【タル空】油断していたよ…
七聖召喚をしている最中のタルタリヤと空くんのお話です。
七聖召喚対戦中の考え込んでいる空くん…。絶対、絶対、絶対!! かわいいから、真正面から見たら勝負に集中できなくなるんじゃないかな…と思いついたお話です!!(大声)
参考資料
・誕生日のミニキャライラスト
七聖召喚中に次の一手を考え込む空くん(長いな…)
「どうやら俺は、ここまでのようだ…。」
「なんでだよ…! どうして………!!」
ぐったりと横たわるタルタリヤに向かって、寄り添うように空は声をかける。その声は悲痛の色を露わにしていた。
「空…、俺のことはいいから………。」
「そんなことを言うなよ…!!」
空の必死の呼びかけに反比例するように、タルタリヤの声は次第に弱々しくなっていく。
「だって…、
七聖召喚がまだ途中じゃないかー!!!」
そう空は叫んだ。
そう。
ここは、戦場でもなければ病院でもなく、キャッツテールの個室である。
全体的に柔らかな色合いで彩られた室内は、猫の肉球を模したクッションやキャットタワーがあり、そこかしこにいる猫が、自由気ままにくつろいでいた。
そして、横たわるタルタリヤにちょっかいを出すように恐る恐るつつく猫や空の声にびっくりしたのか、瞳を見開いていたり毛を逆立てる猫がいた。
また、空が言うように、テーブルに散らばっている七聖召喚のカードや元素ダイスの様子からも分かるように、タルタリヤとの対戦がまだ途中なのである。
フッ…
「うん。だからこそ、油断していたよ………。」
「カードゲームなのに!!??」
力無く微笑みながら目を閉じるタルタリヤに、驚愕しながら空は言葉を紡ぐ。何故なら、現時点での七聖召喚の勝敗具合から言っても、タルタリヤは優勢状態だ。むしろ空が追い込まれていると言っても過言ではない。
だからこそ、次の一手をどうするべきなのか、それを長考しているうちに、何故かタルタリヤが倒れ込んでしまい、現在に至るのである。
(一体、どうしてこうなったんだ…?)
混乱して疑問符を浮かべる空が悩む一方で、タルタリヤは横たわりながら、その様子を見ていた。そうした様子が、いわば無意識的かつ無自覚に空が行っていることであり、タルタリヤが倒れ込んだ原因でもある。
タルタリヤが倒れ込んだ原因。
それは…、
次の一手を真剣に考え込む空の様子であった。
より正確に言えば、考え込んでいる空の真剣な表情が、普段とはまた違った可愛らしい様子になっていたのだ。
カードを見つめる琥珀色の大きな瞳。
考えを巡らせているであろう真剣な顔つき。
そして、何よりも、対戦相手であるが故に、真正面、という特等席から、そんな可愛らしい様子を見ることになる…。
それらのいくつもの要素が重なり合ったことにより、結果としてタルタリヤは、戦意喪失、という名のノックダウン状態になったのである。
(空………、無意識にそうしていたと考えると、君のそれは武器になるよ………)
ガクッ
「って、おい!? 本当に大丈夫なのかーーー??!!」
それを思い浮かべた最後、タルタリヤはガクリと力尽きて意識を手放した。その様子に、空は再度声を上げるのであった。
結局、その七聖召喚の対戦結果は、空の不戦勝となった。
その後、空と対戦する際には、何故かサングラスをつけてから挑むようにするタルタリヤの姿が見られたという。
-END-