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第23回書き出し祭り 感想 第1会場

皆様、感想が見たいと思いますので最後に細かい挨拶をさせてもらいます


1-01 最凶魔王の弟子になりまして

書き出しにして展開がかなり早く、主人公の目的やその背景となる世界の様子も簡潔に描写されていると感じました。できれば角魔種の辺りにはフリガナで厨二病っぽいカタカナがあるとそこで詰まらずに読めたのかなと思います。おそらく最後に登場した羽魔種の女の子とのバディ物になるのかな。羽魔種の美女というのがどういう容姿なのかも含めて、非常に気になります。

1-02 淫魔の子を身ごもりました

女性向けの令嬢ものでしょうか。夢に出てきた男性とギルドレッドの関係がおそらく作者様の書き出し部分で魅せたかった謎なのでしょう。それを十分に表現するために書き出しの文字数のなかでよく描かれていたと思います。普段はあまり読まないジャンルなので浅い感想で申し訳ないです。

1-03 さよなら、北極星の花唄(うた)

死者の再生というテーマながら、それぞれの人物が大学生らしい思考というか、私も大学生なので全てではありませんが共感できる部分がありました。そのおかげでスムーズに物語に入ることができました。途中の音楽パートなどどれだけ彼女の音楽を魅力的に描けるのか。会話文とそれ以外のバランスもWEB小説として非常に良かったと思います。

1-04 君が望む嘘を1つだけ叶えよう

非常に特徴的な書き出しで、この先の文章を想像しきれないところが非常に面白い。書き出しではどのような話かを理解させるのが大事とありますが、個人的な好みではこういう何がかかれるのか想像もできない書き出しが大好きです。ファイル10とありますが、嘘を叶える1人を主人公のような形で描くのか、それぞれの視点を用意するのか。とても楽しみな作品でした。

1-05 俺と猫又彼女とリフォームライフ

恋愛物と日常物の狭間というか、まだ2人(?)の恋愛的な関係性が書き出し時点ではわからないので、ここからどのタイミングでその方向に切り替えていくのかが気になります。彼女のために主人公がどういう風にイベントをこなしながら成長していくかがこの物語の鍵だと思いますので、渉君には頑張ってもらい地と思います。

1-06 たのしい カードゲーム

カードゲームを作る話ですが、非常に難しいテーマを選ばれたことにまず拍手を送りたいと思います。これまでカードをテーマにした作品はWEBでも数作品ほど拝見させていただきましたが、無双物の要素がカードになったというものだったので遊戯王やデュエルマスターズのようなバトルものは見かけませんでした。実際にバランスの調整などすごく難しいから新しいカードが流行らないんでしょう。そこに挑戦して、面白いものを作り上げてくれると期待しています。

1-07 きっと月の子供たち

月という近未来的な舞台で描くSF要素もありながら家族物でもあるのかな。他の作品と比べてオリジナリティの要素が強い、どこか海外SFチックでもある作風。書き出し時点では『米原リコ』がかなり存在感を増していますが、月に行った場合にもこのまま関係が続くのでしょうか。それとも月に行くまでここから時間がかなりかかるのでしょうか。少なくとも彼女がすぐに舞台を降りないほうがいいなと個人的に思っております。

1-08 十八禁乙女ゲーム転生 〜その性癖はいりません!〜

こちらはR18要素強めの貴族物。ゲームの知識があるのはよくあるのですが、その一部分しか知らないというのは主人公の行動に制限をつけることができてとても良い設定だと思いました。小説家になろうがどこまでそういう描写を許してくれるのか詳しくはありませんが、どこまでいくのか楽しみです。最後にステラの気になる設定も配置されているのも良かったです。

1-09 胎動

ミステリー来た!という個人的な感想は端において、手記やテープ起こしなどに区切って本文が長くなりわかりにくくなりがちなところを書き出しとして丁寧に書かれた作品という印象です。妊娠というワードが絡むところで本格ミステリー、あるいはサスペンスの中に上手くイヤミスも絡められそうなすばらしいテーマだと感じました。期待しております。

1-10 光なる皇帝の愛した娘

一文目からすごく景色の描写に凝られる方なのだとわかる良い文章でした。皇帝というワードから中国やモンゴルの辺りの景色をイメージしており、そのイメージを補完するように綺麗な文章が続いていく。このジャンルが好きな方はとてもはまるでしょうし、すごく研究されているのか作者様もこのジャンルが好きなのか、それが伝わってくる書き出しでした。

1-11 AIとの踊り方

近未来の世界を舞台にAIと人間の共生をテーマに描かれた作品で、Vtuberという注目度の高いワードも抑えている。AIに人権を付与することによる正しさと、それにより失われる利便性。その考えはどういった形で生まれたのかや、主人公や社長はどちら側の思想なのかと背景情報がより気になる作品でした。

1-12 桜が舞う日

ミステリーで、この作品は特に舞台が魅力的で民間の研究所やフリースクールなどどこか影を感じさせる要素が散りばめられている点が凄く良かったです。美琴、真琴、春樹の関係性はこの事件を通じてどうやって変化していくのか、あるいは犯人の毒牙にかかってしまうのか。どれだけのスケールの話になるのか、人間ドラマの面でも楽しみな作品です。

