【SEA】バウアーはマリナーズに必要なのか?
Happy new year!!!HBえんぴつです。本年もどうぞよろしくお願いします。
さて、現地時間1月6日の金曜日、球界に衝撃のニューズが入ってきました。そうです、ロサンゼルス・ドジャーズのトレバー・バウアーがDFAになったというニュースです。
バウアーは2021年シーズン途中に女性への性的暴行疑惑で休職扱いになり、その後MLB機構から326試合という2シーズンにも及ぶ出場停止処分が科されました。ですが、バウアーサイドの異議申し立てにより処分期間が194試合に減らされました。よって、今シーズンから出場可能というわけです。しかし、ドジャーズ側のぜいたく税の問題やバウアーのクラブハウスでの立ち振る舞いなので今回のDFAにつながりました。
そんなバウアーですが2020年シーズンにサイ・ヤング賞に輝いており、そのオフにドジャースと3年64.4MMで契約しており、今季終了後にFAになります。つまり、1年だけではありますが2年前のサイ・ヤング投手をメジャー最低年俸で雇えるというわけです。圧倒的にお買い得というわけです。
この記事を書いている当日にDFAになったため、どこの球団が獲得に乗り出しているかなどの情報はまだ出ていません。なので今回はマリナーズが獲得するべきか否かを考えていこうと思います。
結論から言いますと、個人的には獲得してほしいと思いますが、弊害が多すぎて無理だろうなという感じです。なぜならメリットはありますが、デメリットのほうが大きいと感じるからです。ではまずメリットから見ていこうと思います。
獲得する2つのメリット
1つ目はバウアーの特徴とT-モバイルパークが良い可能性があるからです。
簡単にバウアーの投球スタイルを説明しますと”ハードヒットはめちゃくちゃ多いけど、三振めっちゃとって抑える”タイプです。これらはBaseball Savantからも読み取れます。
上記のようにHardhit%, Barrel%はメジャー平均を大きく下回っていますが、xBA, K%, Fastball spin, Curve spinはメジャーリーグ上位10%に入っておりファストボールのスピンに関しては1位と非常に良しあしがはっきりしている選手といえます。
もっと欲しさげるとxBAは.197、K%は31.7%、K/9は11.45と高い水準を保っています。しかし、ERAが2.59なのに対し、xERAが3.39なのは少々気がかりです。
ではなぜバウアーがマリナーズの本拠地であるT-モバイルパークと相性がいいと思うのか、答えは単純明快で広いからです。
球場の広さを表す指標にPark Factor(ここではPFとする)というものがあります。100が平均でそれよりも高ければ打者有利、低ければ投手有利というものです。Baseball Savantによると、2022年、マリナーズの本拠地であるT-モバイルパークのPFは91でメジャーリーグ最下位、バウアーのドジャース1年目である2021年も94で同じく最下位です。同年のドジャースタジアムのPFは99と平均をわずかに下回っていますが、メジャーリーグ14位です。
2022年に戻りますが、T-モバイルパークでのHRは97と平均レベルですが、SOは107と同率一位を記録しています。このようにHardhitは多いけど、三振も多いバウアーにとってT-モバイルパークとの相性は非常に良いといえます。
(上が2022、下が2021のものです)
また、Expect Home Run by Parkでもキャリアで平均、またはそれ以下を記録しているのも評価ポイントです。
二つ目にマリナーズがコンテンダーだからという点です。まず前提条件として、バウアー獲得に乗り出す球団はコンテンダーです。再建途中のチームはバウアーを獲得するうまみはほぼないと思われます。そして、先ほども記述しましたが、彼は短縮シーズンではありますが2020年のNLサイ・ヤング賞投手です。そんな投手をメジャー最低年俸で雇えることは球団の運営、いわゆるペイロールを圧迫せずにすみます。
また、バウアーはデータを駆使した投球を早くから取り入れて練習しています。それらの練習方法が今のマリナーズ投手陣、特に若手が多い中でいい勉強材料になるのではと考えています。
そして、今季のAL西地区はアスレチックスを除く4球団がコンテンダーの動きを見せています。現時点で、マリナーズ以外のアストロズ、レンジャーズ、エンゼルスのローテーションは完成されているため、この3チームがバウアーを獲得することはほぼないに等しいと思いますが、戦力を獲得させないという点でもいいのかなと思います。
