデッキ選択。最初はGWデプスか土地単を使うことを考えていたのですが、12月頭にヨーロッパで行われたエターナルウィークエンドでセファブレが優勝したことを受け、メンバーの一人が使いたいと意思表示。もう一人が普段から赤プリを好んで使っていたため、残った黒を私が担当することになったのです。
 さて、レガシーの黒と言えばリアニメイトです。様々なリストを探して、辿り着いたのが以下のものでした。

黒単の魅力がこれでもかと詰め込まれた魅力的なリスト

 このリストに注目した理由は、リアニメイトを主軸としながらも、複数の異なる軸のフィニッシュ手段が搭載されていることです。デプスもヘルムヴォイドも、それ自体はリアニのサブプランとしてはさして珍しいものではないのですが、それらが一つのデッキに収まっているというところに惹かれました。
 これに元に、叩き台として組んだのが以下のデッキです。

12/15 晴れる屋宇都宮否定の力2枚争奪レガシー TOP4

 初回しの大会でSEに残るという望外の結果を受け、「実はこのデッキ、強い……?」と、調整を継続することにしました。実際に使ってみて気付いたのは、サブプランと思っていたデプスで勝つゲームが多いということ。デッキコンセプトでもある、フィニッシュ手段を2つ以上搭載することの利点を強く感じることができました。

3.禁止改訂を受けて

 一方で、レガシー環境は大きく動きました。言わずもがな、超能力蛙と苛立たしいガラクタの禁止です。個人的には環境を停滞させていた要素ではあったと思うので、禁止は妥当であると感じています。幸いにして、私のチームへの影響は軽微であったため、大幅な変更を要することにはならず。ただ、デッキのカード選択は今一度見直しました。禁止改訂が発表された週末に持ち込んだリストは以下。

12/21 晴れる屋宇都宮ボーダーレス大田原争奪レガシー 決勝スプリット
12/28 晴れる屋水戸Volcanic Island争奪レガシー 準優勝

前回からの変更点
・サイドの大いなる創造者カーンOut
 最初のリストを回して感じたのが、カーンを経由してヘルムを持ってきて勝つ、というのは無理があるということでした。土地20枚にマナブーストも使い切りの儀式とペタルという構成では、カーンを出した後、更にヘルムのためのマナを捻出することが困難です。また、ガラクタ禁止によりカーンフォージが減ると考えたこともあり、カーンを外して空いたスロットを丸ごとヘルムに差し替えることに。4枚も貸してくれた友達に感謝です。

・ダウスィーの虚空歩き、狂気の種父のメイン採用
 元リストではメインピン挿しの虚空歩き、最初は理由が分からず全てサイドに置いていたのですが、ハンデスで相手がスパイやリアニだと判明した場合はサーチ候補になるため戻すことに。狂気の種父も同じ理由で、不用意にターンを返すと負けてしまう相手には、自分の手札を増やすより相手の手札を奪う方がよいと考えたため。

・サイドに大群の給餌、真髄の針を採用
 大群の給餌はほぼ赤プリ専用サイドです。月とメイガスどちらも除去することができるため、デプスとの友情コンボを狙えます。禁止改訂の影響もあり、赤プリが増えると考えました。真髄の針は単純にカラカスがきつかったからです。最終的にはセファブレが使うということで抜けましたが、そういうことを気にしなくてもよいなら今でも入れておきたいですね。

 なんやかんやで決勝へ、3週連続のSE進出という結果を受けチーム戦で使用するデッキはこれで確定。最後の調整兼、本番前の景気付けということで晴れる屋水戸で行われたボルカ争奪レガシーに参加しました。
 前回と同様のリストを使い、なんと決勝へ。最後はまさかの黒単ネクロ。黒単同士の対決となり、敗れはしたものの本番に向けて更なる自信を付けることができました。嘘ですやっぱボルカ欲しかった

4.いざ、Eternal Championship当日

 LINEグループでそれぞれのデッキの調整について相談しつつ、ついに迎えた大会当日。なお、デッキ構築の相談より(個人的に)盛り上がったのは「ドラクエ5の嫁は誰派か」だったり。

ビアンカ以外認めない(過激派)

メンバーと席順はこんな感じ。
A(ナドゥセファブレ)
 チームレガシーに出るきっかけとなる発言をした友達。普段レガシーはプレイしていないが、競技プレイに精通し、複数回のプロツアー出場経験がある。マジックの実力に関しては間違いなくチーム最強。マジックだけでなくワンピやドラゴンボール、ポケモンなど様々なTCGを嗜んでいる。最近はFaB推し。ドラクエ5は未プレイで同人誌の印象しかない。ちなみに好きなのはゼシカ。
B(黒単リアニデプス)
 筆者。水戸遠征(28日)と冬コミ(29日)とFGOのレイド周回でヘロヘロになりつつの参加。チームで最もレガシーに触れており、デッキも勝敗に関わらず早く終わることから両サイドへのサポート役も兼ねる。実際全てのマッチで決着までプレイできたのは私だけだった。ドラクエ5の嫁はビアンカ派。
C(赤単プリズン)
 デッキの主要パーツの殆どを貸してくれた友達。秋から年末にかけて職場がかなり修羅場だったらしく、最近はあまりマジックができていない。私の中ではこの大会とその後の食事は彼への慰労会という意味合いもあった。ドラクエ5の嫁はフローラ派。

結果は以下。

 チームも個人も4-2で勝ち越し。後一つでTOP8が見えていただけに悔しい気持ちはありますが、1年の総決算としては良い結果でした。チームレガシーに出るのは初めてでしたが、一人で出るより勝っても負けても楽しめていたと思います。やはりマジックをやる上で大切なのは一緒にプレイしてくれる仲間の存在であるということを再確認しました。改めて、一緒に参加してくれた友達に感謝を。今年もよろしく!

