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脳内ミュージカル〜電車に乗って〜

洋楽が好きだ。
アップテンポでつい体が動いてしまうような、リズムが心地よい。

家のスピーカーで流しながら、日曜の朝に勝負服を選ぶ時。
ランニングしながらテンションを上げたい時。
仕事終わり、お酒のおともに。

いろんなシチュエーションがあるけれど、一番いいのは決まっている。
イヤフォンで洋楽を聴きながら電車に揺られる時だ。

目の前の車窓からはきらきら反射するまぶしい海が見える。
車内はちらほら乗客の姿。
ベビーカーを持つ若い女性と、メガネの中年男性、旧友のようなおばあちゃんが二人。
私は一人で洋楽に浸る。いや、浸るというより、世界に入り込むといったところ。
余計なことを考えず、ただただノリの良いリズムと流暢な英語に身を任せる。
それはまるで私が主役のミュージカル映画のように、今にも踊り出しそうな気持ちになる。
きっと勝手に足がリズムを刻んでいて、向かいの中年男性に凝視された。
なんだこのやろう。もっと見なさい。もっともっと見なさい。
「だって私は主役だもの!私のダンスと歌であなたをこれ以上ない幸せで楽しい気持ちにさせてあげる!」
そんな想像を膨らませながら、脳内ミュージカルの主役てちは輝き続けている。
あぁ〜、それにしても今日もいい天気だ。


こんな時間がたまらなく好きで、休みの日は電車に乗ってどこかに行こうと思うのだった。
目的地はいらない。
自由に、気ままに進もうではないか。

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