俺、知らなかったんだけど?!
講談師の格好に着替えた空くんの写真を見て騒ぐタルタリヤのお話です。
めっっっちゃ短いです(当社比)
・謎時系列 多分、璃月にいた頃のいつの日かのやりとり…?(おい)
・ギャグ気味
・チャラさと胡散臭さが増すタルタリヤしかいません
参考資料
・岩港珍奇行紀
講談師の格好をしたタルタリヤ
・鍾離先生生誕祭2021 ミニキャライラスト
講談師の格好をした空くん
・伝説任務 空鯨の章
宝盗団のセリフ
璃月港 三杯酔にて。
席に座るのは、空とタルタリヤである。
珍しい場所にて、これまた珍しい2人が居るのには、訳がある。
元々は、鍾離と空が講談を聞いていた時に、途中からタルタリヤが合流したのだ。その後、講談が終わって談笑していた後に、ある話題となってから、神妙な顔つきをするタルタリヤの様子が少しばかり気がかりなのだ。
その後、"用事があるから俺はこれで失礼するが、後は若い2人でいるといい"と、(今まで旅した世界で言うところの)まるでお見合いのサポートをする仲人のような言葉を紡いだ鍾離が、席を立った後に去っていった。
そして、タルタリヤはあるものを見つめながら、微動だにしないのである。
「どうしたんだよ? 何かあったのか??」
「……けど。」
「え??」
声をかける空に、ようやく反応を示したタルタリヤは、ぽつりと呟くように言葉を紡ぐ。あまりにも小さな声で聞き取れなかったので、聞き返す意味も込めて、空は言葉を発した。
すると…
ガバッ
「俺、空がこの格好してたこと、知らなかったんだけど!?」
ビシッ!
「そりゃそうだろ。
言ってないんだから。」
ズバッ
勢いよく顔を上げながら声を上げるタルタリヤは、わざわざ机にあったあるものを右手に持って、左手で気になっているであろう箇所を指差した。心なしか汗を掻いて焦っているように見える。
そんなタルタリヤの様子に、なんだそんなことか、と言わんばかりに、ごく冷静に返事をする空であった。
タルタリヤの持つ物…。
それは1枚の写真であり、先程まで話し合っていた時に、鍾離が出したものであった。
そして、その写真の何を指差しているのかと言うと…
講談師の服装を身に纏った空が、鍾離に講談聞かせている風景であった。
どうやら、普段の黒を基調とした旅人装束とは違った講談師の服装をしているのが、タルタリヤにとっては衝撃的な出来事だったらしい。
「何でそこまで気になるんだよ??」
スッ…
「………俺、前に、潜入任務で講談師の格好をしたことがあるんだ。」
「そ、そうなのか…。」
(言ってもいいのか、それ?)
何故、ファデュイの潜入任務に講談師の格好をする必要があるのか。
そもそも機密事項な気配もするそれを話してもいいのか…。
写真を置いて、今度は右手で顔を覆いながら神妙な様子で語り始めるタルタリヤに、色々とツッコみたいことはある。だが、何よりも疑問に思っていることを述べる。
「それと俺が講談師の格好をしていたことと、何か関係あるのか?」
至極真っ当なことを述べる空に対して、右手を離して再び勢いよく顔を上げたタルタリヤは、やや悲痛にも聞こえる叫びを上げる。
ガバッ
「関係あるよ〜!!
俺とおそろっちしてよ〜!!」
「おそろっちってなんだよ?!」
どうやら一緒に講談師の格好をしたいようであった。
それにしても…
(急にチャラくなったな…)
いつしか宝盗団の1人からチャラいと言われていたことを思い出しながら、何故だか必死な様子のタルタリヤを困惑気味に見つめる空であった。
その後、渋るタルタリヤの圧に押し負けた空は、一緒に講談師の格好をした。
満足そうにしながら、さらにサングラスをかけたタルタリヤは胡散臭さが増していた。
しかし、不思議と満更でもない気分になる空であった。
-END-
後書き
だいぶ今更ながらですが、鍾離先生生誕祭2021でのミニキャライラストで披露された講談師の格好の空くんが可愛すぎたのと、最古の新キャラ登場webイベントである"岩港珍奇行紀"での講談師の格好をしたタルタリヤの話を書いてみたい、と思って考えたお話です。
"岩港珍奇行紀"は、蛍ちゃんに固定されていたので、講談師の格好をした蛍ちゃんは見れたものの、空くんは見られなくて残念に思っていたのですが、鍾離先生生誕祭2021でのミニキャライラストでめちゃめちゃ可愛くお披露目されたので、それも相まって勢いで書きました。
ここまで読んで頂きありがとうございます!