5.デッキ解説

 ……と、ここで終わってはデッキ紹介としては不十分なので、ここからは採用カードやプレイングの解説など。とはいえ、一部を除いてそこまで珍しいカードはありません。このデッキの最大の特徴は、複数の勝ち手段を搭載することで相手の対策を無力化するという構築の面にあります。チームを組んだ友達が言うには、「とにかく即死コンボをを片っ端から叩きつけるデッキ」とのこと。まさにその通りだと思います。

メインボード
沼8
ヨーグモスの墳墓、アーボーグ4
演劇の舞台4
暗黒の深部4 
 
 奇をてらわず、各種4積みの分かりやすい構成にしました。土地のスロットで勝ちにいけるというのは大きい。一度トリプルマリガンからアーボーグ、舞台、デプス、ハンデスの初手で勝ったこともあります。

吸血鬼の呪詛術士4
ダウスィーの虚空歩き1
グリセルブランド1
偉大なる統一者、アトラクサ1
残虐の執政官1
狂気の種父1

 虚空歩きのピン挿しと狂気の種父の採用については先述の通り。後はリアニ定番のアド生物なので割愛。呪詛術士はコンボパーツとしてだけでなく、霊気の薬瓶や虚空の杯のカウンターを取り除いたり、先制攻撃を生かして虚空歩きと共にビートダウンプランを遂行したりと、中々に多芸でした。

思考囲い4
暴露4
陰謀団式療法2
再活性4
動く死体4
暗黒の儀式4
水連の花びら4
街の鍵1

 ハンデス、釣り竿、マナ加速、スーパーシークレットテク(笑)。こちらもリアニでは定番のパーツです。街の鍵は手札に来てしまった生物を墓地に落とすと共に、マリット・レイジ様へのチャンプブロックを無視するために採用してみたのですが、いかんせんサーチも効かないピン刺しカードをそうそう頻繁に引けるわけもなく。フリプでは時々よい働きをしてくれることもありましたが、他のカードでもいいと思います。

サイドボード
虚空の力線4
Helm of Obedience4
ダウスィーの虚空歩き1
消耗の儀式1
敵対工作員2
大群への給餌3

 黒力線と追加の虚空歩きはスパイやリアニなど、チーム戦では多いと思われるデッキへの対策。更にそれらを勝ち手段に転用するためヘルムを搭載。ドローやサーチがないため、しっかりと引き込むための4積みです。
 消耗の儀式は黒い投げ飛ばし。ヘックスメイジデプスを使ったことがある方なら知っているでしょう。ヘルムヴォイドと合わせて、罠の橋を置いてくるデッキへの勝ち手段となります。
 敵対工作員はセファブレに譲った針の代わりですが、ドゥームズデイやポストなどの土地デッキに不利であると感じたために投入しました。
 大群への給餌は前述した通りの赤プリ対策。

6.意識したプレイング

マリガンを妥協しない
 このデッキを使う上で一番大切なことです。コンボデッキ全般に言えることですが、特に納墓以外のサーチがなく、ドロースペルもないこのデッキでは、「何か引くだろう」でキープは絶対にしてはいけません。また、複数のコンボを積む都合上、釣り竿の枚数を最低限に絞っているため、初手で噛み合わない手札を引かされることが度々発生します。デッキ解説の項でも触れましたが、トリプルマリガンからでもコンボさえ通せれば勝てますので、勝つまでの道筋が見えない初手は基本的にマリガンします。

サイド後はリアニ要素を抜く
 
サイド後(特に一本目でリアニを見せている場合)はリアニ要素をオミットし、デプスとヘルムヴォイドの両軸で攻めるプランをとります。何度か感想戦をしてみたのですが、相手からすればヘルムヴォイドを予想できたとしてもリアニに対してノーガードという思い切ったことはできないようです。実際、裏をかこうとしてリアニをそのまま残したゲームもありましたが、勝率はあまり高くなかったです。
 以下、サイドプランの一例を載せておきます。

Out
納墓4
動く死体4(チャリスを入れるデッキなら再活性)
グリセルブランド1
偉大なる統一者、アトラクサ1
残虐な執政官1
狂気の種父1

In
虚空の力線4
Helm of Obedience4
ダウスィーの虚空歩き1
消耗の儀式1
大群への給餌2or敵対工作員2

 自分の呪詛術師を打ち消されたときなどのために、釣り竿はどちらかを残すことが多いです。大群への給餌か敵対工作員かは相手のデッキを見ての選択で。現在のメタにおける主要なデッキ相手なら大体これでOKだと思います。

7.おわりに
 今回の記事は異常となります。デッキを組む上で多くのカードを借りていた多くのカードを返却してしまった現在、私自身はこのデッキを使うことはできませんが、デュアランを使わないことからレガシーデッキの中では比較的安価で構築できるため、とにかくレガシーというフォーマットを体験してみたいという方にはお勧めできると思っています。一応ヘルムという再録禁止カードもありますが、そこまで高額ではないことや、サーチカードを入れるなど、工夫すれば決して4枚必須というわけではないこともあって、構築の敷居はそれほど高くないはずです。
 私は過去に赤黒リアニを使っていたこともあったのですが、何度か回してみたところどうしても作業感が拭えず(個人の感想です)、解体してしまったということがあったのですが、このデッキではどのプランで勝ちにいくかの見極めや駆け引きがあり、使っていて非常に楽しく感じられました。もし、この記事を読んで使ってみようという方が出てくれたのなら、とても嬉しく思います。
 それでは、今回はこの辺で。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。



最後に。

ドラクエ5の嫁はビアンカだよなあ!?(2回目)



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