第23回書き出し祭り 感想 第4会場
皆様、感想が見たいと思いますので最後に細かい挨拶をさせてもらいます
4-01 イーストランドの終焉
チャイニーズマフィアものでしょうか、閉塞的な空気感が良く作られているところが良かったと思います。捨てられた人口島などという興味を持たせるワードがあらすじの一番最初の文字に配置されていることなども含めて、ここから世界観を崩さずに書ききってくれることを期待しています。
4-02 追放勇者の魔王軍復活作戦
追放などにも悪意があるとはいえ、理性で理解できる理由を用意してくれたのはただの悪役ではないところが良かったと思います。勇者が魔王になるということで反対に強すぎて王国側はどのような対抗策で来るのか、ここからの展開を楽しみにしています。
4-03 喫茶『古灯』は深夜零時から
遺体遺棄の話らしいですけど、にしてはテンションが軽いというか全体的に砕けた文体なのが印象的な書き出しでした。個人的に、遺体遺棄というのが一番人間ドラマの書きやすいミステリーのテーマだと思いますが、この作品にはなぜか遺体を保存しようとする動きがあり、それがどのような意味を持っているのかが楽しみです。
4-04 魔女と妖狐の善行道中
もふもふ要素が最近はやりですね。この作品はタイトルにしてはかなり平和そうな話を紡がれているなと思います。この幸せな世界観を好きな方はたくさんいらっしゃると思いますし、ノンストレスで読み進められそうな雰囲気を作れているのは良いことだと思います。このまま主人公たちに辛い目がふりかかるいませんように。
4-05 追放された令嬢は、川流れ公爵と出会う
異世界の女性向け物でしょうか。新たに出会った男性と逆転を狙うというわかりやすい道筋を示せたのは書き出しとして成功していると思います。全体的に地の文が丁寧調なのも女性向けらしさが出ているのも、すごく読者の層を絞ってそこを狙い撃ちできていると思います。このさき、どのような展開が待っているのか楽しみです。
4-06 「誰でもいいからエッチしたい!」
タイトルの通りです。まあ、本番までは小説家になろうでは書けないでしょうけど笑。ただ、それよりはガチな恋愛物なので夏希ちゃんの心情をどこまで描いてくれるのか。利香ちゃんも何かがあったようなにおわせに成功しているので、ここからどうなるのか楽しみです。
4-07 それいけ聖犬フェンリル!〜うちのしず江(14)はシーズーです〜
話し言葉で文章をつなげることで、非常にネット上の書き込みやポストなどに近いので小説家になろうという媒体に合うように調整されているのが良かったです。王道展開に進む中で、シーズーであったり老齢であることがどのように働いてくるのかが楽しみです。
4-08 王の理想、少女の希望
AIが関連する比較的、難しいテーマながら一文ずつが短いためテンポがよく読めるのがいいところだと思います。改行などもふくめ、文章全体でどのように見えやすくするのかが非常に勉強になりました。まだまだ世界観を含めてどんどん広げれられる余地があると思いますので、頑張って広げてもらえたらと思います。
4-09 幻の「満漢全席」完全再現を目指します!
満漢全席というキーワードで書き出しの中でも印象をつけることに成功しており、タイトルからあらすじからWEB向けであることを前面にアピールしているのも良いと思います。まだスタートしていないので、道中にどんなものがあるのかも想像つきませんが、どんどん世界観が広がっていくことを期待しています。
4-10 コックローチ飛岩さん
印象的なタイトルと設定に目を惹かれますね。たぶん、これを読んだ方はみんな覚えてしまうんじゃないかというくらい。なかなかネタ的な要素が強い作品でもあるので展開を作るのは難しそうですが、ここからどうなるのかが楽しみです。
4-11 売れない地下アイドルグループ、運営資金を稼ぐために超能力で探偵やります!
