意識低いオーディオ3(やっとLXU-OT2の改造の話(オペアンプ変更編))
なぜか3回目になりました。きっと筆がツルツルだったせいです。
前回には読まなくて大丈夫なんて書きましたが、やっぱり読まれるのは嬉しいもので。紹介しておきます。
そして今回はオペアンプの交換まで書ききると決めたので長くなります。
多分。
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初回
2回目
本編/オペアンプの紹介
オペアンプとは何か、については説明はしません。
でもどうやって購入するオペアンプを選んだかを少しだけ。
オペアンプ選定
まず、「LXU-OT2 オペアンプ」あたりで検索して、出てきたページから使えそうなオペアンプの型番をメモしました。
それらのオペアンプのメーカーのページからオペアンプのページを見てみます。テキサス・インスツルメンツ、アナログ・デバイセズ、日清紡マイクロデバイスなどなど。
オーディオ用、ハイエンドオーディオ用などを絞り込み、2回路入り、ピン数8でも絞り込みます。
今回は12Vで使用するのでその電圧が使用可能かどうかでも絞り込みます。
テキサスインスツルメンツのページを見ながら書いていますがまだ少し多いかもしれません。
さっきメモした型番はどれもBurr-Brownブランドのようです。絞り込みますが、もう一声です。
DIP8以外は変換基板が必要です。ということはハンダ付けが必要で、変換するということは小さい。小さいほどハンダ付けが面倒です。
DIP(PDIP)>SOP(SOIC)>MSOP(VSSOP)
メーカーや国によって呼び方が違ったり、微妙に寸法が違ったりします。ブランデーみたいな名前になったり。
SOPならがんばります。でもMSOPはしんどそうです。
そこで今回はDIP8(ピンの数)とSOP8で絞り込みました。
あとはそれぞれの型番でGooglingします。
使うと決めていた通販、秋月電子通商か共立エレショップに販売ページがあればお気に入りに追加します。DigiKeyやマルツでもよいでしょう。
なんで面倒なことを
ブログや掲示板から拾った型番をそのまま注文したら?と思うかもしれません。使えるのがわかっていれば安全です。
2024年現在、LXU-OT2は製造から11年。
その間に廃盤になった製品、新しく出た製品、生産しているけど取り扱いをやめた製品があります。
「もしかして画期的な製品が出てるかも!!!!」
大抵そんなことは無いんですが一縷の望みと、残りは興味です。
そもそもがオーディオに対する、特にヘッドホンアンプとオペアンプに対する興味のためにやっているので興味は大切です。
しかしながら調べているうちにわかるのは悪いことです。
TI(テキサス・インスルツメンツ)はエンドユーザーに対する電子部品の販売を制限する方針のようです。買うなら今
購入の結果
NJM4558D(デフォルト)
NJM4556AD(デフォルト)
NJM4556ADD(¥100@秋月)
NJM4558DD(¥20@秋月)
NJM4580DD(¥60@秋月)
NJM8801E(EMP8)(¥305@共立)
NJM8901E(EMP8)(¥297@共立)
MUSES8820D(¥400@秋月)
MUSES8832E(EMP8)(¥591@共立)
MUSES8920AE(EMP8)(¥500@秋月)
OP275GP(¥650@秋月)
OPA2134(¥500@共立※ちょっと特殊)
NJM~とMUSESは日清紡マイクロデバイス
OP275GPはアナログ・デバイセズ
OPA2134はテキサス・インスツルメンツ
買収前の製造元ではなく現在の取り扱いです。
一部生産終了品もあります。
合わせていくらになったかはちょっと考えたくないです。
ただ、お金がある人には定番のMUSES01、02(3500円前後)はやめておいたのです。意識低いの由来はこのあたり。
選定の前に
オペアンプの準備
まずは変換基板にSOP8をハンダ付けしないといけません。
使ったのはHSOP8 DIP8変換基板(¥150で5枚@秋月)と連結ソケット(両端オスピン) 8P(¥55@秋月)
今ならSOP8(1.27mm)DIP変換基板 金フラッシュのほうがいいと思います。ちょうど売り切れてたので仕方なく。
見てわかるかどうかなのですが、非常に小さい部品をハンダ付けする非常に面倒な作業なので写真を撮る余裕はありませんでした。
意識低い
試聴は普段聞く好きな曲じゃないと意味がないと思ったんです。
ハイレゾ音源をダウンロードしてfoober2000を起動してASIOが云々。
わからない。面倒くさい。
ノートPCにはCDドライブもありません。
クラシックも聞きません。
クラシックを性能評価に使うことを否定するつもりはありません。
でも、このオペアンプはクラシックが完璧に聴けるぜ、という自己満足で普段聞く曲の魅力が減っては意味がありません。
僕が普段曲を聴くのはYoutubeです。
ボカロ、アニソン、J-POPとVtuberです。
申し遅れましたがオタクです。
好きな曲のどこが好きなのか
どこがどんなふうに聞こえると魅力的なのか
考えたがありませんでした。
しかし、たくさん(当社比)あるオペアンプを普段聞く曲すべてで評価するのは現実的ではないです。
なので「ある曲」の「ある部分」を「点数」で評価することで全体の見通しを良くしようという作戦です。
やっと選定
試聴環境は
ノートPC→LXU-OT2→ヘッドホン(MDR-XB700)
それにクッキーとコーヒーです。
さて、実際に使うオペアンプを選定します。
ここからは泥臭くとっかえひっかえ交換しながら試聴を繰り返します。
まずはヘッドホンアンプ側。
選定に使った曲
全部で14曲あります。
楽曲のうちピンポイントを採点基準にしますが、主観的で感覚的なものなので朧げながら浮かんできた数字を記入するしかありません。
