写りゆくもの
フィッシュルから貰ったある物について、話し合う空くんとパイモンのお話です。
去年行われた崩壊3rd×原神コラボイベントの画像を見返していて、限定☆3聖痕を見て思いついたお話です。
・めっちゃ短い
・聖痕の扱い自己解釈多々
・お土産屋でよくある覗きひょうたん、あるいはそれに似たお土産が元ネタです。
※崩壊3rd×原神コラボイベント自体に参加していない元艦長が、☆3聖痕やコラボ漫画などを見たノリで書いてます←
参考資料
・崩壊3rd×原神コラボイベント
限定☆3聖痕 異世界の旅人(T)
※初出 2022年7月8日 pixiv
「フィッシュルから貰ったこれ、一体なんだろう??」
空が手に持っているのは、フィッシュルから貰った丸くてビー玉に似たものである。掌にころん、と転がるそれは空洞のようなものがあって、小さく覗き込める形になっている。
「確か、去年、オイラや刻晴が行った不思議な場所で手に入れたんだ。」
そんな空の疑問に答えるように、パイモンは説明をした。どうやら、去年、フィッシュル、刻晴とどこか不思議な場所へ出かけていた時に手に入れたものらしい。
フィッシュル曰く、その不思議な場所で手に入れたものだが、用途がわからずじまいで、宝物入れに入れたままにしておいたようだ。それを部屋を整理していたら出てきたものらしい。表面に大きなオレンジ色と小さな水色の菱形の煌めきがあるそれを見ているうちに、空を連想して渡したくなったようだ。
(何だか、よく分からない物を押し付けられた感が否めないけど…)
スッ…
なんとも言えない気持ちが入り混じったように感じつつも、空はその空洞の部分を覗き込んだ。
すると、そこに見えたのは…
蛍と空自身が並んでいる姿だった。
2人は、背中に光り輝く羽根を携えて、武器を構えている。
「っ?! 蛍??」
バッ
「えぇ??! 妹さん??!!」
驚きのあまりに、勢いよく顔を上げて声が大きくなってしまった。それにつられるようにパイモンも声を上げる。
スッ…
(やっぱり、俺と蛍だ…)
確認の為にもう一度覗けば、そこにはやはり蛍と空自身が写っている。
一体、どういう仕組みなのだろうか??
「ちょ、ちょっとオイラにも見せてくれ!!」
バッ
「あ、パイモン!!」
疑問を浮かべる空から奪い取るように、パイモンは覗き込んだ。焦る空だが、次に発せられたパイモンの言葉に耳を疑った。
「…何にも写ってないぞ??」
「えっ??」
「むむむ…、オイラをからかったのか〜!?」
先程とは違う驚きに声を上げる空に対して、パイモンは怒りを露わにして空中で地団駄を踏んだ。その度に、幻想の翼から星座の形に似た鱗粉が周囲に激しく舞い落ちる。
「ち、違うよ、パイモン! 確かに見たんだ!!」
スッ
その言葉に慌てて確認した。だが、やはり蛍と空自身がはっきりと写っている。
(もしかして…)
この奇妙な現象に、空の脳裏にあるひとつの考えが浮かび上がった。
それは…
「俺にしか、見えないのか??」
「な、何だって〜?!」
空の発した言葉に、パイモンはさらなる驚きに声を上げた。
空には見えているのに、パイモンには見えない。
そうなれば答えは簡単、空にしか見えていないからだ。些か不可解ではあるが、そうでもなければ、この状況に説明がつかない。
「折角、お前の妹さんが見られると思ったのに〜!!」
「まあまあ。そう落ち込まないでよ、パイモン。」
落ち込むパイモンに、後で新しく手に入れたレシピで作ったお菓子作るから、と空が言ったので、お菓子!!と喜んだパイモンはすっかり機嫌が直ったのであった。
どんな仕組みかは分からないが、離れ離れになる前の自分達を見れて満足した空は、今度、フィッシュルにお礼をしないと…、そう考えながら、不思議な玉を懐にしまうのであった。
-END-
後書き
一度、空くんor蛍ちゃんのボイスにあるパイモンとのやりとりみたいな感じで書いてみたかったのと、コラボイベントの限定☆3聖痕が尊すぎて書いていました…!
空くん、蛍ちゃんの名前の位置を変えて、口調も変えれば、蛍ちゃん視点でも読めると思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
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