祖父母に学ぶ、夫婦関係の大切な考え方
「じいちゃんはよかにせだったんだよ〜」
10ヶ月ぶりに会った祖母は嬉しそうにそう語った。
昔の祖父の写真を見せてくれたけど、面影は全く今のままである。
ハの字に垂れ下がった太眉と、優しい目元。
じいちゃんは、じいちゃんのままだな〜としみじみ思う。
よかにせとは、鹿児島弁でいうイケメンである。
写真をみて、”よかにせ”か”よかにせ”でないかと聞かれれば、
まぁ、よかにせの分類に入るのだろうけど、
よかにせ界の下の上といったところ。
(よかにせ連呼失礼。)
というのが、私の率直な感想であった。
全くもって、人の感性というのは様々で面白い。
祖父母の出会いは仲人の紹介によるもので、
当時は主流であったそう。
しかし、祖父は変わっていた。
何が変わっていたって、異常なスピード婚だったからだ。
なんと、出会って5日で結婚に至ったのだそう。
驚愕の事実。
祖母に理由を聞くと、「じいちゃんは忙しかったからね〜」とのこと。
おいおい、忙しさを理由にそんな人生の決断をできるものかね!!
と内心思った。
しかし不思議なことに、祖父母の相性は悪くはなかった。
大喧嘩したり、口をきかない関係になったりする関係もあるが、
いつも冗談を言い合ったり、笑いが絶えない二人だった。
「まずは、お互いを認め合うことじゃっど。
意見が違っても、まずは受け止めてあげる。」
と、祖母はつぶやいた。
なるほど、共感か。
とても大切なことだと思った。
親しい人ほど、自分のわがままや意見を押し通してしまいがちになる。
でもまずは相手を尊重して、お互いの納得点を見つけることが
長続きの秘訣なのだと思った。
75歳の先輩からの貴重なアドバイス。
胸の中に大切に保存しておこう。
ふと仏壇をみると、遺影の中の祖父はいつもより優しい笑みだった。
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