ここから型式を一部省略、順番が入れ替わっています。
トウキョウ・シャンディ・ランデヴ/MAISONdes(feat. 花譜, ツミキ)
00:10からのキックにインパクトがあるか。
ほんとにキックかどうかわかりません。音楽に意識低いので。
70点 直挿し
20点 NJM4556AD
70点 NJM4558DD
80点 NJM4580DD
70点 OP275GP
60点 OPA2134
30点 MUSES8820
80点 NJM8801
90点 NJM8901
80点 MUSES8920
90点 MUSES8832
最初に得た感想は
参考までに直挿しが載っていますが、ノートPCの内蔵ヘッドホンアンプが意外と頑張っています。今後も意外と頑張るのですがもう後には引けません。
sora tob sakana/New Stranger
0:55から
ボーカルが分離されているか。
耳をすませば聞き分けられるか、という程度です。
30点 直挿し
40点 NJM4556AD
20点 NJM4558DD
30点 NJM4580DD
40点 OP275GP
70点 OPA2134
70点 MUSES8820
50点 NJM8801
70点 NJM8901
60点 MUSES8920
70点 MUSES8832
ほとんどまとまって聞こえるものから、頑張ればわかりそうなものまで。
どんどんいきましょう。
Stellar Stellar/星街すいせい
0:11から入る音のインパクト。
主観も主観です。圧倒してほしい。
70点 直挿し
20点 NJM4556AD
20点 NJM4558DD
10点 NJM4580DD
20点 OP275GP
10点 OPA2134
0点 MUSES8820
50点 NJM8801
30点 NJM8901
30点 MUSES8920
30点 MUSES8832
恐れていた事態が起きました。
ノートPC直挿しが最高得点です。
見なかったことにして次にいきましょう。
まつり/藤井 風
0:25からのAメロ3フレーズ目の前のブレス。
実際には0:34あたりです。
70点 直挿し
30点 NJM4556AD
60点 NJM4558DD
70点 NJM4580DD
80点 OP275GP
80点 OPA2134
60点 MUSES8820
80点 NJM8801
90点 NJM8901
100点 MUSES8920
80点 MUSES8832
一安心です。そして100点も出ました。
藤井 風しか聴かない教義の下に生まれていたらMUSES8920一択だったでしょう。
はなまるぴっぴはよいこだけ/holoID×EN×JP(COVER)
0:12からの3人が聞き分けられるか。
実際には0:33からのサメちゃんが聴きとれるかを基準にもしています。
50点 直挿し
30点 NJM4556AD
50点 NJM4558DD
50点 NJM4580DD
70点 OP275GP
40点 OPA2134
80点 MUSES8820
30点 NJM8801
40点 NJM8901
50点 MUSES8920
40点 MUSES8832
あちらを立てればこちらが立たず。
p.h./𓆑(COVER)
0:20から、左のセンター寄りで聞こえる2音の装飾音。
音楽に意識が低すぎて説明が難しいです。
50点 直挿し
10点 NJM4556AD
40点 NJM4558DD
60点 NJM4580DD
60点 OP275GP
70点 OPA2134
80点 MUSES8820
90点 NJM8801
90点 NJM8901
70点 MUSES8920
60点 MUSES8832
ほぼ聞こえないものからはっきり聞こえるものまで。
聞こえるか聞こえないかだと評価が楽でいいです。
よふかしのうた/Creepy Nuts
0:53から、ボーカルのサ行が刺さらないか。
結論から言えばほとんどが刺さらなかったです。
50点 直挿し
50点 NJM4556AD
70点 NJM4558DD
70点 NJM4580DD
60点 OP275GP
70点 OPA2134
40点 MUSES8820
60点 NJM8801
60点 NJM8901
50点 MUSES8920
60点 MUSES8832
Cure For Me/AURORA
2:00からのハイハット?が刺さらないか。
これも結論から言えばほとんど刺さりませんでした。
40点 直挿し
30点 NJM4556AD
50点 NJM4558DD
70点 NJM4580DD
60点 OP275GP
80点 OPA2134
70点 MUSES8820
50点 NJM8801
30点 NJM8901
70点 MUSES8920
60点 MUSES8832
ヒアソビ/かめりあ(feat. 初音ミク)
0:27からのギター?ベース?が聞こえるか
0:30から音程が上がってからはよく聞こえるんですがその前の部分。
30点 直挿し
30点 NJM4556AD
20点 NJM4558DD
30点 NJM4580DD
20点 OP275GP
20点 OPA2134
50点 MUSES8820
50点 NJM8801
50点 NJM8901
20点 MUSES8920
70点 MUSES8832
これもよく聞こえるものとそうでないものがありました。
太陽系デスコ/ナユタン星人(ft.初音ミク)
0:59からの左右のギターの分離
サビだけ聞き分けづらいので基準にしましたが、どれも点数低かったです。
10点 直挿し
10点 NJM4556AD
0点 NJM4558DD
0点 NJM4580DD
20点 OP275GP
10点 OPA2134
20点 MUSES8820
10点 NJM8801
30点 NJM8901
50点 MUSES8920
40点 MUSES8832
Gimme×Gimme/八王子P × Giga(feat. 初音ミク・鏡音リン)
0:05からのキック(?)