1-13 落花流水 ~その運命は必然~

いわゆる異世界ものかと思いましたが、序盤から主人公視点での語りが多く、途中でも『』の中にカタカナで文字をいれることで、なんとなくホラーの香りも感じました。和風のタイトルなどまだ転生した先の世界については詳しい世界観がわかっていないので、どのような世界なのか、憎悪はなんのことなのかなど気になる要素が散りばめられています。

1-14 マイラ・スタイラの音箱

『音箱屋』というオリジナルのワードと、その解説を上手くまとめられた書き出しだと感じました。複数の人物が登場し、それぞれの抱える問題を音箱によって解決していく形式の作品でしょうか。メルヘンで優しい雰囲気がただよいますが、たまにエグイ悩みなどもあればうれしいなと勝手に期待しております。

1-15 使い魔ネモは今日もあくび~千年魔女と現代ダンジョン~

猫又に転生するという少なくとも私は初めて見た設定。猫又には元々、魔力があったりという伝承もありますし素直に入ってきます。特に気になったのが最後の一文が『―――』で終わっているところ。ここから2話では繋がるのか、それともまた場面が飛ぶのかがカギになってきそうです。楽しみにしております。

1-16 おじいちゃんは龍神様

ここまでで最初のあらすじの無い作品ですが、タイトルだけでもどのような話かわかりやすくなっているのであえて省いたのでしょうか。明るいお爺さんと現実主義な孫娘。書き出しの中で、おそらく最終盤に出てくるであろう問題点も示唆されているのは非常にわかりやすく良い点だと思います。お爺さんのキャラを崩さずに書ききれるのか、楽しみにしております。

1-17 今夜、親の仇に嫁ぎます

因習村に越してきた家族の娘が主人公で、親が神様によって殺される。ここから神様と主人公の恋愛がスムーズにいくとは思いませんので、どのようにして主人公の心を解いていくのか。ただ、主人公はあらすじで想定していたよりも神様への嫌悪感は少なく見えたのでそこまで長いシリーズの想定ではないのか、あるいは心で結ばれて以降ももう1展開があるのか。楽しみです。

1-18 キャンディー・キャンディー

シンプルな恋愛物をWEBという媒体で久しぶりに読んだため、文章を事実説明などの身の部分を最低限にしながら随所に主人公の感情を絡めてくるのは作者様の技を感じました。蓮君と風磨君、『時をかける少女』『空をかけるよだか』のような甘酸っぱい関係性を期待します。

1-19 少女、のちに魔術体系を変える。

頭髪をエネルギーにした魔法世界というのは独自の設定で非常に面白く、主人公の努力のベクトルが本来なら間違っていることは書き出し内で既に明記されている。こちらのほうが彼女の活躍により得られるカタルシスをどれだけ高めてもらえるのかを期待しております。人物が多かったので、ここからどれだけの人間が最後のシーンに残るのかも気になります。

1-20 敵は本能寺に、あり?

歴史IFは好きですね。特に日本史において最も有名な事件である『本能寺の変』。テーマはとても好きなのですが、気になったのは主人公が最後は光秀の代わりに捕らえられるということ。もちろん、主人公を竹槍で〇すわけにはいかないと思うのですが、歴史の修正という目的の話でありながらその部分はどのように辻褄を合わせてくるのかは気になります。

1-21 落日の大地に響く時の鐘 ~紫の姫と銀の盾~

本格異世界もので、帝国に不満が溜まりつつあることから主人公が革命を先導する形になるのでしょうか。めちゃくちゃ面白い話になりそうなのですが、かなり説明が多くなるため難しそうです。特に気になるのはあらすじにある肖像画が黒く塗りつぶされている事。それにより色々とこの先が想像できますが、そこまで丁寧に描ききってくれることを期待します。

1-22 サクラバ・センチメンタル

アウトローの可愛いもの好き。最近、少し増えてきたかなというジャンルですが、いきなりシリアスそうな骨太の展開があるのは珍しく、会話の途中で終わったのもおそらく何か見せたかったものがあるのでしょう。”ブツ”などの書き出し内に潜んだこの後の展開のカギになるワードをどのように回収していくのか楽しみにしております。

1-23 幼馴染みしか勝たん!~いつしか疎遠になった僕と彼女は、異世界で絆を育む~

幼馴染との恋愛に異世界要素を含めたなか、そういう作品の中では間接的な表現が多かったためにここからの展開をたくさん残した作品なので次の話でどれを拾いにいくのかが楽しみです。個人的な好みですが幼馴染という関係が一番好きなので続きを楽しみにしております。

1-24 今日もなんだかんだ生きている

物語を書く側にフォーカスしながら、SF要素が強めな作品でした。おそらく近未来から現代の世界を俯瞰するような形になるのかと思います。ジャプアニーセ文明という名前の付け方は素直にセンスを感じました。どれだけ現代日本の要素が出てくるのかが楽しみです。

1-25 亡き王女のためなどではないクソッタレのレクイエム

初手から『走れメロス』をパロディした作風やあらすじの勢いなどコメディとして見せたい意志が分かりやすく伝わってくるのは凄く良い点でした。ただ、WEBのコメディならもっと文章を区切って勢いを増してくれると良いかなと思います。ネタ作品かもしれませんが、続きも楽しみにしています。

最後にご挨拶

さて、ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。以前から知っていただいている方にはご存じだと思いますがそこまで実績があるわけでもなく、前回の参加した書き出し祭りでも結果を出したわけではないので話半分にきいてもらえると嬉しいと思います。

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