会話と地の文で明確にスペースを分けているところが読みやすく、また関西弁の口調やその会話のブロックなどで書き出し全体のテンションが上手く明るくされているところ。探偵×アイドルという他ではみたことのないテーマ選びなど目を引く要素を散りばめられている良い書き出しだと感じました。
4-12 アリス、甘やかに微睡いて。
フリガナが多いことは良い意味で厨二心をくすぐられて嬉しいですね。話を始めるうえで最低限に必要なものを明かして、あとはアリスに関する部分を会話でぼんやりと理解させているのが良い点だと思います。予想される世界観の割にかなりアリスの調子が軽いので、ここのずれがどのように作用するのかが楽しみです。
4-13 かみものゝ見世
古風な世界観がとても好みです。特にケサランパサランや紙屑に関する描写は非常に丁寧でなかなか見入るものがあり、それらがさらに古風な世界観の持つあたたかな雰囲気を演出していることに成功しています。ここから、どのようなジャンルのストーリー上の問題が発生するのか気になります。
4-14 ただの羊は人間社会を夢見る
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のオマージュ作品かなとタイトルを見て感じましたが、その作品を読んでないのでどうかはわかりません。ただ、コメディとあるので違いそうです(笑)。まずはコメディの基本となるテンポ感や空気を会話文の応酬で作ることができているのが良かったと思います。文章のルールなど気になる点もありますが、それを吹っ飛ばしてくれるくらいに派手なコメディの空気を期待しています。
4-15 【寝押しの子】
こちらは『推しの子』オマージュなんでしょうかと思いました(笑)。こちらの作品は明確に笑いのポイントを粒だたせることで空気感を演出しているところが良かったと思います。普通は会話文のほうが軽くなりがちな所を複雑な用語で、地の文で笑いをとりにくる珍しい文体がどのように演出するのかが非常に楽しみです。
4-16 ファンタジー・パンク 消えた魔王と砂漠の都市
気になる展開が多く残された書き出しだったと思います。明確に作者の見せたかった一文を目立たせるために行間を大きく開けたことなどやりたいことが良く見えたことが良い印象でした。魔王や勇者など壮大なワードが出ていたことなどまだまだ気になる要素があるので、どうなるか楽しみです。
4-17 俺は『氷漬けの魔女』
名前の付け方が普通ではないというか、氷漬けらしく北欧や東欧の名前を参考にしてらっしゃるのでしょうか。とにかくいつものと違うという雰囲気の演出に役立っていると思います。書き出し中でも言及されているように、『氷の魔女』と『氷漬けの魔女』の違いも気になるところですね。
4-18 裏催眠アプリが世界中で流行ってから、早二十二年
催眠が普通にある人と、催眠アプリという裏社会性を孕んだ設定。まあ、催眠はかなりチート臭いので、それに対する方法としてアプリという存在、さらにそのアプリは証拠として有罪になるという制限。全方位にしっかりと制限をかけていることがバランスをとることにつながっているので非常に上手い方だなと感じました。魅力的な美人もいいですし、ここから彼女がどのように活躍するのか、続きを期待しております。
4-19 呪、承ります
ホラーの温かい作品でありながら、未解明な部分があるホラーというジャンルの中で、書き出しのなかでそれ以外の部分にも謎を用意していることはこの先に読み進めるうえで様々な楽しみを用意できている良い書き出しだと思いました。どのタイミングで謎を明かしていくのかが楽しみです。
4-20 ひそかに世界の危機ですが、みんなの力で激ヤバダンジョンなど攻略してやりますわ
地の文の中で語り口調で世界観や、異世界ものの中で特にこの作品オリジナルの要素を解説されているのは理解がしやすくて読みやすいです。お嬢様口調も現代的な価値観も共感をさせる仕組みとして作用しており、お嬢様ながら身近に感じることができたのは非常に良かったです。ここからどうなるかが楽しみです。
4-21 チクチクぬいばり
ほんわかした童話のような話かと思っていたら、怖いですね。なんでこんなに童話調のものって怖く感じるんでしょう。散文詩のように文字の意味や流れだけでなく、文章全体の形として恐怖を与えてくるところや作者の欄にある名前などもよき和風ホラーらしさを持っている作品だと感じました。この先にどのような恐怖が演出されるのか、楽しみです。
4-22 岐阜城花嫁殺人事件
タイトルを見ると濃姫が殺される話かなと思っていたら違いましたね(笑)
ガチガチのミステリーというよりは、徐々に盛り上がってきているライトミステリー寄りの作品。そのキーとなるのはやはり主人公とヒロインの関係性ではないかと思います。サイコホラーという部分も気になるのでこの先の展開が楽しみです。
4-23 タイムパクリックス・ゴーストライター
洋画の『イエスタデイ』に近い風の作品なのかなと感じました。なろう系のアンチでありながら、なろうから生まれた名作に関してはしっかりと評価の文を載せているところは作家様自身へのヘイトを交わす方法として聞いていると思います。この先、彼がどのような作品を書き上げるのか、一創作者としても楽しみになるような書き出しでした。
4-24 歓喜の波が吹く土地で
タイトルの雰囲気やあらすじの内容からかなり重い話であることが伺えます。重要なワードであったり、あるいはこの作品のオリジナルのワードをしっかりと二重鍵括弧でくくるなど読みやすいような配慮もなされている点が硬派なファンタジー作品でありながらもWEB上で取り掛かりやすいように工夫されていることも良かった点だと思います。
4-25 冷徹無慈悲な暴君陛下へ、アナタに愛を教えて差し上げますわ!
主人公がどのようにして暴君陛下の心を変化させていくのか。普通ならなかなかできない進言をズバズバしていく様は爽快に感じました。もちろん、彼女の助言によって国がよくなることや、周りの人から陛下への印象が良くなっていくことも楽しみですが、なによりも主人公とどのように愛を深めていくのかが楽しみです。
最後にご挨拶
さて、ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。以前から知っていただいている方にはご存じだと思いますがそこまで実績があるわけでもなく、前回の参加した書き出し祭りでも結果を出したわけではないので話半分にきいてもらえると嬉しいと思います。
投票のほうもみなさまお忘れなく!