【SEA】Jorge Polancoを獲得!
現地時間1月29日、MarinersはTwinsから30歳のフランチャイズプレイヤーであるJorge Polancoをトレードで獲得したという報道がなされました。
Marinersは内野手のJorge Polancoを獲得し、Twinsは先発で、先日SFから移籍してきたばかりのAnthoney DeSclafani、昨年75試合に登板し、見事に復活を遂げたリリーフのJustin Topa、球界全体79位のプロスペクトである外野手のGabriel Gonzalez、昨年はAで19試合に登板したDarren Bowen、そして金銭を獲得しています。
このトレードに関してのMariners側の見返りと編成、そして放出した選手たちについて考察していきます。
Jorge Polancoについて
基本情報
Jorge Polancoは今年で31歳になるドミニカ出身の内野手で、主に2B,3B,SSを守ります。デビューした2014年から昨季までの10シーズンをTwinsで過ごし、通算成績は
832試合、打率.269、出塁率.334、長打率.446、OPS.780、OPS+111、HR112、WAR17.3
と安定した成績を残しています。
昨季は80試合と少ない出場ながらも、
打率.255、出塁率.335、長打率.454、OPS.789、OPS+115、HR14、WAR2.0
としています。
両打でもある彼はキャリアを通じて
対右に対して、打率.269出塁率.348長打率.455OPS.803
対左に対して、打率.269出塁率.305長打率.425OPS.729
と若干差はあるものの、そこまで大きな乖離はないのでプラトーン起用ということにはならないでしょう。
そして、ア・リーグ西地区の球団に対してもよい打撃成績を残しており、通算で
対LAA、打率.259出塁率.323長打率.459OPS.781
対OAK、打率.229出塁率.312長打率.330OPS.642
対TEX、打率.266出塁率.370長打率.439OPS.809
対HOU、打率.322出塁率.382長打率.593OPS.975
とAthletics以外の3球団に対して素晴らしい成績を残しており、特にAstrosに対しての成績は称賛に値しますし、期待していいでしょう。
また、7試合と少ないサンプルではありますが、Marinersの本拠地であるT-Mobile Parkで
打率.419出塁率.438長打率.484OPS.921
と打ちまくっているのも好印象です。
Statcastより
まず真っ先に目が行くのがSweet-Spot%とBarrel%の高さでしょう。キャリアを通してSweet-Spot%非常に高く、昨季は上位6%に相当し、Barrel%も上位11%ととても高いです。また、Hard-Hit%も年々上昇しており、昨季は40%台に乗りました。
球種では4-seamerとChangeupに対して強く、それぞれのRun Valueが8と9です。苦手な球種はCurve, Cutter, Sweeperで、-3,-1,-2を記録しています。
ただ不安点もあり、三振率は年々増加傾向にあり、昨季は25.7%とMLB下位27%に相当しています。それに加えて、守備指標であるOAAでは下位6%である-7を記録しているのも懸念点でしょう。
編成面に関して
今オフにマイナー契約以外で獲得した内野手がLuis Uriasだけだったので、内野補強は急務でしたが、ここにPolancoが入ってくれただけでもとても大きいです。
ここからは私の推測ですが、Polancoはフルタイムのセカンドとして考えていると思います。昨季は80試合のみの出場でしたが、つみあげたWARは2.0と、とても高いです。昨季終盤にセカンドを担ったJosh Rojasはサードへと移され、Uriasとのプラトーンになるでしょう。
そして打順ですが、フレキシブルに変わるでしょうが私は3番が一番適正打順なのかなと思います。
1番 J.P. Crawford (SS)
2番 Julio Rodriguez (CF)
3番 Jorge Polanco (2B)
4番 Mitch Garver (DH)
5番 Luke Raily / Mitch Haniger(RF)
6番 Cal Raleigh (C)
7番 Ty France (1B)
8番 Dominic Canzone / Dylan Moore (LF)
9番 Luis Urias / Josh Rojas (2B)
これは私の願望ですが、見栄えはよくなったなというのが印象です。
放出した選手たち
Anthony DeSclafani (SP)
Robby Ray放出に伴い、GiantsからMitch HanigerとともにやってきたDeSclafaniですが、すぐに放出となりました。彼の今季の年俸が$12Mで、Polancoの今季の年俸が$10.5Mなので、Topeの年俸や送る金銭なども考慮すると、あまり年俸負担の部分に関しては変わりないのかなと思います。
ただ、スイングマン的立ち位置になる予定だった彼が放出されたので、以前先発デプスは薄いままになったのは少々気がかりではあります。
Justin Topa (RP)
昨年Brewersからのトレードで獲得したTopaですが、75試合で防御率2.61とセットアッパーとしてチームをけん引してくれました。
ただ、シーズン終盤の14試合では4.61、最終3試合に至っては10.13と安定感に欠けていたのでそこが放出に至る決断の要因となった可能性は高いです。
Gabriel Gonzalez (OF)
球界全体Top79位に位置する外野のプロスペクトで昨季はAとA+で打率.298、出塁率.361、長打率.476、OPS.837、HR18と大幅に飛躍しました。
しかし、A+では不調に陥り、特に三振が多く43試合で43個と一試合に一つは三振している計算になります。また、A+の本拠地であったEverlettは打者天国といわれていることもあり、今後の活躍が不透明ななか、今の価値で放出できたのはよかったのかなと思います。
Darran Bowen (RHP)
2022年に13巡目で指名された右投げの22歳。昨季はAで19試合に登板し防御率3.88、WHIP1.096、BB9が4.0、SO9が9.5ととても将来性あふれる成績だっただけに一番放出されたのが悲しいです。
最後に
結果的に4選手と金銭を放出することになったわけですが、Polancoクラスを連れてこれたのは評価に値するでしょう。セカンドが去年のような惨状にならないように願います。