以上2点が個人的な評価ポイントです。ではなぜ懸念点が出てくるのでしょうか、現状大きなポイントが2点あります。
獲得に際しての二つのデメリット
一つ目はマリナーズの先発ローテーションが完成されている点です。
現状、2023年ののマリナーズの予想先発ローテーションは以下の通りです。
ロビー・レイ
12勝12敗 防御率3.71 WHIP1.19
ルイス・カスティーヨ
8勝6敗 防御率2.99 WHIP1.08
ローガン ・ギルバート
13勝6敗 防御率3.20 WHIP1.18
ジョージ・カービー
8勝5敗 防御率3.39 WHIP1.21
マルコ・ゴンザレス
10勝15敗 防御率4.13 WHIP1.33
成績は2022年のものになりますが一番の特徴は昨年、全員が大きなけがなく一年間ローテーションを守ったという点です。昨年の五人の平均イニング数は驚異の約167.2イニングと圧倒的です。(なお、カスティーヨに関してはレッズ時代のイニングも含んでいます)それに加えてカービーに関してはシーズン途中で昇格になったのでこの数字がいかに突出しているかがわかります。
また、彼らが怪我をして離脱した場合でもリリーフに先発経験のあるフレクセン、そしてブラッシュが控えているので緊急時でも対応はできます。
そして、今年はマリナーズ傘下トッププロスペクトのエマンソン・ハンコック(傘下2位)、そしてブライス・ミラー(傘下5位)が昇格が待っています。
ではバウアーはどうでしょうか。バウアーはキャリアで222試合に登板しており、そのうちの212試合、実に95%が先発起用になり2019年からのリリーフ起用はありません。なので獲得するにしても先発起用になるのは明白です。
現状、先発陣の整理のためにフリントが動かしてくるのではないかという噂はオフシーズンが始まったころから会いましたが、2か月以上たっても音沙汰がありません。例え動かしたとしてもシーズン途中にトッププロスペクト2人が昇格するのはほぼ確実といえるので、バウアーがピッチャー陣のロースターを圧迫するのは間違いないでしょう。
二つ目にチームカラーに絶望的に合わない可能性があるからです。バウアーといえばツイッターを駆使してファンとレスバトルをすることもしばしばあるようにその性格が話題になっています。彼の立ち位置といえばいわゆるヒール役です。ドジャース時代にもジャイアンツファンを煽ったり、侍ポーズなので話題を呼びました。
ではなぜチームカラーに合わないのでしょうか。これは現地勢の私の感想ですが、そもそもシアトルのファンはとても温厚です。確かにサヨナラ勝ちや3者連続三振などで会場は盛り上がりますが、ブーイングなどは頻繁にしないということです。私は去年、9回現地に足を運びましたが特定の人物にブーイングがあったのは2回だけです。それもエンゼルスのネビン監督、そしてパドレスのマチャドだけです。言い換えるなら、自チームの選手に対しての批判は一切耳にしませんでした。印象的なのは去年の9月11日のブレーブス戦、9回表に6-2から6-7に逆転されても、その回終了後に打たれた投手をブーイングするファンはおらず、裏の攻撃で熱狂的に応援していました。
そんなマリナーズの選手もSNS上でファンとバトルするところは一切みかけないですし、煽ることも見たことがありません。
そんなチームにヒール役のバウアーが入団したらどうなるか、答えは明確でしょう。最悪の場合、チームに迷惑をかけてしまう可能性があります。
このような理由からバウアー獲得にはメリットもあるが、デメリットのほうが大きいため獲得は難しいという結論になりました。ただ、獲得したら戦力になるのは間違いないですしなによりファンとして応援しようと思います。
以上です。読んでいただきありがとうございました。
Citation
https://twitter.com/BauerOutage/status/1611527364755992576?s=20&t=NiKNax8HCxAAFhOz3UXKdQ
Trevor Bauer Statcast, Visuals & Advanced Metrics | MLB.com | baseballsavant.com
Trevor Bauer - Stats - Pitching | FanGraphs Baseball
Trevor Bauer Stats | ESPN
Statcast Park Factors | baseballsavant.com (mlb.com)
Mariners Top Prospects | MLB.com
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