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ワクワクする理由

「待ってました!ワクワクする〜!」週末のお昼前、外出の準備をしながら、マライア・キャリーの恋人たちのクリスマスをSpotifyで流しながら、1年ぶりにキュンとした気持ちに浸った。

私は2、3年前から、10月31日のハロウィン翌日より個人的にクリスマスモードに入る。お決まりのマライア・キャリーに続き、WHAM!(ワム)のラスト・クリスマスを流す。

世間よりも一足早いクリスマス気分だが、これくらい長い期間がちょうどいいことに気づいた。早ければ早いほど、このワクワクした気持ちを長期で楽しめるからだ。しかし、クリスマスに何か予定があるわけでもない。誰かと会うわけでもなく、どこかへ出かけるでもない。むしろ当日は一人で過ごし、普通の食事をして、テレビをみて過ごすことがほとんどだ。ケーキも食べなかったりする。当日を迎えると、今まで徐々に高まってきた気持ちはスッパリと終了する。そして、世間よりも一足早く年末年始モードにシフトチェンジする。

クリスマス予定のない私が、先取りしてまで、なぜこんなにもワクワクを味わいたいのか。49年の人生を遡ってみると、記憶にある最初のワクワクは、小学低学年あたりだろうか。その年、サンタさんからのプレゼントは20センチほどの真っ白なフワフワな毛のネコのぬいぐるみだった。サンタさんからと表現するが、両親が買ってくれたものだ。購入先は、自宅から車で30分ほどのイトーヨーカドー(スーパー)で、記憶では3階おもちゃ売り場。天井あたりまである山のような、ぬいぐるみのコーナーから、そのネコちゃんを選んだ。たいして裕福でもない家庭で、自分が欲しいものを選んで買ってもらうなんてことは、誕生日とクリスマスくらいであった。クリスマス当日に包装紙から出したフワフワのネコちゃんは本当に可愛くて、温かくて、大好きになった。ありきたりだが、ミーちゃんと命名した。この日から学校へ行く以外は、朝起きてから寝るまでミーちゃんと過ごすようになった。季節が変わり、夏が来て、蝉が鳴いて冷房をつけてもフワフワの毛の長いミーちゃんと離れなかった。ミーちゃんとは大人になるまで同居していたと思う。「思う」というのは、いつ頃ミーちゃん離れしたのか記憶にないためである。あんなに大好きだったのに、どのタイミングで離れたのか不明なのだ。そんな私も50歳手前の大人になり、毎年クリスマスにはミーちゃんを思い出す。そして、プレゼントしてくれた両親に「ありがとう」と感謝の気持ちがわいてくる。

この辺りから私のクリスマスに関わるワクワクは始まった。翌年からも、現在のワクワクにつながる出来事は年を追うごとに増えていくのだが、それはまたの機会で話したいと思う。

仕事が終わり、スターバックスでホッと一息ついている。新作で、オレンジ色のかぼちゃのバスクチーズケーキが出ていて迷わず注文した。ドリンクはホットのソイラテlargeサイズ。若い頃はこの時期は必ずクリスマス限定ドリンクを飲んでいた。歳を重ねるにつれて、甘々ドリンクが苦手になってきた。30代半ば頃までは、甘々スイーツに甘々ドリンクは余裕だったのに。今はスイーツなしでもカフェで過ごせる。ある意味、素材の味を愉しむことができるようになったと言えるが、正直に言うと胃に思いかなと感じる。年齢を感じるところである。今スターバックスでかかっているバックミュージックはクリスマスっぽい洋楽だ。大好きなマライア・キャリーの恋人たちのクリスマスではないが、なんだかワクワクしてくる。大好きな季節だと、どこへ行っても心地よく感じる。まだまだ私のお楽しみ期間は続く。


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