量感とスピード感でしょうか?オーディオ評論はわかりませんが、気持ち良ければ高い点数ということにしました。
60点 直挿し
40点 NJM4556AD
70点 NJM4558DD
80点 NJM4580DD
80点 OP275GP
80点 OPA2134
70点 MUSES8820
70点 NJM8801
80点 NJM8901
90点 MUSES8920
90点 MUSES8832
面目躍如でしょうか
ことばのおばけがまどからみている/フロクロ(feat重音テト)
0:12から、ボーカルの左右の分離
左右で違う歌詞を歌っているので聞き分けるのは問題ありませんが、それがどのくらい離れているか。定位というか音場というか?
50点 直挿し
50点 NJM4556AD
60点 NJM4558DD
70点 NJM4580DD
70点 OP275GP
60点 OPA2134
60点 MUSES8820
80点 NJM8801
70点 NJM8901
80点 MUSES8920
90点 MUSES8832
キラーチューン/ラプラス・ダークネス(COVER)
0:00から、ラプ様がベースに負けないか。
スマホに最適化してあるのか、非常に低音が強いイコライジングなのでベースが全部持って行ってしまう中でラプ様がちゃんと聞こえるかです。
特に0:31からのハイトーンは負けがちなので重点的に
60点 直挿し
30点 NJM4556AD
30点 NJM4558DD
50点 NJM4580DD
60点 OP275GP
40点 OPA2134
40点 MUSES8820
10点 NJM8801
50点 NJM8901
70点 MUSES8920
100点 MUSES8832
100点が出ました。よかった。でもちゃんと低音が出てます。
エイリアンエイリアン/ときのそら(COVER)
0:56からのサビ、超高音なので刺さらないか。
機材によっては聞いていられないこともあります。
50点 直挿し
70点 NJM4556AD
30点 NJM4558DD
20点 NJM4580DD
20点 OP275GP
60点 OPA2134
10点 MUSES8820
0点 NJM8801
0点 NJM8901
0点 MUSES8920
0点 MUSES8832
がらっと変わりました。ここの点数は聞き疲れにくさに関わるのかなぁ、と思っています。
お疲れ様でした。
最終結果
総合得点と試聴の際のメモにどう書いてあるかここに置いておきます。
460点 NJM4556AD デフォルト、あまり点数はよくない
590点 NJM4558DD 低音◎
690点 NJM4580DD 分離〇
730点 OP275GP 分離◎
750点 OPA2134 低音◎
680点 MUSES8820 記載ナシ
710点 NJM8801 魅力的だが曲を選ぶ
780点 NJM8901 刺さり気味だが男性ボーカルに強い
820点 MUSES8920 低音があるのにラプ様が消えない
880点 MUSES8832 初めて聞こえる音があった
というわけで今回はの基準ではMUSES8920かMUSES8832、次点でNJM8901のどれかということになりますが、
MUSES8832の「初めて聞こえる音があった」
これが決め手になりました。
具体的にはヒアソビの左にいるコーラスです。
ヘッドホンやアンプを変えて一番感動するのは、いままで聞こえていなかった音に気付くときだと思います。それを改めて得られたのはオペアンプ交換をやってよかったと思いました。
オペアンプ決定
ということでMUSES8832さん、おめでとうございます。
おわりに
ここまでご覧いただいた皆さん、6000字を超える無駄な記事にお付き合いいただきありがとうございました。
動画の埋め込みを多用したので重いかもしれません。すみませんでした。
おかげでUSB-DAC付きヘッドホンアンプ、LXU-OT2に2つあるオペアンプの片方が決まりました。
はい。片方です。
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